09/05/15 06:45:45 2ao4o2NkO
自動車は、特殊なケースを除いて加速力より減速力の方が遥かに大き
い。例えばiのターボ車は0-80km/hが11.2秒だが、加速Gにすると平均
0.2G。減速Gの方は100km/hから40.6mで停止しているから、平均0.97
Gと5倍近い差がある。
モーターの出力は駆動トルク×回転数で求められるが、回生ブレーキ時
の発電力は制動トルク×回転数となる。モーター内のコイルに電流が流
れることで駆動力となるが、電力の供給を止めてもモーターが回転して
いれば電流は流れ続けようとする。
このとき、モーター外の電流が流れる部分の負荷を0とすればモーターは
単に空転するだけだが、抵抗などを付ければその消費電力分だけモータ
ーに制動力が発生する。ただしモーターの耐圧や効率の問題があるため
通常はモーターとしての最大出力以上の回生はできない。
結果的に回生ブレーキによる制動力は、タイヤのグリップ力よりずっと低
い領域でしか働かない。グリップの限界に近い横Gが発生している状態
で、そこに何の配慮もなく回生ブレーキを加えれば車の安定性に影響を
与えるが、ABSですらその状況では制動を控えている。
回生ブレーキの有効な範囲を、急制動時なども含めた特殊な状況まで広
げても、その状況が発生する頻度を考えると必要なコストに見合った効果
とはならない。