07/02/23 00:42:07 fQWPOqpe
>>598
その舞台の端の専門の係を、歌舞伎では「ツケ打ち」さんといいます。
「…六十余州に隠れのねえ、賊徒の張本(パンッ)日本(パパンッ)駄右衛門!」
というときの、パパンを出す人です。拍子木で床に置いた板を叩きます。大道具
係が兼ねることになっています。(上方歌舞伎では違ったかな?)
歌舞伎といえば、野村胡堂(あらえびす)が、ニキシュを団十郎(九代目)に、
フルヴェンを吉右衛門(初代)に例えていましたが、なかなか当たっている例え
ですね。
吉右衛門は六代目菊五郎と人気を二分する名優に育ち、フルヴェンもトスカニ
ーニと人気を二分する大指揮者になりました。
菊・吉の死後、結局のところ、菊五郎の芸統が歌舞伎界の本流になったし、フ
ルヴェンとトスカニーニの死後、チェリビダッケやバレンボイムを除き、結局のと
ころ、カラヤンを筆頭とするトスカニーニ派が20世紀後半の主流になりました。
しかし、SPの「運命」2種を聞き比べただけでこんな例え話のできた(フルヴェ
ンと彼の芸術の将来を見通した)野村胡堂は、恐るべき耳の持ち主だったんです
ね。