05/12/05 00:35:32
法医学的にも否定されたことを持出して
問い そのスパイ調査事件について、袴田里見現副委員長の調書が雑誌や単行本
などに「資料」としてのせられ、それを引用して、これが真相などというものも
ありますか、どうなのですか。
答え 袴田同志の警察での調書などがあるのは事実です。
袴田調書の全体的な特徴や問題点などについては、袴田里見副委員長自身、
最近もみずから明らかにしています(「赤旗」六月十日付の「スパイ挑発
との闘争と私の態度」)。
当時宮本委員長らが調べた大泉兼蔵と小畑達夫の二人が特高警察が党内
に潜入させていたスパイ挑発者であったことや、処分として「殺害」など
なんら意図されていなかったことは、袴田調書でも強調されています。
査問の経過などについては、袴田調書には不正確な部分が少なくなく、
袴田調書からその部分だけをもち出して、「真相」などといっている一部
の人びとがいますが、それはまったく不当です。
問い それにしても、袴田調書を読むと、「斧(おの)で頭を殴(なぐ)った」、
「硫酸を腹にかけた」、「錐(きり)で腹を突いた」など、すいぶんひどいことを
したようになっていますが……。
答え そういう査問状況にかんする個所こそ、袴田調書のなかでいちばん事実
と違うところなのです。
特高べったりの裁判所医務嘱託(かつて、十五歳の少年の死体を警察のいう
ままに五十歳の成人男子として鑑定した経歴の持主)の鑑定によっても、そんな
痕跡は全然ありませんでした。大泉のひどい傷などというのも、当時の裁判所さえ
認めなかったのです。
いま質問であげられたような点は、袴田氏自身、のちの公判で取消しや訂正を
していることです。