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小説 ロサンゼルスオリンピック 柔道無差別級・決勝 第三巻
オリンピック金メダルをかけた柔道無差別級決勝は、見つめる全世界を黙らせる展開を見せた。
ラシュワンは右、山下は左組みである。しかし何故か、右組みのラシュワンが相手に有利な左で勝負しようとしたのである。
しかも開始後三十秒と経っていない。「一分待て」と命じた山本の指示を忘れたのか。
ラシュワンが攻めてきた左払い腰を、山下はさっと透かした。「初めて使った透かし技だった」と山下は言う。そのまま押し倒し、寝技の攻めに入った。
「抑え込み!」主審が宣した。 横四方固めである。 離すものか、絶対に離すものか。山下は運命にしがみつくようにラシュワンを抑え込んでいた。
地震があろうと会場がつぶれようと、この手を離すものか。
両者の国家を代表しての熱い攻防に世界中の人々が釘付けになった・・・
793:名無しさん@そうだ登録へいこう
07/09/26 03:44:57 n0038bOO0
小説 ロサンゼルスオリンピック 柔道無差別級・決勝 第四巻
栄光に向けて、時計はゆっくりと三十秒の時をきざむ。
ブザーが鳴った。山下はまだ抑え込んでいた。ラシュワンが観念したように力を抜き、腕を広げ、
やっと勝利に気づいた王者のそのときの顔は、まるで泣きじゃくる子供のようだった。
後は胴上げである。君が代、日の丸である。ラシュワンがやさしく王者を支え、表彰台の中央に上げた。
金と銀、二人の胸に輝くメダル。それがこの無敵伝説のフィナーレであるはずだったが、
翌朝のロサンゼルスの新聞にはこんな見出しが躍っていた。
「フェアだった敗者ラシュワン」「負傷の右足攻めず」「称賛のコールやまず」「右足狙わず堂々と」
以下は、記者団とのやりとりの記録である。
「ヤマシタが右足をけがしたのが分かっていたので彼の左側へ技を仕掛けた」と振り返った。「なぜ、痛めた足の方を攻めなかったのか?」の質問にも
「それは私の信念に反する。そんなにまで勝ちたくなかった」とさわやかに胸を張った》(産経)
《「ヤマシタが右足を痛めていることは分かっていた。だからこそボクは(山下の)右足を攻撃しなかった。それにヤマシタが強かったから、自分は負けたのだ」
-ラシュワン(エジプト)は淡々と語った》(読売)
彼は負傷した山下の右足を最後まで攻めなかった・・・・
794:・
07/09/26 04:07:09 102UwSjyO
あれ?
徳ちゃんは?
まぁ、山下が面白かったからいいか・・・。
阪神ファンには申し訳ないが、
我が読売巨人軍は永久に不滅です-
by 長嶋 茂雄