06/03/06 23:31:37
青葉茂れる桜井の 里のわたりの夕まぐれ 木の下陰に駒とめて
世の行く末をつくづくと 忍ぶ鎧の袖の上に 散るは涙かはた露か
正成涙を打ち払い 我子正行呼び寄せて 父は兵庫へ赴かん
彼方の浦にて討死せん いましはここまで来れども とくとく帰れ故郷へ
父上いかにのたもうも 見捨てまつりてわれ一人 いかで帰らん帰られん
この正行は年こそは 未だ若けれ諸共に 御供仕えん死出の旅
いましをここより帰さんは わが私の為ならず 己れ討死為さんには
世は尊氏の儘ならん 早く生い立ち大君に 仕えまつれよ国の為め