06/09/19 20:21:33
尾崎豊って、自分がこの人とは切り結んだと思えた人に対しては猛烈にワガママ。猛烈に自分勝手なんですよ。
ところが、初めて会った人に対してはもう、ウソみたいに低姿勢なんです。
たとえば、『あ、どうも尾崎です。どうもありがとうございます』なんて言いながらインタビューが始まる。
で、そのうちに自分がこの野郎許せないと思いはじめると、その場でテーブルを全部ひっくり返して終わりにする。
常に尾崎には、軒先で傷ついた羽を休めながら小刻みに震えている繊細な自分と、一度切れるとどんなものにも殴りかかり食いついていく凶暴で獰猛な異物を背負った自分がいた。
それが交互に現れる。傷ついた羽を休めながら小刻みに震えている尾崎というのも、また逆の意味でどうしようもなく相手を拒絶している。
どっちにしても彼が心休まる場所なんか、ほとんどない。陰の部分も陽の部分も、静の部分も動の部分も常に相手を拒絶している。
信じられないわけですよ、相手を。善意にとれないわけですよ、全てを。