07/06/25 22:18:15 /gLJ6Ugx0
リベンジを。。。
―今夜、君の声が聴きたい―
さきほど、この曲を聴いていてふと思うことがあった。
この中に展開される世界はもっと深いところがあるのではないかと。
「また、コーヒーに月を浮かべ・・・」
真っ黒なコーヒーの中に浮かぶ月を見ながら、
この主人公は何を思ったのだろう。
閉じられた世界の中でたった一人でゆらゆらと、
しかし懸命に光り輝こうとしている月。
涙を流しながらそれを飲み干す彼には、それが、
今の自分の姿と重ね合わせずにいられなかったのではないだろうか。
“本当は枠にとらわれたくなんかない。
もっと広い世界で、自分の色で自分の最大の力で輝きたいんだ。”
サビのファルセットからはそんな主人公の思いが感じられる。
とすると、空に浮かぶ本物の月は何を象徴しているのか。
手の届かない主人公の自分の姿、それは自分が理想とする姿。
いつも大人でただそこにいて自分を見守ってくれるような
大きな存在。それが、きっと自分がその場所にくるのを
心待ちにしている。
そんなものを見ているうちに主人公の心にわいてくるのは
今現在の自分に対する自己嫌悪の念。
「いつも周りが賢く見えて、
いつもひとりヘラヘラから回りして・・・
こんな僕はそんなみじめに見えるのだろうか」
それでも、明日からはまた日常がやってくる。
“きっとそこまでたどり着くから、だから、
だから、これからも、僕を見守ってくれ。”
この曲の魅力は、理想と現実の板ばさみになった主人公の
心の葛藤ではないだろうか。
月をその象徴として用いることで、決して暗いだけの曲にならせず、
逆に、どこか美しさを持った曲とすることに成功している。
月を浮かべたコーヒーを片手にした悩める男、空には
優しく光る月。それは、ある種の絵画的な魅力を我々に呈している。
―今夜、君の声が聞きたい―
これは、歌手いやアーティスト柴田淳にとってもわれわれにとっても
歌い継いでいくべき楽曲といえよう。
柴田淳が言うこの歌の意味するところを承知の上で、
あえて、語ってみました。
以上