【ヤスヒロ】CR戦国乙女 ~乙女武将との日々~【専用】at PACHIK
【ヤスヒロ】CR戦国乙女 ~乙女武将との日々~【専用】 - 暇つぶし2ch519:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 08:22:14 Qiql+U+p
乙!
幸せになって良かった…

520:オウガイ夢想 おまけ
08/07/25 08:48:40 rtLrwGeQ
ヤスヒロ「いやぁ、俺も元いた世界に戻るのかと思ったけど、どうやらここには大事なものを
      置いていったから、また戻れたみたいだ」
オウガイ「うぅ…こんな嬉しいことはないぞ…」
コタロウ「ヤスヒロさんったら、ボクを見るなり『髪伸びた?』って言うんですよ。拍子抜けしちゃいましたよ…」
ムラサメ「でもあなた確かに成長したわね…二年も見ないと違うわね~、胸のところとか…」
コタロウ「えへへ~そうでしょ?欠かさず牛乳を飲んだおかげです!ヤスヒロさん…ボク綺麗になりましたか?」
ヤスヒロ「え?あ、もちろん…」
オウガイ「むぅ…なぜそんな色を仕掛けるようなマネをするのだ…」
コタロウ「あ、オウガイは気付かなかったかもしれないですけど、ボクも好きだったんですからね!」
オウガイ「なにっ!?」
ムラサメ「あら、それを言うなら私だってそうよ…」
オウガイ「ぬぁっ!?だ、だめだ!我との間には既に子がおる!誰も割って入れぬのだ!!」
コタロウ「道中あんなに優しくしてくれたし…一緒に寝たりもしたのにぃ…」
オウガイ「ヤスヒロ…どういうことだ…」
ヤスヒロ「な、誤解を招くような言い方を!一緒の宿に泊まっただけじゃないか!」
ムラサメ「そういえば、私たち、二人だけの秘密…持ってるわよねぇ…」
オウガイ「ヤスヒロ…」
ヤスヒロ「誤解!誤解だってば!」
ムラサメ「そうね…側室になるという手もある、か」
コタロウ「あ、じゃあボクも立候補します!」
眼帯(私も立候補したいなぁ…)
ヤスヒロ「あわわ…」
オウガイ「ふふ…久しぶりに剣をとるとするか…なぁヤスヒロ…」
ヤスヒロ「お、お助け…」


こんなやりとりがとても心地よい。俺は帰ってこれたんだ、この場所に…。
さらに子供までいるとは…この歳で二児の父か。
ただ問題は…名前が被っていて呼び分けられないことなんだよなぁ。

521:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 13:44:22 I3CVRmmb
ちくしょう  
ヤスヒロのせいでノブナガエロゲロング外したけど悔しくなかったじゃねーか 
パチ屋で少し涙ぐんでる俺テラキモス


522:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 14:08:39 euNs+sPw
オウガイ夢想最高でした・・・・(;ω;)感動
幸せな結末で本当によかった!
作者さんお疲れ様です!オウガイたちにもお疲れ様を伝えたい!

523:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 20:46:04 JfrF1yns
アバンギャルドとの複合ネタを書こうと思ったが、このスレの今のノリでは書き込みにくいなぁ・・・。
そもそも、アバンギャルド打っていないしなぁ・・・

524:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 22:01:22 r6pxIhXN
戦国ワールドは男女の役割が入れ替わってるっぽいから、
側室ってのは男がなるものではなかろうか?

なんてツッコミを入れた俺は、シロに虐殺されるべき。

525:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 23:33:39 plp+4otY
オウガイ夢想乙!!
酒の所為か涙腺が緩みっぱなしだ。感動した!!
久々に良い物を読んだ気がするよ
明日から心機一転乙女と立ち向かうコトが出来そうだ・・・


526:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/25 23:54:25 psquNNNc
もう会えないと思っていた人と会えた時のオウガイの様子を想像して
涙が出てきた。゚(゚´Д`゚)゚。
本当にハッピーエンドで良かった!作者さん乙!

527::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 01:09:14 TT/7+ppb
素晴らしい長編大作に、ただただ感服する限りでございます。

    ---------------素直になれない二人・ヒデヨシ編--------------

   ○○「ふう、今日も良い天気だな。こんな日はのんびりお酒をたしなむに限る。」

 うららかな昼下がり、縁側に腰掛けお気に入りの杯にお気に入りの酒を入れて呑む。なんとも、優雅な時間の過ごし方だ。
普通、昼間っから酒なんぞ呑んでいるものなら、周りの人間には大ひんしゅくをかうことだろう。
 だが、ここで俺にそんなことを言う人間はいない。それどころか、関心すらもたれていない。
そこにいるのに、いないと同じ人間。そう、まるで道端に生えている雑草のような。それが、ここでの俺だ。
 俺がいる城は、強さと美しさを兼ね備えた戦国乙女達の中の一人でもある「豊臣ヒデヨシ」の居城だ。まあ、美しい云々はおいといて。
こんな時代でそこそこの力を持っているだけあって、その居城もなかなかの規模をしている。
 そんな立派な城に、なぜ俺のようなゴク潰しがいるのかといえば。かのヒデヨシ様の兄君であらせられるからだ。
しかも、ヒデヨシの前には俺がこの国を治めていたのだ。うむ、自分のことながら中々の人物だ。・・・アホらしい。

    ○○「・・・・・。そろそろ朝顔の季節、か・・・。」

 庭を見渡しながら、何気なくつぶやく。あの人がいなくなってから、もう何年になるかな。
そもそも、俺とヒデヨシは血が繋がっていない。ほぼ赤の他人といってもいいだろう。
そんな俺が、なぜ大名の跡継ぎであるヒデヨシの兄になったのかといえば、単なる体裁を整えるだけのお飾り。
 つまりは、お家存続のための時間稼ぎにつれてこられた、お人形さんってわけだ。

 事の始まりは先代に子が出来なかったことにある。この国の前君主、つまりはヒデヨシの母に当たる人だ。
この人は、その美貌もさることながら、智謀・勇気・思いやりの心。どれをとっても、まさに完璧の君主だった。
 だが、敢えて欠点を一つだけ挙げるなら、子を生んでいなかったことだ。モチロンご主人はちゃんといた。
 しかし、中々子は出来ず、家中でもたびたび議論の的になっていた。これだけの規模の国だ、跡継ぎが決まっていないと、もしもの時に大混乱をきたす。
事によっちゃあ、国そのものが無くなる恐れもある。なので、世継ぎ問題はこの家の悩みの種になっていた。
 そんなある日、先代が領内の見回りをしていると、一人の赤ん坊に出会った。

    先代「まあ、こんな所に。でも、この子の親の姿は見えないようだけど・・・。」
   赤ん坊「キャッキャッ!」
    先代「あら?ふふふ。」
    家臣「お、お館様!こちらへ!」
    先代「どうしたのです?そんなに大きな声を出して。」

528::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 02:06:56 TT/7+ppb
 家臣の呼ぶ場所へ行ってみると、そこには信じられない光景が目に飛び込んできた。

    先代「これは、一体・・・。」
    家臣「お館様、どうやらこの女はこの国のものではないようです。調べました所、このような書置きが。」

 ヒデヨシの母が目にしたものは、大きな木の根元で自ら命を絶っている女性の亡骸であった。
赤ん坊は、その木より少しはなれた地蔵の陰に寝かされていた。家臣に渡された紙を見てみると、この女性の最期の言葉が並べられていた。
 自分は、とある国の有能な家臣の家で下働きをしていたこと、さらにそこの家のダンナと不義の中になり身ごもったこと。
しかし、その家の主である女にバレて家を追い出され、途方にくれている最中に病にかかり、この峠で自らの命を絶つ決心をしたことが。
 手紙の最期にはくれぐれも赤ん坊のことを頼む、としめくくられていた。

    先代「何と不憫な・・・。あなた達、この人を近くの寺に丁重に弔ってあげて頂戴。住職にはあとで私が話をつけます。」
    家臣「はい、直ちに。しかし、この赤ちゃんどうしましょう?置いていくわけにもいかないですし。」
    先代「そうね・・・。とりあえずは私が保護します。城に帰ってから考えましょう。」
    家臣「かしこまりました。では、わたしは寺にいき事情の説明に。」
    先代「お願いね。ええっと、うん、男の子みたいね。行きましょうか、ボウヤ?」
   赤ん坊「~♪。(ニコニコ)」
    先代「あら?この子私の言うことが分かるのかしら?大きくなったら切れ者になるかもね?うふふ。」
   赤ん坊「?」

 こうして、ヒデヨシの母に拾われた赤ん坊は、城に連れて行かれることになった。
城に連れ帰った先代は、ことのほかこの赤ん坊のことを気に入り。ご主人とともに、自分達の子同然に育てた。
 そこまでは、なんでもない話だったが、その可愛さの余り、先代はとんでもないことをいいだした。

    重臣「絶対に反対です!いくらお館様のお言葉といえど、認めるわけにはいきませんよ!」
    先代「でも・・・。」
    重臣「お気持ちは痛いほど分かります、私も子を産んだ身。わが子をかわいいと思うのは当然です。ですが!」
    先代「・・・・。」
    重臣「この国の跡継ぎになさるなどと・・・。今以上に家中は混乱しますよ?」

 先代は自分に子がいない事もあり、その赤ん坊を世継ぎに認定しようと思い、腹心の重臣に相談したのだった。だが・・・。

529::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 02:10:04 TT/7+ppb

    重臣「そもそも、家の跡継ぎは女がなるのが常識です。男が後を継ぐなど、よっぽどの時だけです。」
    先代「それは、そうですけど・・・。でもあの子は利発で、根もまっすぐです。このまま行けば、女と並んでも恥ずかしくはない人物になります。」
    重臣「確かに、あの方の才能の片鱗には驚かされる事ばかりです。男に生まれたのがもったいないぐらいに。ですが、ならばなおの事いけません。」

 重臣の言うように、元来国の君主は女性が代々継いできた。完全な女性上位の世だということもあるが、実際女性の方が優れている事の方が多いのだ。
なので一家の長は普通、女性がなるものである。まれに跡継ぎのいない場合や、特別に優れた男子が稀に誕生した時には男子が継ぐこともある。
 それは特例中の特例といってもいいくらい、滅多に無いことだ。普通の家ならばそれでも、大した影響は無いであろう。
だが、ここは一国の主たる大名の家。その家臣も全員が女性であり、いくら優れているとはいえ男の君主に使えるなど真っ平であろう。
自尊心の高いものばかりだ、どんな反発が起こるかわからない。 家臣の心配はそれであった。

    重臣「仮にあの方がこのまま、優れた素質を開花させ、他国の戦国乙女にも負けぬ男子になったとしましょう。
        それでも、家臣達には納得のいかない最大の理由があります。」
    先代「それは・・・。」
    重臣「はい、何と言っても、そのお生まれです。お館様の実の子で無いだけでなく、どこぞの国を放逐された女官が産んだ子供。
        そのようなものが君主の座に着けば、家臣達は不満で一杯になるでしょう。それどころか、ならば自分がなってもいいではないか。
         そんな風に考える不埒ものも現れるやも知れません。ですから・・・。」
    先代「でも、それでも、あの子は私の子です!血は繋がっていなくとも、れっきとした私の・・・。」

 先代は涙を流しながら重臣に訴えた。そのようなことは十二分に承知なのだ。それでも、子供に対する愛情はとめられなかった。
事実、贔屓目無しに見てもあの子は優れていた。なので、あの子が自分の後を継いでくれれば安心して引退できる。そう考えていた。

    先代「ねえ?どうしてもダメかしら。」
    重臣「どうか諦めて下さい。・・・それに、そんなにお急ぎにならなくてもよろしいではありませんか。」
    先代「そ、それは・・・。」

 何を隠そう、先代はこのとき念願の赤ん坊を自身の中に身ごもっていた。
君主として立ってから、長い年月が経ったが、それでもまだ20代後半の女性である。少し遅くなったが、普通に考えれば充分身ごもる年齢であった。
 自分の子が出来たのである。なにもわざわざ拾ってきた赤の他人の子供を、君主の座につける必要などもう無くなった。
重臣はそういいたいのであった。何もあの子が憎いのではない、才能も充分に認めている。しかし、それだけでは家中が治まらないのだ。

530::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 03:14:35 TT/7+ppb
   先代「でも、この子が男の子だったら・・・。」
   重臣「確かに、そうなったら、私も何も文句はございません。全力でお仕え致します。
       ですが、先日ご懐妊が判明したばかり。そのお子様がお生まれになってからでも遅くはありません。」
   先代「しかし、不安なのです・・・。主人も先日突然病で無くなり、私もこの先どうなるか。」
   重臣「そのようなことを。ご安心下さい、考えすぎるとお腹の子にも触りますよ。」
   先代「そうですね、あまり考えすぎては・・・。でも、あの子のことを諦めたわけではありません・・・!」
   重臣「お館様・・・。」

 先代は決意に満ちたまなざしで重臣を見つめた。これには重臣も困惑するしかなかった。
重臣は、ただただ生まれてくる子が女の子であることを願った。
 そして、ついに出産の日。玉のように可愛いその子は、見事女の子であった。
これには家中が大騒ぎとなり、国を挙げての祝いの宴が三日三晩続いた。

    先代「ほんとに元気な子ね・・・。まるでお猿さんみたい。うふふふ。」
    重臣「そのように言ってはかわいそうですよ。きっとお館様に似て美しい女性になります。」
    先代「そうだといいんだけどねえ、ふふふ。あら?あれは・・・。」

 先代が自室の庭を見ると、庭先にあの日迎え入れた男の子が元気に成長した姿で、そこにいた。手には朝顔の花を持っている。

    先代「あら?○○、そんなところにいないでこちらにいらっしゃいな。」
    ○○「は、はい・・・。」

 そう、俺は当時のことを鮮明に覚えている。先代に拾われた俺は名前を貰い、実の子供同然に扱われて育った。
先代は常に優しく美しかった。俺も、その当時は実の母と思っていたので、そのように接していた。
 だが、俺に対する家臣の視線はどこか冷たく、俺が母と一緒にいない時の雰囲気などは、子供ながら居心地の悪さを感じていた。
そんな中、母が女の子を産んだ。家中笑顔であふれていたが、俺を見るとその笑顔は消え、まるで邪魔者を見る目で俺を見た。
 ひどい人になると、これからはあまり母に近づいてはならないと怖い顔で直接言ってきた。まだ幼い俺は、子を産んだから大変なんだと勝手に解釈して納得していたが、
いい加減どうしても、母と会いたくなり、母の部屋の庭へ行った。母の好きな朝顔を持って。

    先代「よくきたわね、○○。ごめんなさいね、しばらく会えなくて。みんな大げさなのよ。」
    重臣「大げさではありませんよ、お館様。○○様もご理解していただいてますよね?」
    ○○「はい、大丈夫です。母上、お加減はどうですか?」
    先代「なんとも無いわよ。ありがとう。あら?その花は」
    ○○「母上のお好きな花を摘んできました、庭に咲いていたので。」
    先代「こぉら、お花を摘んじゃダメっていったでしょ?お花も生きているのよ?」
    ○○「あ、ゴメンナサイ・・・。でも、どうしても母上にあげたくて・・・。」
    先代「もう、仕方の無い子ね。ふふ、ありがと、でも嬉しいわ。」

 母はそういって重臣から朝顔の花を受け取ると、一旦花を顔に近づけてから自分の枕元に置いた。
俺はその仕草が、とても美しくに見えた。思わずそれに見とれていると、

    先代「あら?どうしたの?顔が赤いけど、風邪でも引いたのかしら?」
    ○○「いえ!ここまで走ってきたので、だから赤いのです!」
    先代「そう?よかった、もし風邪だったら、お兄ちゃんの顔を見せてあげられなかったわ。」
    ○○「おにい、ちゃん?」
    先代「そう、お兄ちゃん。あなたのことよ。さあ、いらっしゃい。顔をみせてあげて。」

 母はそう手招きをすると、俺を自分の横に座らせた。

    ○○「うわあ・・・。」

 俺は思わず驚きの声を上げた。母の影に隠れて、庭先からは見えなかったが、
母の横には生まれたばかりの赤ん坊が寝かされていた。

    先代「かわいいでしょ?ヒデヨシっていうのよ。あなたの妹よ。」
    ○○「ヒデ、ヨシ・・・。」

 母は笑いながらそういうと、ヒデヨシを抱き抱え俺の目の前に持ってきた。

531:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/26 03:31:44 dnlDZ026
〇〇の人キター


貴方の書く乙女たちはイメージ通りで読んでて楽しい

532::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 03:40:07 TT/7+ppb
    先代「ほうら、お兄ちゃんが来てくれたわよ~。」
  ヒデヨシ「キャッキャッ。」
    ○○「ヒデ、ヨシ・・・。」

 俺はなんとも不思議な気持ちで赤ん坊のヒデヨシを眺めていた。自分より小さいやつだ、まずそう思った。
だけども、その顔を見ているとなんとも温かい気持ちになっていた。

    先代「あら?お兄ちゃんのことがわかるのかしら?あの時みたいね・・・。」
    ○○「?」
  ヒデヨシ「ばぶー。」
    先代「ふふふ、なんでもないわ。そうだ○○も抱いてごらんなさいな。」
    ○○「え、自分がですか?」
    先代「ええ、大丈夫よ。そう、こんな風に。」

 母は俺の腕にヒデヨシを抱かせると、俺を隣に座らせ俺の頭をなで始めた。
俺は母に頭をなでられるのが、この上なく大好きだった。

    先代「あら、お兄ちゃんに抱かれると随分大人しいのね。一目ぼれかしら?」
    重臣「またそのような・・・。でも本当ですね。しかも、物凄く嬉しそう。」
    先代「この子はお兄ちゃんっ子になりそうね。この先大変よ?○○。」
    ○○「はあ・・・?」

 この時は話の内容はよく分からなかったが、腕の中のヒデヨシはとても嬉しそうだった。

    先代「○○。兄として、一人の男として、ヒデヨシのこと、守ってあげて頂戴ね?」
    ○○「はあ。よくわかりませんけど、わかりました。お任せ下さい、母上!」
    先代「ま、この子ったら。・・・お願いね。」

 この時の母の目は、どこか悲しげで寂しそうだった。その後月日は流れ、俺も分別の分かる年頃になった。
家臣から浴びせられる冷たい視線の原因が、おれ自身にあることはある程度の察しがついてきた。
 ヒデヨシも元気に育ち、まるで子猿のように駆け回り、幼いながらも周囲の大人を振り回し疲れさせていた。
母はそんな俺達の成長をみて、いつも優しく微笑んでいた。思えばこのときが幸せの絶頂だったのだろう。
 その後、母が流行り病に倒れた。本人は「大丈夫、すぐ治るから。」と周囲に笑顔を振りまいていたが、一向に治る気配は無く
その容態は徐々に悪くなっていき、寝ていることが多くなった。
 しかし、俺とヒデヨシには相変わらずの優しい笑顔を向けてくれた。そんな中、俺にある事件が起きた。

533::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 04:31:54 TT/7+ppb
 とある夜の事、俺は厠に行くため寝ぼけまなこをこすりながら廊下を歩いていた。
用を済ませ、部屋に戻ろうと廊下を歩いていると、ある部屋がうっすら明るいのに気づいた。
何の気なしに近づくと、中から話し声が聞こえたので、少し聞き耳を立ててみた。

    家臣A「我がお館様にも、ようやく跡継ぎがお生まれになり本当にめでたいことね。」
    家臣B「全くですね。これで、安心してお仕えできるというものです。」
    家臣C「しかし、そうなるとあの男は邪魔ですね。もはや何の存在価値も無い。」
    家臣A「シッ!声が大きい!誰かに聞かれたらどうする。」
    家臣C「す、すみません。ですが、事実ですよ?」
    家臣B「そうよねえ。男ってだけならまだしも、どこの馬の骨とも分からない拾った子でしょ?
         そんなのが、もしかしたら主になってたのかと思うと、最悪だわ。」
    家臣A「まあ、○○様もいずれはどこぞの寺にでも送られ、坊主にでもなるであろう。
         何も心配することも無い。」
    家臣C「ほんとほんと。にしてもついてるわよね、アイツ。お館様の気まぐれで拾われて、跡継ぎがいなかったからしょうがなく育ててもらって
         そのままいけば、一国の主になってたんだから。ま、世の中そんなに甘くは無いわよね。」
    家臣A「しかも、本人がなまじ優秀なのだから始末が悪い。廃嫡するに廃嫡できん。だが、ヒデヨシ様がお生まれになった以上
         あやつの継承権などもはや存在せん。めでたいめでたい。」

                ギィ。

    家臣B「何者!?」

 物音に驚いた彼女達は一世に戸を開け、周囲ににらみをきかせた。

    家臣A「・・・誰もいないか。風か何かかしら。」
    家臣B「っかしいなあ?確かに誰かいたような?」
    家臣C「呑みすぎてたんじゃない?あー、何か酔いが冷めちゃった。呑みなおしましょ?」
    家臣A「そうしましょうか。」
    家臣B「賛成~。」

 彼女達はまた部屋に戻り酒盛りを続けた。廊下の曲がり角にいる人影に気づかずに・・・。

534::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 04:33:43 TT/7+ppb
    ○○「俺が・・・、拾われた?母上は、本当の親ではないのか・・・?」

 俺は彼女達の会話が、全く理解できなかった。母はあんなに優しくしてくれているのだ、実の子に決まっている。
そう俺はかたくなに信じていた。だが、この日胸に湧いた小さな疑念は、日に日に大きくなっていった。

    ○○「冷静に考えれば、家臣達が俺を見るときのあの冷たい視線がこれだ原因だったのか?
        血も繋がっていないくせに、跡継ぎ面するなってことだったのか・・・。」

 だとしたら、今までの気まずい雰囲気なども納得がいく。しかし、まだ決定的になったわけではない。
俺は、母の腹心であり、俺のもう一人の育ての親とも言える重臣にそれとなく探りを入れてみた。

    ○○「最近思ったんだけど、あんまり俺と母上って似てないよね?」
    重臣「な、何をそのような。優れた才能や、整った顔立ちなど、お母上そっくりではないですか!」
    ○○「でもさ、ヒデヨシとも俺全然にてないぜ?何より髪の色が違う。二人はきれいな山吹色なのに、俺だけ黒い。」
    重臣「お亡くなりになったお父上が、見事な黒髪だったのですよ!それはもう、お父上にも負けていません!」
    ○○「そっか、まあいいや。もう俺がここにいる必要ってないよなあ。」
    重臣「何をおっしゃられます!あなた様はお館様のれっきとしたご長男ですよ!」
    ○○「いや、もう片付ける仕事がないって意味なんだけどね。」
    重臣「あ、そ、そうですね。いつも助かります、お手伝いいただいて。ははは。」
    ○○「ん、良いよ別に。結構楽しいし。じゃあね。」
    重臣「あ、○○様。」

 そういって俺は重臣の部屋を後にした。

    ○○「あそこまで強く否定されると、疑うなってほうがな・・・。これから少し、色々調べてみるか。」

 未だ半信半疑の俺は、母に会うのはどうしても気まずく、最近は母に会うのも少なくなった。

    先代「あの子最近顔見せてくれないわね・・・。どうしたのかしら?」
    重臣「お年頃ですから、何かと忙しいのでしょう。」
    先代「それもそうね。きっと、もてるでしょうしねえ。」
    重臣「この城のなかに限ってはそれは無いかと・・・。」
    先代「あら?なんで?みんな見る目が無いのね。」
    重臣「そうではありません。血縁の事ですよ。うすうす、みな感ずいてます。」
    先代「そう・・・。でもあの子は私の子よ。例え血が繋がっていなくても。」
    重臣「それはもう百も承知です。先日もそのことを聞かれあせりました。」
    先代「大丈夫だった?」
    重臣「ええ、何とか。しかし、このままでは。」
    先代「そうね、いつかはあの子にも話さなくちゃいけないし。」

    ○○「・・・・・・・・・。」

    重臣「誰かいるのか?」
    先代「どうしたの?」
    重臣「いえ、廊下に誰かいたような気が、ん?。」
    先代「なにかしら?」
    重臣「こちらを・・・。」
    先代「これはっ・・・!」

 そこにはたまに俺が届けていた、朝顔の花が落ちていた。

    ○○「まさか、事実だとはね・・・。」

 そちらの可能性も考えてはいたが、実際に知るとなんともいえない気持ちになった。

    ○○「邪魔者、か。はは、まさにその通りだな。」

535::○○の中には好きな名前をどうぞ
08/07/26 05:09:08 TT/7+ppb
 一方、相変わらずヒデヨシは元気である。事あるごとに俺の部屋に来ては遊びに誘う。

 ヒデヨシ「ね~?お兄ちゃん、遊ぼうよお~。」
   ○○「お前と遊んでるひまなんかないの。早く、出て行きなさい。」
 ヒデヨシ「ええ~。ツマンナ~イ!じゃあ、お母さんのとこいこ?」
   ○○「だめだ、まだ忙しいんだ。母上の代わりにやることが一杯あるんでな。」
 ヒデヨシ「遊ぼうよお~。ねえねえねえ~!」
   ○○「ダメったらダメだ。さ、出てった出てった。」

 そうしてぐずるヒデヨシを部屋から追い出した。血の繋がってない妹か、アイツが後を継いだら俺はどうなるんだろうな。
そんな、ことを考えていると、重臣から母が危ういとの急報が入った。

536:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/26 06:31:33 0+5YMx9a
○○の人に次はヒデヨシ書いてほしいな、と思ってたら叶うとは……こんなに嬉しいことはない

537:今川ヨシモト ◆Y/rOtj/I.Y
08/07/26 10:19:55 HDkwoSZ1
皆さまおはようございます(にこ)
そしてオウガイ夢想の作者さま、本当にお疲れ様でしたわね。
見事な描写、お話の展開にわたくしも引き込まれてしまいましたのよ
敵将ながらヤスヒロさまと幸せな人生を送られることに際し、
わたくしも心から祝福を申し上げたいと思いますわ
永遠なる愛と共にいつまでもお幸せに‥(にこ)
他の作者さまも頑張って下さいませ。応援しておりますわ。
かしこ

538:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/26 13:58:57 afXS1Ilu
俺「こっこら!そんなとこ触っちゃ駄目だよ!」
コタロウ「どうしてですか?プニプニしてて気持ち良いです」
俺「‥‥」
コタロウ「うわっ!だんだん硬くなってきた」
俺「‥‥」
コタロウ「ボク柔らかいのが良いです、戻して下さい」
俺「それはね喜んでる証拠なんだよ」
コタロウ「喜んでるんですか」
俺「うん、もっと喜ばす事もできるんだ」
コタロウ「どうしたらいいんです?」
俺「それはね‥‥」

539:名無しさん@お腹いっぱい。
08/07/26 13:59:32 Y2R9h+25
モンハンやっててふと

ヒデヨシ=ハンマー
ケンシン=ランス
イエヤス=ヘビガン
ヨシモト=弓
シンゲン=ガンランス
マサムネ=双剣
ノブナガ、オウガイ=大剣
マサムネ=投げナイフ

でRPしてる奴とかいそうだなぁ と思った


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