08/01/24 20:06:10 ZKSzETTx
【芸術家高本秀行、栄光の軌跡】 ■第二十一回■
高本秀行少年は学業に、音楽活動に多忙な日々を送っていた。
同年代の小学二年生とは比べ物にならないほどの人格形成、
そして音楽家としての急成長の泉はどこにあるのであろうか。
両親や親類縁者は集うたびに秀行少年の優秀性を語り合った。
秀行少年は同級生には全くといっていいほど関心を示さなかった。
彼の目には同級生が余りにも幼稚でついていけなかったからだ。
実際その頃の秀行少年は小学六年生の教科書を用いて、
自宅で勉学を重ねていた。また、体格も六年生程度と判断された。
体育の授業などで50メートル走があっても秀行少年は
手加減して走った。それでもいつもぶっちぎりの一位であった。
彼の両親は夏に入り、教育委員会に秀行少年を六年生にできないか
打診した。教育委員会でも特例で認めていいのではないか、という
見解があったほどだ。委員会内部では慎重に検討が進められていた。
そんな夏のある日、秀行少年にとって衝撃的なできごとが起こった。
(第二十二回に続く)