08/08/30 16:21:26 qPUkxaZf
ところで昨夜の朝生を見ていて感じたコトだが、香山リカあたりは常識的な認識として
皇族の人権について肯定的に語っており、恐らくは大抵の人も「人権がないというのは酷い」
とゆ~とらえ方だと思う。だが、西尾がいうのはある意味で正しい。皇族は生まれながらに
人権が制限されており、嫁に入った民間人も皇族となった段階で人権が制限される。
これは人権を享受してきた人にとっては想像を絶する苦痛であろう。雅子妃の病が良くならないのも
基本的にはここに帰着する。例えばオレの専門分野である憲法学では、長い間この問題について
国民主権との齟齬(国民には人権があるのに皇族にはないのは明らかな齟齬)に関して、
「飛び地論」が多数説として言われてきた。それ以前は芦部らに見られる学説があるが、
芦部説を採るとむしろその齟齬が際だってしまい、天皇制を維持するのに問題が残る。
それが「飛び地論」であれば、皇族の人権が制限されても一応の整合性が保てる。
だが、雅子妃の問題と皇位継承の問題がクローズアップされてくると、もはや「飛び地論」では
掬いきれなくなってきた。そこで石川健治らの若手憲法学者らは、「飛び地論」を克己する
学説が必要であると説く。このままでは雅子妃の悲劇を繰り替えするコトにも繋がるし、
何より人権が制限されると分かり切った場に入るのを避ける風潮になれば、皇族の婚姻は
極めて困難になるからだ。オレは西尾の雅子妃に対する悪意に満ちた断定には与するつもりは
ないのだが、人権が制限されている事実は認めている。そして西尾の論調では、何一つ
根本的な問題解決にはならないと考えるからだ。