07/06/07 12:52:33
訪問介護最大手のコムスン(東京都港区)が今後4年半、すべての事業所の新規指定や
更新が認められなくなった問題で、親会社のグッドウィル・グループ(GWG)は6日、
コムスンの事業を同グループ連結子会社の日本シルバーサービス(東京都目黒区)に
譲渡する方針を決めたと発表した。厚生労働省は法的には問題ないとしている。
事業がそのまま譲渡されれば、約6万5000人へのサービスは継続されることになるが、
同省による処分が骨抜きになることになり、意義が問われそうだ。
日本シルバーサービスは、有料老人ホームなどを展開するGWGの一員。もとはコムスンの
子会社だった。それが今年5月、GWGで人材派遣業を担う「グッドウィル・プレミア」
(旧クリスタル)の子会社プレミア・メディカルケアのグループ会社となった。
ただ最終的な親会社はGWGで、株主企業がグループ内で変わるだけとなる。
GWG広報IR部は「グループ内での事業譲渡でも法人は変わるので、今回の処分の対象には
ならないと考える。利用者へのサービス継続のため決断した。厚生労働省の理解も得ており、
問題はないはずだ」としている。
これに対し、同省老健局の古都賢一振興課長は「コムスン側から連絡はない」としたうえで、
「譲渡先がグループ会社であっても法的には問題ない。譲渡先が新規指定の申請をすれば、
都道府県が審査することになるが、コムスンの役員が入るなどしなければ欠格事由とは
ならない」と、事実上容認する姿勢を示した。連結子会社など資本のつながりは法令上、
欠格事由の判断材料とはならず、利用者保護の観点から新規申請した法人がサービスを
きちんと提供できるかどうかを点検するという。
同省は06年4月施行の改正介護保険法でサービス業者の指定に更新制を導入。急増する
業者数に対応するため、監査体制も強化した。同省は「従来は介護サービスの量の確保に
重点を置いていたが、今後はサービスの質を上げなくてはならない。事業者全体の構造改革も
必要」としている。(以下略)