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「買収ルールなき国で」 日経新聞6月5日コラム・大機小機
5月15日に英国の運用会社ハーミーズなどの年金基金や投資家たちが日本企業に対して企業統治の
改善を求める白書を公表した。株式の希釈化から株主を保護せよとか、議決権の投票結果を即時公表せ
よといった提言は、既存株主の立場をその毀損から守るという受け身の主張であり、世界中どこでも通
用する主張である。そもそも原則として第三者割当増資などない英米からみればこれこそ日本の恥ずか
しい行為というべきだろう。
しかし、ポイズンピル型の買収防衛策を廃止せよとか、上場会社の所有者は株主だといった主張を評
価するには、論理的に越えなければならないハードルがある。まず日本には買収防衛策ルールが存在し
ない、という事実を彼らが理解しているかである。日本は株式会社制度を自由な証券市場と一体で運営
するという、欧米が失敗をしながらノウハウを蓄積してきた世界に入って間もない。しかも、それは米
国流の最大自由の世界であり。そうした世界を操作するのに必要な標準装備がない。