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☆☆☆☆☆ 近年まれに見る良著。是非一読を ― forIndependenceDay
反米大陸 ― 中南米がアメリカにつきつけるNO! (集英社新書 420D) 伊藤 千尋
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内容紹介より: 中南米の近代史はアメリカによる侵略と支配、収奪の歴史である。
アメリカはその政策をまず中南米で実践し、その後中東、アジアなど他の地域で大規模に展開してきた。
中南米がたどってきた道を知れば、アメリカがこれから世界で、日本で何をしようとしているのかが分かる。
終章「おわりに―日本へ」より: アメリカの存在をめぐって、日本では大きな誤解があるのではないか。
旧ソ連が崩壊し、東西対決の構図が消えた冷戦後、欧州は、もはやアメリカの傘下に縛られる必要はないと考えた。
欧州連合 (EU) は、アメリカと距離を置き、独自に政治・経済圏を拡大するものだ。
一方で日本は「超大国はアメリカしかなくなったから、完全に従わなければならない」と、消極的な考えにこもった。
しかし、欧州の考え方こそが、世界の本流である。アメリカに最も近い中南米でさえ、自立の方向に進み出した。
終章「おわりに―日本へ」より: 自立する中南米から学ぶべきもう一つは、市民の力である。
南米の政権交代をもたらしたのは、アメリカ流の新自由主義の経済をそのまま採用した政府の失敗だったが、
政府を変えたのは市民の力である。格差を広げ、弱肉強食の社会を作ろうとする政府に対して、市民が反対の意志を、
投票やデモなどの形で明確に表明した。
アメリカと中南米の歴史から、私たちが学ぶべきものは、すこぶる今日的な課題なのだ。