07/03/09 18:58:12 yh/HetxK0
乳児が母親の乳首を吸うことが刺激となって母親の脳に作用し、
生殖機能を抑制するというメカニズムを、名古屋大生命農学研究科の
束村博子助教授(47)と山田俊児大学院生(28)らのグループが解明した。
米国・内分泌学会誌「エンドクリノロジー」(電子版)に論文が掲載された。
束村助教授らは、子育て中の母親ラットについて、授乳をさせたものと、
赤ちゃんラットと引き離したものとで、脳内を比較検討。
その結果、授乳しているラットの方が「メタスチン」と呼ばれる神経伝達物質の量が少なく、
乳首を吸われるという刺激によって「メタスチン」の合成が抑えられることが分かった。
メタスチンは、2001年に日本の研究者の手によって、がん転移を抑える物質として発見された。
その後の束村助教授らの研究や欧米の研究で、メタスチンが少ないと排卵しにくいことなどが分かり、
哺乳(ほにゅう)類の生殖を制御する最も重要な神経伝達物質と考えられるようになっている。
今回の研究結果は、不妊治療や家畜の繁殖力を増やす薬への応用が期待されるという。
束村助教授は「授乳中の母親の生殖機能が抑制されるのは、
次の子供を妊娠しないための摂理と思われるが、その脳内メカニズムは不明な点が多かった。
今回の研究で、その中核部分を解明できた」と話す。
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