08/06/28 18:41:18 nBBsy6+u
内部統制は不正・誤謬の合理的に僅少な組織を構築し、そのことによって
経営管理を可能ならしめる管理手法である。従って、内部統制は、
経営者の経営管理手法の一つの手段に過ぎない。もとより、内部統制は
経営者の経営管理目的のためにあるのであり、経営者の不正を発見・防止
することを目的とするものでない。すなわち内部統制は経営者の
不正に対しては無力なのである。ここで、内部統制を無効とする共謀と
経営者の不正の両者を併せて、内部統制の限界という2007年3月期の
石川島播磨重工のエネルギー・プラント事業部においては、
内部統制上の不正定義の転倒現象」がおきてしまったのではないか?
石川島播磨重工の社員は、「未実現かつ非現実的コストダウンを
見積原価に反映させる」事は粉飾であることを一般社会常識として
知っていながら、石川島播磨重工の2007年3月期という特定の
状況下においては、それは必ずしも「いけない事」ではないと考えて
しまったのである。公募増資の成功を期待する社内ムードや、
優良なる社会人であることよりも忠実な組織人であることを
優先させる石川島播磨重工の企業文化が、ここでの内部統制上の
不正の定義を転換する意識を大いに促進している。そして何といっても、
経営上層部そのものが粉飾決算を黙示的に強く求めているのである。
そうであれば、本件粉飾決算という経営目標に沿うべく、
実現不可能なコストダウンを原価見積に入れてみたり、
追加原価を意図的に報告しないといった行為は、むしろ内部統制理論として
当然の行動原理だったということになる。
石川島播磨重工の従業員は悲しいほどに組織に従順なのであり、
そこでの内部統制は設計どおりに有効に機能している。
そして本件粉飾決算を主導した経営者は、これらのことを十分すぎるくらい
知りつつ、従順な従業員の気質と内部統制の限界を逆手に取るようにして
本件粉飾決算を強行している。その戦慄すべき犯罪性こそ
司法の場で糾弾されるべきであろう。