09/05/24 00:22:54 b5lZHhLP0
顧客はポルシェをスポーツカーのメイクと考え、しかしポルシェ自身は飽くまで実用GTのメイクであることに拘る
その事が上手く機能したのが911に於ける“カレラRS”や現在の“GT3 RS”のような硬派なバリエーション・
セミ・レーサーをイメージリーダーとして豪華装備の通常モデルを売るというやり方でしょうが
顧客とポルシェ社自身の思惑の違いが裏目に出たのが前述の914であり、
またエロスパ氏も書かれたように、フロントエンジン車の928や924~944、968でしょうか。
硬派のスポーツカーにこだわるのであれば、こうしたモデルは不要であったのかも知れませんが
高速移動を安楽にこなすGTを目指すには、リアエンジンの911からフロントエンジン車への移行は自然な事で
ポルシェ社が当時、どのような未来像を思い描いていたのかは理解出来るのですが
生憎顧客層の多くは、ポルシェというブランドに安楽な高速移動のツールを望んでいなかったのでしょう。
これらのフロントエンジン車は結局は商業的には成功作とは成り得ずに
一時期のポルシェ社の低迷の象徴のように言われる事も多いようです。
車そのものの出来は勿論悪い物では無かったのでしょうけれど。
ニッサンが所謂R32GT-Rを開発した時に、具体的なライバルとしてポルシェのフロントエンジン車944の
高性能版を挙げたというのは有名な話で、
当時多くの人は「何故911ではなく944?」のように感じたかも知れませんが、
より多くの台数を販売するスカイラインのバリエーションとしては扱い易い操縦性を持つ必要性が有る筈で、
その為にも限界付近で許容性の高いフロントエンジンの944が
エンジン搭載位置という共通項以上にニッサンの開発陣には参考になったのかも知れません。
たまに路上でこれらのフロントエンジン・ポルシェを見掛ける事もありますが、
良い車だと思いますし、実際そうなのでしょう。ただポルシェを見ているという感覚は薄い。
これらの車を気に入り所有している方には、そういう他人の目だけが癪の種かも?