06/07/18 04:50:55
高校3年のある日、学校の休憩時間。
「お前らに尾崎豊の気持ちがわかるのかよ!」
教室で突然、叫び声が響いた。
「何にも知らないクセに、お前らなんかに尾崎のなにが分かるってんだよ!!」
声の主はA。彼は尾崎豊の熱狂的なファンであった。
どうやら周りにいるB、C、Dが尾崎豊の歌や歌詞なんかを茶化したらしい。
普段大人しく、無愛想でもあるAがこの時ばかりは顔を真っ赤にして怒っていた。
そして、Aは3人を見下すように見つめながら吐き捨てるように行った。
「尾崎のことが分からないなんて、お前ら可哀相なヤツらだな・・・・」
Aと私は同級生でクラスも一緒であったが、ほとんど口をきいたことがなかった。
ただ、彼が尾崎豊の熱心なファンであることは、人づてに聞いて知っていた。
ほとんど友人がおらず、いつも教室の自分の席で一人佇み、ウォークマンで音楽(たぶん尾崎豊だろう)
を聞いていたり、何か本を読んでいた。そんなヤツだった。