08/01/27 19:38:42 UfNarCPo
【芸術家高本秀行、栄光の軌跡】 ■第二十四回■
「お父さん、お母さん、僕はもう大丈夫だよ。
明日からまた学校にいって、みんなを指導するよ」
と秀行少年は晴れやかな表情でいった。
その表情から吹っ切れたような爽やかさが感じられた。
しかし、秀行少年は続けてつぎのようにいった。
「僕、もう作曲はやめるよ」
と。秀行少年は続けていった。僕が作曲の道に
導いてくれた秀吉おじさんが死んだ以上、
僕はもう作曲を続ける意欲を失った、音楽は
作曲だけではない、これから僕は音楽評論を
追求する、新たな地平を開拓するよ、と
厳かに語った。
音楽評論家高本秀行はこの夜、誕生したといえよう。
(第二十五回に続く)