09/03/24 10:39:47 49y8veQpP
モーターはエンジンとトランスミッションの間に挟み込まれ、常にエンジンと一体で回る。
これが一般的に「パラレル式」と呼ばれるホンダハイブリッドの特徴だ。
複雑な動力分割機構を使って「シリーズ・パラレル式」としたプリウスのように、モーターのみで発進することはない。
というわけで、新型インサイトは身も蓋もない言い方をすれば、「モーターアシストがあって、アイドリングストップするガソリン車」だ。
プリウスの場合はブレーキを離した瞬間、モーター(インサイトの5倍近い68psと40.8kgmを発揮する)の力でゴロッと転がり、
そのまま「ゴロゴロゴロ・・・・・・、ブォーン(エンジンの音)」という感じで走り出すが、
新型インサイトはブレーキを離した瞬間、「ブォン」とエンジンが掛かり、フリードとかフィットみたいに走り出す。
走りは力強く、しかもホンダらしく元気一杯。プリウスもそうとう速いクルマだが、飛ばしてもひたすらスムーズで平和という感覚が強い。
インサイトはもうちょっと古典的で、ライトウエイトハイブリッドスポーツ?という感じだ。
路面の凹凸に反応してコツコツ、ポンポンと跳ねる硬質な足まわりも、良くも悪くもこのクラスのホンダ車。
同様にフロントシートもホンダ車らしく平板で、相性の問題はあるにしても、久々に腰が痛くなった。
今までのホンダ車で不満がない人にはいいかもしれないが。
開発陣が明言しているように、実際のところインサイトには技術的なブレイクスルーは何もない。
あるのはコンセプトや制御プログラムといったソフト面の仕掛けと生産体制というハード面での改良だ。
やはり「安いハイブリッド車」という徹底したコンセプトの統一感がこのクルマのキモだろう。
安いことはいいことだ。完全なブランニューカーであった初代プリウスは、215万円(21世紀へGO)で、
ナビこそ無いもののオーディオとナビ兼用インフォメーションディスプレイが標準装備だった。
それを思うと、インサイトのオーディオレスで189万円という価格は、実はそう特に安いとは思えないのだが、
「高級車」になってしまった現行プリウスやシビックハイブリッドと単純に見比べた場合、
やはり相当に安く見える。昨今の商品は、売れるためには安いことが何より大事。
その意味では、まず低価格を全面に打ち出したことは素晴らしい見識といえるだろう。