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海外金融市場についても言及し、米国サブプライムローン問題でヘッジフ
ァンドの一部で損失が表面化し、市場が神経質になっているとの認識を示
した。中でも、米株価は2003年をボトムに上昇を続けてきた後、足も
と若干反落している状況だと説明。金融セクターや一般消費財・サービス
などが下ぶれしているのは、サブプライムの影響を受けやすいためだと指
摘した。また米国の社債スプレッドも、03年ごろからリスクプレミアム
が急速に下がってきたが、足もとで住宅関連などの社債のプライシングの
見直しが始まっているようだとの認識を示した。ただ、今のところは社債
全体が動揺するような状況ではなく、景気全体への影響も限定的だと述べた。
日本の金融市場に関して福井総裁は、株価は米国同様2003年をボト
ムに若干のアップダウンはあっても上昇してきたが、足もとでは米国の影
響が見られるとした。為替はユーロに対して一貫して円安、対ドルでも円
安傾向となっていると説明した。一方、長期金利は一貫して安定している
とした。
中川秀直自民幹事長から、参議院選挙において有権者から成長が実感で
きないとの声が聞かれたのは名目成長率の目標が達成できなかったためで
はないかと質問があった。これに対し、福井総裁は、構造変化や、グロー
バル競争が世界全体で厳しくなっていること、原材料・原油価格などの上
昇を企業が十分転嫁しきれない状況があることなどをあげた。その上で、
日銀としては企業の声もしっかり調査しており、企業が構造変化に加えて
円安もあり、厳しい状況になっているとし、金融政策の運営をしっかりや
っていくと述べたという。