08/05/27 20:14:54 X33SmpU2
新日本建設に関する詔書 その2
思うに長きにわたった戦争が敗北に終わった結果、我が国民はややもすれば思うよう
にいかず焦り、失意の淵に沈んでしまいそうな流れがある。
過激な風潮が段々と強まり、道義の感情はとても衰えて、そのせいで思想に混乱の兆
しがあるのはとても心配な事である。
しかしながら私はあなたたち国民と共にいて、常に利害を同じくし喜びも悲しみも共
に持ちたいと願う。
私とあなたたち国民との間の絆は、いつもお互いの信頼と敬愛によって結ばれ、単な
る神話と伝説とによって生まれたものではない。
天皇は現人神、日本国民は他より優れた民族で、ひいては世界の支配者たるべく運命
づけられたという架空の概念に基くものではない。
私が任命した政府は国民の試練と苦難とを緩和するため、あらゆる施策と運営に万全
の方法を考え実行しなければならない。同時に私は我が国民が難問の前に立ち上がり、
当面の苦しみを克服するために、また産業と学芸の振興のために前進することを願う。
我が国民がその市民生活において団結し、寄り合い助け合い、寛容に許し合う気風が盛
んになれば、我が至高の伝統に恥じない真価を発揮することになるだろう。
そのようなことは実に我が国民が人類の福祉と向上のために、絶大な貢献を為す元
になることは疑いようがない。
1年の計は年頭にあり、私は私が信頼する国民が私とその心を一つにして、自ら奮い
たち、自ら力づけ、そうしてこの大きな事業を完成させる事を心から願う。
日本国天皇 御名御璽
昭和21年1月1日
9頁→