07/10/23 19:42:49
>三角合併第1号、「なぜ」と「これから」(2007/10/10)
三角合併の第1号が事実上、成立した(厳密には三角株式交換)。
米金融大手のシティグループは10月2日、自社株を対価として、
傘下の日興コーディアルグループを完全子会社にすると発表した。
>シティはなぜ、三角合併という手法を選んだのか。同社は今春、TOB(株式公開買い付け)で日興株の約68%を取得し、子会社化していた。
この時点でシティには(1)日興を上場子会社のまま維持する
(2)株式を100%取得して完全子会社にする―という選択肢があった。
シティが後者を選んだのは、日興を完全な支配下に置きたいという思いの表れだ。
それだけ日本市場を重視しているということだろう。
完全子会社化を決断した後も、方法としては
(1)再度TOBを実施する
(2)残りの約32%を現金で強制的に買い取る
(3)シティ株と日興株を交換する―という選択肢があった。
シティが(3)の三角合併を選んだのは、消去法によるものと思われる。
(1)の再度TOBをかける場合、価格設定が難しい。今春の1株1700円を上回る価格にしたら、TOBに応じた株主が不公平感を抱くだろう。かといって1700円以下に設定したら、
最初に応募しなかった株主から買い取れる可能性が低くなる。
(2)の現金による買い取りを選ばなかったのはなぜか。米国の信用力が低い個人向け住宅融資(サブプライムローン)問題で、
シティの業績は悪化している。このため現金流出を避ける狙い、との見方がある。
この見方も否定はできないが、それ以前に実務的な理由があった。
シティは日興株の議決権を3分の2以上取得しており、株主総会で特別決議を通すことができる。このため、全部取得条項付きの種類株式などを使って、日興株の32%を強制取得することも法的には可能だった。
だが会社法に詳しい菊地伸弁護士は「実務的には9割程度の株を取得していないと、
強制買い取りは難しい」と話す。現金での買い取りは、株主の地位を強制的に奪うことになるためだ。
株式の交換なら、日興の株主は日興の完全親会社となるシティの株主になれるわけで、強制買い取りとは意味合いが異なる。
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