10/02/25 09:19:32 TBtLNzdZ0
小学生の時の事。
バレンタインデーの日の朝、母親がニッコリと笑いながら、
「もしチョコをもらったらこの中に入れて帰りなさい。」
と言って、紙袋を俺に見せた。
俺は
「どうせもらえないからいいよ。」
と母親に言ったが
「◯◯ちゃん(俺の名前)はカッコいいからたくさんもらえるよ!」
と言って自信ありげに俺に紙袋を持たせたので、
俺は紙袋を持って登校することにした。
やっぱりチョコは一つも貰えなかった。
下校時、俺は母親からもらった紙袋を無駄にしてはいけないと思い、
家に帰るまでに道端に落ちていたゴミを拾って、紙袋に入れて帰った。
家に帰り着くと、玄関先で母親が笑顔で出迎えてくれた。俺は
「もらえなかったよ。」
と言って、ゴミの入った紙袋を母親に見せた。
すると母親は、
「◯◯ちゃんはエラいね。いつかチョコもらえると思うよ。」
と言うと、涙をポロポロと流し始めた。
俺もその姿を見て泣いてしまった。
それから約20年が経つ。
俺はいまだにチョコをもらったことがない。
母親は数年前に自殺した。