06/12/18 10:15:41 DrAuqnxW
言えなかった一言・・・ 傑作(0) 2006/9/2(土) 午前 10:02 | 走馬灯(青春コラム) | 読書
中学時代の同窓会が開かれた。
そこには、いつも思いを寄せていた女性がいる。
当時、突っ張っていた僕の心の中で 唯一優しくなれる時を作り出してくれていた女性だ。
別に、好きだと言った訳でもなく、交際した訳でもない。
でも、心の中のヴィーナスとして留め置いていたのだった。
そして、会は始まり いろんな思い出話が語られていた。
当然、喧嘩ばかりの僕に関する話題は 他校に喧嘩を仕掛けて警察に追い回されて
当時の教頭先生の教え子がその警察の上層部にいた為 何とか抑えてもらったという事や
機械人間のようにクールに突っ張っていた・・など 話題に事欠かないのは
どうやら僕のようである。
要するに、良しも悪しも 目立っていたのだろう・・・。
(今は、地味に生きているつもりですが・・・)
で・・・
僕は、当時のヴィーナスだった女性に 近づいていき・・・
「僕ね、本当は 君の事が好きだったけど・・・言い出せなかったね~ お互い 今なら言えるけど・・
当時は、俺なんか・・・って感じだったからね・・自分で・・ハハハ」
と、変な告白になってしまったが 相手ももう人の親なので 言える話かと思った。
すると、彼女は 少しうつむきながら「私ね・・・ずっと あなたの事が好きだったよ。いつも
やんちゃしていたけど、優しいとこあるっていつも思ってた。 何度か、サインだしたつもりだったけど
気づいてくれなかったかな・・・私じゃダメなんかな と思ってたよ。」
と言われ 何だか 頭の後ろからガーンと殴られたような気がした。
もしも、当時に告白していたら・・・
もしかしたら、二人の人生は・・・
三文のメロドラマではないから、ここで 人生を巻き戻して恋に溺れる訳にはいかないが・・・
しかしながら、心の中に 少し痛いものが突き刺さったと感じた ほろ酔いの帰り道だった。