08/06/28 18:26:55 nBBsy6+u
もとより会計監査とは、会社との監査契約により、会社より監査報酬を得て
行なわれる。その公認会計士監査の最大の目的は粉飾決算の発見・防止に
あるのであり、そのために会社は監査法人に金を払っているのである。
その監査法人が粉飾を発見・防止できなかったのであるから、
それは重大な監査契約違反なのであり、従って、石川島播磨重工とすれば、
ここで新日本監査法人を契約不履行で訴えておかなければならない。
欧米では、粉飾決算が発覚したにもかかわらず監査ファームを訴えない
会社など存在しない。欧米でなくとも、監査理論上並びに監査契約上、
粉飾決算があれば監査法人は監査先企業から訴えられることになっている。
そうしないと、企業自身の新経営陣が株主から訴えられてしまうのである。
粉飾決算で最大の損害を受けるのは株主なのであるから、
株主とすれば粉飾による損害を何としても弁済してもらいたい。
その損害賠償は、粉飾を引き起こした会社の旧経営者はもちろんのこと、
粉飾を発見・防止するために株主総会で選任された監査法人も当然に
対象になる。会社が監査法人を訴えないのであれば、
株主が自ら弁護士を雇って監査法人を訴えるしかないのである。
石川島播磨重工の株主は、IHIの新経営陣が新日本監査法人を
訴えることを当然に期待している。
(ただし、多くの一般投資家はこの理屈を知らない可能性がある。)
IHIはどうするつもりか?
良い人達に違いないIHIの新執行部としては、
あえてここで新日本監査法人の会計監査を問題とすることなく、
このまま事を収めたいと思っているのであろうが、
それだけは止めたほうがいい。契約不履行による告訴や監査法人の解任
は石川島播磨重工の企業文化にはそぐわないかもしれないが、
これだけの巨額粉飾が行われ一般投資家の600億円もの金が
騙し取られたのであるから、何としてもその原因究明を行い、
再発防止策を構築しておく必要がある。IHIの新執行部が、
本件粉飾決算を「極めて重く受け止めるとともに、深く反省」していると
言うのであれば、本件会計監査のどこに問題があったのかを追求せざるを
得ないのである。