08/08/09 21:24:53 SGL26r71
まこも管理人さん。
経済学の泰斗であり、同僚であった青木昌彦氏の近著『私の履歴書 人生越境ゲーム』に
西部さんが重要な人物として出てます。本書では数箇所西部さんの名が出てますが、
重要な点を掲載します。
p145-p146「経済学に迷い」から引用
このころ、かつてブントから一緒に「戦線逃亡」し、東大教養学部で経済学を教え始めていた
西部邁と交友を再開した。彼は新古典派経済学の批判からさらに進んで、社会学や言語学
などの本を広く渉猟し、その読みの深さは舌を巻くほどだった。
(中略)
西部が75年に出版した「ソシオエコノミクス」の中で、私の社会学や経済学や哲学を
継ぎ接ぎした当時の稚拙な統合の試みに対して「異形」だと批判したのはいささか
ボディーブローのように効いた。私がこの問題に納得いく解決を見出すのにはまだ
それから20年を要した。
西部は「青木と俺とは双曲線のように、無限の彼方からやってきて、今は近づいているが、
そのうちまた無限の彼方に別れていくだろう」と言った。彼は北海道出身、私は湘南出身で
家族背景でも我々二人は遠く離れたところから来た。そして私の再婚の式の夜の飲み会で
口論となりそれ以来絶交した。彼の予言どおり、私たち二人は思想的にも再び遠くに
離れる存在となったが、このころの勉強が私にとって、後に実ることになる。
以上
経済学徒であるなら、本書を通して、青木氏の人生を追体験するのは非常に有益です。
経済学をコテンパンに葬る西部さんとは一味違った該博さ、学問の歩き方をしてます。
蛇足ですが、唐牛氏も多く出てます。かつp167には唐牛氏の写真まで掲載されてます。