07/08/08 01:11:20
【国家なる幻影】 わが政治への反回想 石原慎太郎
議員になってからもう一つ、政治家としての、これはテレビでの発言が元になって思いがけぬ脅迫に遭った。
当時北朝鮮は、実質的に国家・政府と一体である労働党の規約にその頃になっても
「日本軍国主義」を打倒するなどといった大時代的な文言を掲げ、
なおかつ中共とも手を組んだ執拗な日本攻撃を繰り返していた。
朝鮮半島問題について語った折に私がそれに触れ、こうした国との友好はその限りで不可能だし、
彼等が日本に何かを望むならばまずすみやかに日本を敵国視することをいわば国是としているような
異常な状態を改めるべきだといったらたちまち日本在住の北朝鮮人たちから抗議が殺到し、
ある日突然逗子の家に彼等の代表なる男たちが約束もなしに押しかけてきた。
居留守を使うのも姑息だし、家に上げるつもりもなく、玄関から出て門内の前庭で会った。
彼等の抗議は激しいというよりいかにも口汚く、中の一人がちょうど玄関先の庭で三輪車を漕いで遊んでいた、
今は代議士になった長男を指して、
「お前が謝らなければ、そこにいる息子を殺してやるから覚悟しろ」
とまでいった。
そう聞いた途端私もかっと来て、
「お前さんたちがもしそんなことをしたら、この俺に投票してくれた三百万余の日本人たちだけでなく、
多分ほとんどの日本国民が貴様らを許さないだろう。いや、本気でそういうなら今ここでそうしてみろ。
誰かが息子に指一本かけただけで、即座に警察を呼んでぶちこんでやる。するならしてみろ」