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「ニート」言説は、1990年代半ば以降ほぼ10年間の長きにわたり悪化の一途をたどった若年雇用問題の咎を、労働需要側や日本の若年労働市場の特殊性にではなく若者自身とその家族に負わせ、若者に対する治療・矯正に問題解決の道を求めている。
「ニート」は、忌むべき存在、醜く堕落した存在、病んだ弱い存在として丹念に描き出される。「ニート」は、可能な限り水増しされ、互いに異質な存在をすべて放り込んだ形でその人口規模が推計される。
「ニート」は、若者全般に対する違和感や不安をおどろおどろしく煽り立てるための、格好の言葉として用いられる。
「ニート」はやがて、本来の定義を離れてあらゆる「駄目なもの」を象徴する言葉として社会に蔓延する。
こうした「ニート」言説のせいで、冷静で客観的な現状分析と、真に有効な対策の構想は立ち後れている。もはやこうした事態を放置することはできない。靄は払われなければならない。