07/01/08 20:01:49
【一般人が勘違いしがちな大学の常識・基礎編】
過去のスレッドに出てきた、大学に関する基礎知識を書きます。
大学職員を知る上でも、履歴書やES等で地雷を踏まないためにも最低限覚えておきましょう。
1. 私立大学のトップは理事長
理事長を置き、理事長が学校法人のトップになることは法令で定められております。
まず、総長というのは愛称のようなものであり理事長の役割が含まれており、
文部科学省への認可申請の場合は理事長の名目で申請しています。
なお、学生諸君は間違えがちですが、学長というのは教学部門のトップであり、
大学運営上のトップではありません。職員は理事長の部下ではありますが、
学長の部下ではありません。簡単な例でいえば渡邊恒雄会長に雇われている
日本テレビ社長(学長)と読売新聞社社員(職員)の関係です。
2. 大学職員は社員ではない
たまに「社員」「入社」という書き込みを見かけますが、大学専任職員は社員ではなく、職員です。
社員というのは「利潤を追求する営利法人(民間企業)の構成員」であり、
利潤を追求しない非営利法人を社員とは呼びません。
もし、大学職員が社員になった場合、学校法人は非営利法人なので非課税ですが、
法人税を取られてしまいます(ただし収益事業は除く)。
大学は名目上、営利を求めてはいけない代わりに税金も取られていないので、
この言葉には敏感に反応します。
3. 大学教授という職業はない
文部科学省に大学(学部)設置認可申請を出すときの教員の区分は、
専任・兼担・兼任の3つしかありません(専任は教授・助教授・専任講師のこと、
兼担は専任のうち他学部他学科の担当を受け持つこと、兼任はいわうる非常勤講師のこと)。
すなわち、教授というのは専任の中の一区分であり、昔で言えば武士の中に旗本・御家人、
農民の中に本百姓・水呑という区分があったのと同じです。
職員で言えば、課長・係長という地位区分がありますが、それと同等と考えても構いません。
大学教員の中に専任教員・非常勤教員があり、専任教員の中に教授・助教授・専任講師がいると
単純に覚え、一般に呼称する際には「教員」と書けば間違いがありません。
なお、このスレッドでは正式な使用法以外で「教授」という言葉を書くのは禁止行為です。