07/01/16 20:10:34 CngmHQjK
『ヤクザが消滅しない理由』
ヤクザについて、英語での情報はあるにはあったが、不足していた。翻訳上の問題もあったが、奇妙な事に、
日本警察は協力に乗り気ではないようだった。アメリカ法執行機関がとても驚いたのは、情報請求への返答が遅
く、しかも不完全だったことだ。
日本当局はアメリカ当局に、判明しているヤクザのメンバーリスト提供を拒否。手に負えそうもない法律的、
文化的障害があった。それでも手に入ったわずかな情報は、連邦政府の旧式建物にいる人々をすっかりあきれさ
せた。
日本では10万人のヤクザが活動、2500の「一家」や連合にきちんと組織されていた。一方、日本の2倍もの人口
をもつアメリカでは、司法省が見積もっている組織メンバーはたったの2万人。
10万という数字は、犯罪発生率の低さで定評のある日本にしては異常な統計値に思えた。しかも日本の警察に
よると、その数字はわずか20年前の最盛期の18万人に比べれば少ないという。さらにこの巨大なヤクザは、見た
目には財政的に豊かで高度に組織化され、有能で調和のよくとれた日本企業の犯罪版であった。
アメリカの犯罪一味と同じようにヤクザも、売春やポルノグラフィー、ドラッグ、ギャンブルなどの隠れた悪
事で商売していると気づいた。
またほかにも、ヤクザとアメリカギャングには類似点があると知った。建設業や映画スタジオ、ナイトクラブ、
プロスポーツを含む娯楽産業の大部分が支配下に置かれている点であった。
ヤクザの収入はかなりの額にのぼり、半分はドラッグ、日本人が覚せい剤と呼ぶアンフェタミンの取引による
ものであった。収入源はこれ以外に、高利貸し、トラック輸送、各種の暴力、密輸、ゆすりなど。
警察庁によると、ヤクザは2万6000の合法的ビジネスを経営し、数え切れない非合法ビジネスをおこなってい
る。影響は露店から大手企業にまで及び、金をもらってスト(ストライキ)破りもするし、反対する者の口封じ
に力を貸すこともする。また政界に対しても力を持っており、それは影の人物を通じて、政府の最高レベルにま
で及んでいた。