06/03/05 21:16:41
「あのさあー、アニキ、昨日、給料日だったでしょ? 今月分、早く出し
なよ」
そうナカオカタクミの妹が冷淡に言ったのが三日前の朝、午前八時十五分
から三十分の間だった。彼が職場の制服を着たまま朝帰りした時、NHK
連続ドラマの音楽が聞こえていた。ナカオカタクミの妹は玄関に立って兄を
待っていた。当然のことだが彼の給料はソープランドと鍛冶屋町の飲み屋に
消えてなくなっていた
380:sage
06/03/05 21:18:34
「何のまね、それ?」と妹は無表情なまま兄を睨んだ。
彼女もすでに予想していたことではあったが、その兄の態度はあまりに
彼女を愚弄しすぎていた。ヘラヘラと笑い続ける兄に妹はきっぱりと、
言った。
「あっ、そう。わかった。アニキに毎日あげる千円、これから、なし、
ね! ……あったりめーだろ? アニキの給料を預かってるから毎日
生活費を渡していただけなんだ! なんで私やうちの人が働いて稼いだ
お金、アニキにあげなきゃいけないんだよ? もうアニキはアニキで
勝手にやって! それと、アニキが壊した家の修理代も、ちゃんと弁償
してもらうから!」
ナカオカタクミの妹は一方的にそう告げて、テレビも消さず仕事に
出掛けた。どうやら本気で怒っているようだとナカオカタクミは途方に
暮れた。妹からもらう千円がなければ缶コーヒーも飲めないしハイライト
も買えないし、ましてやランチも食えない。ビールも飲めない。しかも
鍛冶屋町のスナックにもツケができてしまったというのに……。そんな
自分を縛ろうとする全てにたいする失意のためにその日、ナカオカタクミ
は仕事をサボった。
381:sage
06/03/05 21:19:37
お昼過ぎ、ナカオカタクミのもとに銃が届いた。
宅急便で銃は届けられた。
初回支払いが来月二十五日。六千円。まだまだ先のことだ。
人民には武装する権利がある。
その銃は買わずにいられなったシロモノだ。ナカオカタクミは銃の
手入れをはじめた。雨戸を閉めきった薄暗い部屋でひとり、銃身を磨く。
そのタオルは雑巾だったものでたちまちヌラヌラと七色を帯びる。部屋
に電灯はない。壊れていた。何日か前の夜中に自ら叩き壊した。光が
殺される瞬間を見た。光は破片となって部屋の畳に散った。
382:sage
06/03/05 21:21:01
このタオルじゃダメだな、とナカオカタクミはひとりごちた。
頭にそのタオルをかぶる。数日前にこぼしたカップラーメンの匂い。
ベッドに仰向けに倒れ込む。やがて妹のダンナが仕事に出かける車の
音が外から響く。午後五時。妹夫婦は庭の隅に建てたこぎれいな「離れ」
の小屋で、二人、静かに暮らしていた。妹のダンナは元暴走族だが、
今は長距離トラックの運転手だ。年齢はナカオカタクミよりずっと若いが、
ずっとしっかりしていて、彼はそんな『おとうと』を常に畏怖していた。
天井をじっと見つめていたら重苦しい力が全身に滞留し、耐えきれなく
なった。
勢いよく起き上がる。
もう一度、その銃を手にとって、眺めた。
銀色に輝く銃。硬さ。冷たさ。
彼は少しだけ幸せになった。
383:革命的名無しさん
06/03/05 21:22:07
岡三の社員ですが
396さん情けない
金融から金融へ誰でもいけません。あなたなんか絶対むり。
私の同期と私5人メガバンク書類選考で落ちました。
396誰でもいけるんだったら書類選考だけでも合格してください。
392をひがまない昼休みにカキコするぐらいだからお前が負け犬だろ
岡三は入った時点で負け組み。
そっから脱出した392 393は立派・尊敬
384:sage
06/03/05 21:22:21
ふと部屋を見渡した。テーブルの上に『英語ノート』が開かれている。
それは新聞の折り込み広告の裏の白地を集めホチキスで止めただけの
不細工なノートであった。ノートなんかに金を出すヤツはバカだ。ノート
のタイトルは『英語』だがイギリス語という意味ではない。「英雄の語録
である」と表紙に彼自身の注釈が付いていた。彼が日々の暮らしの中で
思いついた言葉や詩、その日の出来事、或いは思い出した過去の出来事など
がつれづれに記録されている。さらには、ナカオカタクミの常軌を逸した
浪費の詳細を物語る金銭出納帳も兼ねていた。
その『英語ノート』にナカオカタクミはおもむろに書き殴った。
タオルをかぶったMRTA見参! 世界赤軍万歳!
おそろいの赤と白のスカーフがなかったもので
自分で書いたたった二行のフレーズに、ナカオカタクミは興奮を覚えた。
これは名言だ。
歴史に残る偉大なテーゼだ。
385:革命的名無しさん
06/03/05 21:23:46
ワザとやっているのかもしれないけど。
sageは 名前欄ではなくて、E-mai欄に書かないと下がらないよ。
386:sage
06/03/05 21:24:17
歴史に残る偉大なテーゼだ。
すぐれた革命家はすぐれた文筆家であり詩人でなくてはならない
って、誰が言った言葉だっけ? ナカオカタクミは思い出せない。
どうでもいいことだ。
壁に大きなアムロナミエのポスターが貼ってあった。その微笑む
ツルンとした巨大なアムロナミエの顔には、針で突いた細かい穴が
無数にあった。すべての女は、穴をあけられる。ナカオカタクミが
高校時代につきあっていた女も彼によって穴をあけられた。その少女が
堕胎手術をする前の夜、電話で、泣きながら言っていた言葉。なぜか、
その時、思い出した。十年以上も前のあの声までよみがえるほど、
鮮やかに。
(もうダメだよ……)
もうダメだよもうダメだよもうダメだよもうダメだよダメダメダメダ
メダメダメだだだだ、ダメ? このオレが、ダメ? どうしてアムロの
ポスターを見て思い出したりしたのか考えようとしたが、ぐにゃっと
視界が歪んだ。考えるのをやめたら急にいらいらしてきたもので、
関係ねえ! と誰もいないのに怒鳴った。
怒鳴ったりしたら引っ込みがつかなくなった。
かくして蜂起は開始された。
387:sage
06/03/05 21:26:32
灰皿からフィルターの焦げる厭な匂い。たちのぼる煙。頭にかぶった
タオルからも厭な匂い。どいつもこいつも……。ナカオカタクミは雨戸
を開け、オレンジ色の夕暮れを撃つ。もうすぐクソッタレな夜がやって
くる。隣のオフィスビルから退勤のOLたちが歩いてきた。撃つ。
撃つ。撃つ。外に向かって撃つと後で弾を集めるのがたいへんだと
気づいたが、もう遅い。
よく聞けー!
ナカオカタクミは叫んだ。
このリボルバーは五回払いだ!
OLたちは悲鳴をあげて、逃げるように走りはじめた。
ナカオカタクミの下半身は確かに裸だったが、勃起はしていない。
彼は腰を突き出して窓から放尿した。彼の小便は瓦の上を走って、
雨樋に落ちた。
388:sage
06/03/05 21:28:05
いいかー、おまえらー! おやじは血を吐いて死んだ! 日の当たら
ない奥の和室で死んでいた! おやじが残したものは滞納した税金と
借金だけで俺は小さい頃から、おやじのような人間にだけはなるまいと
心に決めていたんだ! おふくろも死んだ! おふくろはあざだらけで
死んだけど、おふくろを殴ったのは俺だ、でも病院でちゃんと死んだん
だからなー! おれが殴ったから死んだんじゃねえ! 本当だよ! 信
じてくれ! 本当なんだってばあー!
ナカオカタクミは二階の窓から訴えた。カラスが泣きながら飛んで行
った。間違ったことは言っていないと思う。彼はペテルブルクで労働者
たちに演説するレーニンだった。権力奪取の日は近い。だが、こんなもの、
空虚なアジテーションなんだ。そう彼は自嘲して雨戸を閉めた。
389:sage
06/03/05 21:29:32
帰宅した妹が夕食の支度をはじめた。てんぷらをあげていた。背後に
気配を感じた。ナカオカタクミがいつのまにかキッチンに入ってきて
いた。なんと兄は彼女のハンドバックの中をあさっていたのだ。
「ちょっと! テメエー、何やってンだよ!」
ナカオカタクミは妹の剣幕におびえた。妹は元ヤンキーだ。「おとう
と」=ダンナと同じ暴走族の、レディース特攻隊長だった。しかもその
手には包丁が握られている。
「ビールを買ってくるんだよ」
ナカオカタクミは微笑んだ。彼は強い相手に弱い。だが妹は怒鳴り
続け、殺気をみなぎらせ、ついに掴みかかってきた。
ひいーっ、とナカオカタクミは悲鳴をあげて顔をかばいながら、顔は
やめてー、と笑いながら言った。
「テメエはこんな時でもふざけンのか? ジョートーだ!」
390:sage
06/03/05 21:30:55
妹はさらに目を吊り上げ、兄の髪の毛をわしづかみにして、力まかせに
引いた。その瞬間、鍋の油から火柱が噴き上がった。さすがに妹も兄を
怒っている場合ではなくなり、慌てて消火器を取ってきた。火を消したら
天井が焦げていた。その時もナカオカタクミは何ひとつ手伝おうとせず、
妹の財布から一万円を取って出掛けようとしていた。ナカオカタクミは
鍛冶屋町に出掛け、存分に飲み、存分に女の子の身体をさわるつもりだった
のである。せっかく妹が作った料理は全て台無しになった。激怒した妹に
その一万円さえ取り返された。
391:sage
06/03/05 21:32:33
ナカオカタクミは自分の部屋に戻り、雑誌や新左翼セクトの機関紙や
エッチな写真集とかエロ本とか、愛用のギター、毛布や布団などを部屋
の中央に集め、火をつけた。炎は大きく育っていった。煙も部屋の外まで
流れだした。
女なんて、意味がない。
アムロナミエもソープの女も鍛冶屋町の女どもも、OLも妹も、高校の
時の恋人も、母も。
何なの、この煙ー? 冗談じゃねえよ、と取り乱して泣きそうな声で妹が
階段を駆け上がって来た。ナカオカタクミの部屋のドアが開いて妹が顔を
のぞかせた瞬間、リボルバーに装填してあった弾丸が彼女の顔に命中した。
ナカオカタクミは炎の中で銃を構える自分を心底かっこいいと思った。妹は
全身ザワザワと粟立ち、無言のまま、おそろしく平板な目で兄を睨みつけて
いた。
392:革命的名無しさん
06/03/05 21:36:45
補足
sageはE-mai欄だけでOK。
名前欄には sage を入れなくとも好きな名前で。
なにも入れないと「革命的名無しさん」が青字で出るだけです。
それとfusianaを記入しろとか言うアドバイスには気を付ける様に。
それを書くとIPが公開されてしまいますので。
393:sage
06/03/05 21:41:47
392さん、ありがとうございます。
394:sage
06/03/05 21:44:56
「これは、たき火なんだ」とナカオカタクミは釈明する。「革命なん
だ」
「……」
「おまえもこっちに来て、一緒にあたれ」
妹はついに何も言わず、ゆっくり階下へ降りて行った。そして彼女は
そのまま出て行った。
炎がどんどん強くなっていった。ナカオカタクミはそろそろ消化活動
に入ろうと思う。ペニスを出して火に向かって放尿した。爽快だった。
だが、火は消えない。部屋の中にある飲みかけのコーヒーや缶の底に
残っているビールなどをありったけ飲んでみたが尿意はおこらなかっ
た。しかもそれらの缶のいくつかは灰皿としても使用していたもので
タール入り液体はとても、まずいもので、台所に行って水をたくさん
飲めばおしっこが出るかもしれないと考えついた時に、重要なことに
気づいた。水を飲むより直接水をかければいいんじゃないか! ナカ
オカタクミはあまりのおかしさに涙が出るほど笑った。
まったく、革命運動ってのは、いつもこうなんだから。
数分後、火は消えた。
395:sage
06/03/05 21:46:19
部屋中、煤だらけで水浸しになった。畳にはクレーターのような不気味な
穴が開いて、まるで今にも溶岩が噴き出しそうだ。まだ燻っていた。絶望な
んて意味はないとナカオカタクミは思った。パトカーが中岡家の玄関前に
到着した。ナカオカタクミはアジテーションで迎え撃つ。妹と近所に住む
叔父、その息子たち、そして警官が三人。徹底抗戦を叫んでいたナカオカ
タクミはいとも簡単にとり抑えられた。パトカーに押し込まれた彼は所轄の
警察署に連行され、留置された。
396:sage
06/03/05 21:47:48
権力の犬め! ここから出せー! 俺は政治犯だぞ! ナカオカタクミ
は不屈に怒鳴り続け、やがて喉はつぶれ、朝には全く声が出なくなった。
ちょうどおとなしくなったところで彼は県立T病院へ移送されたので
ある。県立T病院の主治医もスタッフたちも彼の入院に関してまったく
何の疑問も感じなかった。そもそもそれが仕事だし、しかも、クランケ
はナカオカタクミである。彼らにとってそれは季節の風物詩にすぎなか
った。
ナカオカタクミ、二十九歳の春のことであった。
物語はこうしてはじまった。
397:sage
06/03/05 21:49:41
久慈夏雄は、県立T病院に向かっていた。
かつての同志・ナカオカタクミ。ひどく億劫だった。毎年毎年いい加減
にしろと怒ってみてもはじまらない。これも流れというものか……。
久慈夏雄は二十代後半まで自分が生まれてきたことに何か意味があると
信じていた、と運転しながら思い出した。何事かを成し遂げるためにこの世
に生まれ、存在し、それが何かはまだわからないが何か必ずあるはずだと
思っていたのだ。彼も三十代になった。それが青臭い自意識だったと思える。
気のせいだったのだ。実際に何もなかった。何も……。
毎日生きるために働いて、死ぬのを待つ。どこにもヒーローなんかいない。
彼自身ヒーローなんかじゃなかった。その他おおぜいの中の一人ばかり。
中古シビックのカーステレオは買った時から付いている純正で、かなり
古い。カセットの音がこもっている。何度も重ね録りしたテープだから仕方
ないか。どうせCHARAの歌う歌詞なんて、聞き取れる訳がないのだ。
398:sage
06/03/05 21:51:51
誰にも出来ることと出来ないことが両方、確かに、ある。例外はない。もし自分が
死んで泣くのは年老いた親だけだ。生んでくれた親を悲しませても意味がないから
生きている。こんな存在を特別だなんてどうして思えたりしたのか? 子供の頃、
ウルトラマンとか仮面ライダーとかが大好きで、ヒーローに憧れて育った。その
最後の世代だからなのか。正義と悪があった時代。ソ連崩壊で東西冷戦も終わり、
どんな正義もうさんくさくなった。誰もが身近な他人を通じてしか自分の意味も
価値も見えない時代になった。例えば人に裏切られるとか大切な人に死なれるとか、
そんなありふれた話さえ我が身に降りかからなければ関係ない。まして世界のどこか
の子供たちが餓死したり、地雷で手足を失ったり、臓器や命を売買されたりしていて
も、自分の子供のことでなければ何も感じない。それが正常な状態だ。この時代、
正義は絶滅した。どこにもない。それでもこの国で生きていくしかない。なんで?
なんでナカオカタクミに会いに行ったりする? 時代遅れだ……。
そう久慈夏雄は自嘲した。
西に向かう夜の国道はすいていた。
399:sage
06/03/05 21:54:02
絶滅寸前の過激派たちはよく歌う。それは、たとえば、醜い老人たちが戦後の
平和なこの国で同期の桜を歌うような甘ったるい感傷と、よく似ている。それでも、
もう誰も失いたくないのだ。久慈夏雄は切実にそう思っていた。
何かがシンクロした。『マイ・ウェイ』。
ひときわ明るいコンビニエンスストアの駐車場にとめた車の中に甘やかに流れる
歪んだ音質のヴォーカル。突然泣きたいような気分に襲われた久慈夏雄は、これが
F・シナトラやセックス・ピストルズの『マイ・ウェイ』だったらこんな気分に
ならないだろうとわけのわからない理屈で自分を維持しようとした。CHARAの
歌だからだ。彼女の歌声は張りつめた現実と疲労した体の芯のようなものを繋ぐ
接点に不意に、しかも暴力的に、迫って来る。エンジンの火を落とす。静かな森の
静寂に歌の残影がたゆたう。彼は外に出て、冷たい夜気に浸って、夜空を見上げた。
ナカオカタクミに頼まれていたチップスターを買おう。そう具体的な事柄に思考を
集めながら彼はコンビニエンスストアに入った。
400:sage
06/03/05 21:55:03
何が欲しい?
仕事帰りに久慈夏雄は県立T病院に電話し、ナカオカタクミと話をした。電話で
ナカオカタクミは「おかしー!」と甘えるような言い方で言った。あまりにも人を
くったその子供じみた要求に半ば呆れながら「あまーいの?」と久慈夏雄もふざけて
訊き返すと、ナカオカタクミは傲然と言ったのだ。
「チップスター!」
401:革命的名無しさん
06/03/05 22:24:15
粗は、思いつきを書いているだけ
自分の書いていることが論理的に一貫していないことも分からない
周りの取り巻きが粗の言うことを何でも受け入れてしまうから
それが世間に通用すると勘違いしている
まともに議論してもしょうがないよ
402:革命的名無しさん
06/03/05 22:31:41
369までの購読者からのブント批判は首を傾げるところもあるが、概ね正論ではないのか?
決して左翼の土熊から撫で切り批判をしているわけでもなく、リアリティを感じる意見だ。
馬鹿の一つ覚えの荒への恨み節か「党派闘争?」を読まされるよりぜんぜんいいよ。
それに370以降の小説(?)もどこからのコピペなのか自作なのか知らないが読めるね。
こんな救いようのないスレタイで、こうなるとは皮肉だ。
荒らしとは思わないから続けてくれ。
403:革命的名無しさん
06/03/05 22:34:37
>>401
はいはい、おまえとも議論したくないよ。
404:sage
06/03/05 22:35:08
久慈夏雄は面会室の真ん中の大きな木のテーブルの上にコンビニの袋の中
を全部あけてみせた。チップスターのほかにチョコレートやたばこなどを
買い込んできてあった。それからこれ、と彼は鞄の中から新しいノートを
出した。「あの広告の裏で作ったけったいなノートはいい加減、よせよ。
ノートぐらいやるから」
ナカオカタクミは少し絶句すると、爆発したように破顔した。
「ありがとう!」彼は久慈夏雄の手を両手で握りしめた。「キミは本当の
友達だ。本当の同志だ。ありがとう。さあ、乾杯だ!」
ナカオカタクミが景気よく差し出した青いプラスチックのコップの中には
冷めたインスタントコーヒーが入っていて、その水面には細かいネギやコーン
のかすが濁った油とともに浮かんで揺らめいていた。
「遠慮なくやってくれ。今夜は最高だ。おれの感謝のしるしだからさ。一気
に飲んでいいから。コップもひとつしかないから乾杯って言っても乾杯でき
ないんだけど、まあいい、気にするな。全部飲んでくれ」
久慈夏雄は、全身が固まった。
405:sage
06/03/05 22:37:35
今は喉が乾いていない、と言ってみた。ナカオカタクミは笑いながら、そんな
遠慮はいらない、と言ってお菓子やチョコレートの包みを次々に破きはじめ
た。久慈夏雄は目をつぶって一息に飲み干した。吐きそうになった。
「よし!」とナカオカタクミが過激派風に叫んだ。「同志。さあ、今から
会議だ。おれはMRTAとして正式にきみたちに共闘を申し入れる。仲間が
今ペルーの日本大使公邸を武装占拠している。その情報はもう入ってると
思うが、セルパじゃダメだ。あんな大衆ウケ狙いのカンパニアより、俺が
思うに、武装蜂起しかない」
「おまえ、MRTA?」
「見ればわかるだろ?」ナカオカタクミはきょとんとした。「おそろいの
スカーフがなかったから青いタオルを頭に巻いているんだ。戦闘中なもので」
久慈夏雄は胸中の鼓動がいきなり速まるのを感じた。
406:sage
06/03/05 22:39:23
この緊張に耐え、あくまで彼の論理を尊重して会話しなければ、まだ残され
たわずかな彼の理性まで、たやすく切れてしまうだろう。経験的にそのこと
を察した久慈夏雄は真顔で、言った。
「今はダメだ。協力できない」
「なんだと!」とナカオカタクミが立ち上がって怒鳴った。「おまえら、
革命的左翼だとか徹底抗戦だとかっていつもカッチョいいこと、言ってる
くせに! 腰抜けめ!」
「あのなー」と久慈夏雄は腕を組んで微笑んだ。意図的に余裕の笑みを
演じるように。「革命戦争は遊びじゃねえ。これは純粋に軍事的な問題
だろ? ペルーの仲間たちを助けたいっていうキミの気持ちは、わかるさ。
でも、そんなセンチメンタリズムなんて、革命に必要か? キミだって、
わかってるだろ?」
「もちろんだ。わかってる」
「じゃあ、答えてみろ。革命戦争に必要なものは何だ?」
407:sage
06/03/05 22:41:37
「それは……」とナカオカタクミが言葉に詰まって戸惑った。
久慈夏雄はやっと心に余裕ができた。
「レーニン主義の基本だぜ」と久慈夏雄は意図的に見下すような態度を取り、
内心、今の新左翼ですらレーニン主義は間違いだと言っているのを思い出し
ていた。こんな論争をしている自分までナカオカタクミと同類みたいで、
ひどく厭な気持ちになった。「キミにとって常識のはずだ。一応、形式的
だが、確認しておこうか? レーニン主義の基本は、党の指導だ。自然発生
的に決起する大衆や兵士たちを正しい方向に導くために、いかなる場合でも、
不抜の前衛がぜひとも必要なんだ。徹頭徹尾革命的で科学的に未来を見通す
ことのできる完全無欠の前衛でなくてはならない。そんな職業革命家だけで
極秘に構成された陰謀の党、それが前衛党ってもんだろ。武装せる前衛党
がなければ全ての闘争は敗北する。つまり俺たちには指導部が必要だって
ことだ。だが、今、その指導部が不在なんだ。そうだろう? だってキミが
こうして獄中にいるかぎり、どんなに武器をそろえても蜂起する訳にはいか
ないからな」
「そうかあー!」とナカオカタクミが喜んで、手を打った。
408:sage
06/03/05 22:42:59
「そうかあー!」とナカオカタクミが喜んで、手を打った。
「わかるだろ?」と久慈夏雄が念を押す。こんな論理が通じ合うなんて
悲しすぎる世代だと思う。ナカオカタクミの心の病気のせいばかりじゃない
気がした。「だから頑張ってくれ! みんな、キミの帰りを待ってるんだ。
ペルーだけじゃない。アジア人民がキミを待ってる。蜂起はそれからだ。
計画としての戦術だ。組織された暴力だ。なあ? だから辛くても、我慢
してくれよ。獄中でこそ革命家は鍛えられるんだから」
「最高だ!」
ナカオカタクミは絶叫し、久慈夏雄の手を握り締め、眼を潤ませて、
何度も何度も頷いていた。そして狂ったように笑いだした。本当に狂って
いたのだが……。
409:sage
06/03/05 22:44:46
ナカオカタクミは自宅の二階から下りてきた。
「やあ。あがれよ。メシ、まだだろ? カレーがあるから食べてってくれよ」
ナカオカタクミはさっさと廊下の奥に歩いて行った。玄関も家の中も凄まじい
ことになっていた。正面に階段がある。十三段というナカオカタクミ自慢の
階段だ。とにかく厭な雰囲気の建物だ。階段と平行して伸びている廊下の左側
には、十畳の和室が二間続きにあった。立派な仏壇と神棚がまつられていたが、
どちらとも無残なありさまで放置されていた。欄間と襖に仕切られた奥の和室
は何年か前まで寝たきりのナカオカタクミの祖母がいた部屋であり、さらに奥の
北側の四畳半が彼の父親が吐血して死んでいた部屋だ。どの部屋もかつての面影
はない。あらゆる家具や障子、襖、衣類が引き裂かれ、凌辱され、散乱し、
ぬいぐるみや日本人形もばらばらにされて転がっていて、廊下やフローリング、
畳、その全てが残骸とガラスの破片で敷き詰められていた。それはナカオカ
タクミの妄想の中の話ではなく本当に戦場だった。
410:sage
06/03/05 22:46:51
キッチンは完全に焼け落ち、壁や天井は黒焦げだ。窓も勝手口もガラスが
なくなっていて、そこだけポッカリと口を開けたみたいに外の自然の光を切
り取っていた。
「これ、全部、おまえひとりでやったの?」と久慈夏雄は掠れた声で訊いた。
「どうよ? すごいだろ?」とナカオカタクミは笑いながら嬉しそうに答え
た。「ねえねえ、久慈さん、あとで二階の方も見てよ。もっとすごいんだぜ」
「だいたい想像つく」
「カレー、食べてよ」とナカオカタクミが言った。「俺が作ったんだ。料理
だって自分でするんだ。野営は兵士の基本だからな」
中岡家には猫がたくさんいた。昔はもっといた。まるで廃墟の瓦礫のなか
からカメラのレンズを見上げる戦災孤児のような目付きの猫たちが、次から
次へ、おそるおそるキッチンに入って来る。無気力な怯えと媚び。いちばん
人になついている青い目の猫がナカオカタクミの足に頭をすりつけると、
いきなりナカオカタクミはその猫を力まかせに蹴り飛ばした。久慈夏雄が
驚いてナカオカタクミを見た。猫たちは一斉に逃げ出した。廊下の奥の
暗がりから恨めしそうに、呪うような低い声で、啼いていた。
「おまえ、何すんだよ? かわいそうだろ! エサがほしかっただけだろ」
エサ箱の中は、カラッポだ。
「猫のめんどうまでみてられるか!」とナカオカタクミは吐き捨てるように
言った。
411:sage
06/03/05 22:48:24
久慈夏雄は戸棚の中を探し、キャットフードをエサ箱にあけた。それでも
猫たちは一匹も戻って来なかった。ナカオカタクミはフロアに煤と埃に塗れ
て散乱している食器を物色し、一枚、汚い皿を拾いあげ、洗いもせず、鍋から
カレーをよそって久慈夏雄に差し出した。食えよ、と彼は言った。
久慈夏雄は悪い冗談かと思った。黙っていた。ナカオカタクミは本気だ。
それはどう見てもカレーなんて呼べるシロモノではない。わけのわからない
葉の屑みたいな物体となんだかわからない薄気味悪い肉片が、ギラギラした
オレンジ色の奇妙なスープに浮かんでいて、酸っぱい厭な匂いがした。
412:sage
06/03/05 22:49:56
「そうか、箸がないか? ちょっと待ってろ」とナカオカタクミが使用済み
のワリバシを拾って久慈夏雄に渡そうとした。
「何、これ?」と久慈夏雄は冷やかに問い質した。
「カレーだ」
「そうじゃねえよ。何が入ってんだ、この肉みたいの」
「ネコのエサだ。でも、ちゃんとした缶詰だから。ネコのエサっていっても
缶詰なんだ。すごくいいやつなんだよ。賞味期限は切れてたけど高いやつ
なんだ。とにかく食べてみてよ。本当にうまいんだから。俺なんか朝も昼も
これ、食ってんだから、大丈夫」
たとえ久慈夏雄をナカオカタクミが試しているのだとしてもこればかりは
無理だと観念した。あのT病院で気持ち悪いコーンスープの具が浮かんだ
ギトギトのコーヒーを飲んだ久慈夏雄の根性をもってしても、このカレー
だけは食えなかった。それは誰からも責められることではないと彼は確信
した。ナカオカタクミは急に落ち着きをなくし、追い詰められた小動物の
ように不安な目が震えだし、呂律のまわらなくなった口で、言った。
こここここここれはカカカカカ、カレー、ラ、ロロロロ、
413:革命的名無しさん
06/03/06 01:23:28
ネット資源のムダだなあ。。。
414:革命的名無しさん
06/03/06 01:25:27
>>402
ワラビーの荒らしだよ。どこかのコピペ。
415:革命的名無しさん
06/03/06 02:29:47
荒を完全打倒せよ!
416:革命的名無しさん
06/03/06 04:48:08
恥ずかしくないのか、バカアラ&克也。
417:革命的名無しさん
06/03/06 07:38:04
わたしは蕨からも遠く離れ、現役でもないが、
恥ずかしいのはここの表題と>>413->>416のあなただ。
418:革命的名無しさん
06/03/06 07:42:30
以上、ニャンケの荒しでした!
419:151
06/03/06 08:43:12
>>372
同意! それが核心だね。 結局現ブントは、荒中心に組織を存続させるための、自分達にとってだけ必要な歪んだ互助組織。
なんにもしてないくせに、やたらと説教ばかりかましてる変な団体つうだけ。
やってることは説教会に人を連れてきて教会をデカクすること。
420:151
06/03/06 08:45:02
↑
レスNO別スレのです。失礼
421:革命的名無しさん
06/03/06 12:46:31
ここはいつから「妄想プロレタリア小説板」になったの?
422:革命的名無しさん
06/03/06 13:00:44
なんちゃって村上龍
423:革命的名無しさん
06/03/06 15:29:32
競争自体は悪ではない。どんな世界であっても、つまり、食うための労働
から開放され好きなことをしていても食える世の中であっても競争はある。
また、そうでなくてはならない。問題は、競争に負けたものの存在が否定
される(可能性がある)性格の競争はだめということ。
存在の否定に繋がる競争はだめだけど、お互いを切磋琢磨し、高めあう
ための競争はok。運動会の例でいうと、資本主義とは、
競争に勝った生徒はご褒美をもらえるけど、その中身の大部分は主催者
にピンはねされている。競争に負けた生徒は二度と競争に参加させてもら
えない。
共産主義は、誰でも、いつでも、競争に参加でき、ご褒美は競争の結果では
なく、選手の必要に応じて分配される。能力の低い人もその能力を高める訓
練を受けることができ、再チャレンジが可能。そうして、個々の可能性が最大
限に開花される(←ここが重要)環境を、みんなが(社会全体が)作り上げて
いく、それが共産主義。
424:革命的名無しさん
06/03/06 15:31:32
ごらん街の灯りが消えていくよ
もうすぐ始発が走り出す
さよならだね
君の肩を抱くこともできないまま
425:革命的名無しさん
06/03/06 15:32:02
ドアの前に二つのスーツケース
鍵は机の上
426:革命的名無しさん
06/03/06 15:32:34
眠れぬ夜は 電話しておくれ
一人で朝を待たずに
真夜中のドライヴ・イン 昔のように
急いで迎えに行くよ
427:sage
06/03/06 21:28:34
そう言いながらナカオカタクミが不潔なワリバシで奇妙なカレーを口に運ぼうと
した瞬間、反射的に、久慈夏雄は皿ごと叩き落としていた。
ナカオカタクミは激昂した。
「そんなの、食うな」と久慈夏雄が動じることなく、言った。
「ふざけんな、俺の貴重な食糧を!」
「カレーなんかを食うなって言ってんだよ。今夜、ナベ、やるんだからさ」
ナカオカタクミは思考が追いつかず拍子抜けしたみたいな惚けた顔で、ナベ? と
訊き返した。
「そう。ふつう、退院祝いって言ったらナベだろ? だいたい朝も昼もカレーを
食ってんなら夜はナベだよ。飽きるからな。魚と白菜と葱を買おう。あとビール?」
「ビール!」とナカオカタクミは喉を鳴らした。「ビール、飲みたい!」
「おう。好きなだけ飲め」
「すげえ。なんか、人並みじゃん?」
428:sage
06/03/06 21:30:16
久慈夏雄が中岡家の屋敷から外に出ると日没がはじまっていた。久慈夏雄は車に
乗り込んで、大きなため息をついた。このまま知らんぷりして帰ってしまおうか
とも思った。
火葬場みたいな腐った空気。焼け跡のキッチン。ネコのエサ入りの不衛生な
カレーを立ったまま一人で食うナカオカタクミ……。まるで見知らぬ惑星に漂着
したような救われない気分だった。鍋なんてその場凌ぎのアドリブだったが、
本当にそのくらいやってもいいかな、とその時思った。
429:sage
06/03/06 21:32:44
「よお、このキチゲー! テメー、なんで退院したんだ?」
白井誠司は土足のまま中岡家の屋敷の中まであがりこみ、怒っているみたいな
言い方でそう言った。「医者も何考えてんだ? それに何だ、この家? どうす
りゃこんなことになんだ? 人間が住めるとこじゃねえやん!」
白井誠司はナカオカタクミと久慈夏雄のいるその部屋にも土足であがろうとした
が、久慈夏雄が、そこで靴、脱げ、と制止した。マジ? と白井誠司は厭な顔を
した。大丈夫大丈夫、とナカオカタクミがベッドの上に座って笑っていた。ナカオカ
タクミはすでに酔っぱらっていた。「久慈さんと今日、掃除したんだからー」
買い物から戻ってきた久慈夏雄が家の中をひととおり見てまわると、唯一、二階の
東側の部屋だけがまともだった。ナカオカタクミにも手伝わせて使えそうなベッドや
本棚、パイプハンガー、ラジカセ、小型テレビなど家財道具をその一室に運びこみ、
その部屋だけを徹底的に掃除したのである。なぜかその部屋だけ、一枚も窓ガラスが
割れてなくて、何も燃えていなかった。ナカオカタクミの母親が生前に使っていた
部屋なのであった。
430:sage
06/03/06 21:34:20
ナベ、食うか? と久慈夏雄が訊ねると、いらない、と白井誠司は即座に拒否した。
「でも久慈さんが、なんだって、ここに、いるんだ?」
ナカオカタクミが白井誠司のその質問を無視し、久慈夏雄に白井を紹介した。
「これがシライセイジ。高校の同級生で元ヤクザ。今は大工だけどな」
「これって何だ? 俺はこれか? このウスバカヤローが! 元ヤクザは
よけいだ!」と白井誠司は怒鳴りつけた。「タクミに紹介してもらわなくても、
知ってるわ!」
久慈夏雄もシライに笑いかけて、頷いていた。
どうして知ってるの? とナカオカタクミは不思議そうに訊いてから勝手に
納得して、やっぱり歴史の法則どおりなんだな、と言ったが久慈夏雄も白井誠司も
ナカオカタクミの言うことなど、すっかり無視していた。
431:sage
06/03/06 21:36:25
当初シライセイジは、久慈夏雄もそんな高岡真琴の取り巻きの一人だと思って
いたが、やっと、気づいた。「ひょっとして……」と白井誠司は確かめた。
「久慈さんって、高岡ンとこのお姉ちゃん、あの人と一緒の活動、やってる人
だったの?」
「うん。知らなかった?」と久慈夏雄が笑った。
「俺もタケナカも一緒だよ」とナカオカタクミが口を挟んだ。
「ふうん」とシライはおもしろくなさそうに鼻を鳴らした。
彼の経験上、右翼はわかりやすい。だが、左翼っていうのは、どうにも得体が
知れないヤツらだった。彼らは金にもメンツにも執着しないし、そのわりに厳格
な組織を作っているし、宗教とも違うみたいだし、いったい何に執着しているのか
よくわからない。過剰に偏っているキャラクターの人間が多く、とびきりこだわり
も強い。シライは左翼という連中に何の魅力も感じられなかった。それなのに左翼
の知り合いがたくさん出来ていた。いつのまにか。タクミのせいだ。シライは腹が
たってきた。
ラジカセから電気グルーヴの『シャングリラ』が流れていた。
煽情的なキスキスキスと繰り返すサビが乾いた感じの歌だ。
FMラジオがよく入る。
窓の外は夜の暗さも薄い。
シライは、高岡真琴のことについて久慈に会ったら聞きたいことが色々あったが、
久慈の顔を見たら何も言う気がしなくなった。
432:sage
06/03/06 21:37:59
竹中哲が来たのは、さらに二時間遅れの、十時過ぎであった。
「みんなおそろいで」
低い声で挨拶しながら部屋に入ってきたタケナカテツは、久慈夏雄の知っている
高校生の頃の顔ではなくなっていた。まるでクラブのDJみたいな格好。長髪を
ポニーテールに後で束ね、きつい匂いのたばこをくわえ、夜中だというのに濃い
サングラスをかけたまま彼は入ってきた。着ている服はシンプルで雰囲気があり、
まるでアメリカ映画に出てきそうなダウンタウンの黒人ギャングみたいな怪しい
外見だった。口髭もたくわえ、顔中にピアスを入れ、アクセサリーを首や腕に
ジャラジャラ垂らしていた。そして、何が入っているのかわからない怪しげな、
大きなトート・バッグ。
433:sage
06/03/06 21:39:44
「タケナカなのか?」と久慈は顔を引きつらせた。「キミ、今、何をやってんだ?」
「ギャング」
「本当?」
「ンな訳ねえだろ? ここはシカゴじゃないんだからさ。でも、そう見える?」
「うん。しっかり、そう見える」
「そう?」とタケナカは表情少なく微笑んだ。「八百屋だよ」
「何が?」
「あいかわらずとぼけてるねえ、久慈さん」とタケナカが肩をすくめた。ナカオカ
タクミが裏声で笑った。タケナカは言った。「おれの場合、鍛冶屋町の風俗探検隊長
ってのが本職。だから八百屋は世を忍ぶ仮の姿なわけ。俺の格好だけを見てDJとか
って言う人もいるけど、ハウスとかラップとか聴くの専門だからナンチャッテDJ
って感じ? だいたい俺が努力なんかして芸を身につけるなんて、ありうると思う?」
「ないわなあー」と久慈夏雄は笑った。昔のままのタケナカだ、と安堵した。
「しかも、だよ! ギャングになれるような根性が俺にあると思ってんの?」
「ないない。過激派もつとまらないんだからー」
434:sage
06/03/06 21:41:13
「そのとおり。だから八百屋なの!」
「わかった」
「えっ、わかったの? ウソだろ?」
なんとなく楽しい気分になった久慈は、極端に変貌したタケナカの顔をしげしげ
と眺めていた。十年ぶりの再会だ。遅いよ、とナカオカタクミがタケナカにもんく
を言った。ナベ、食う? と久慈夏雄がタケナカテツにすすめるとタケナカもシライ
と同じように心底厭そうな顔をした。
「キミねー、ちょっとは考えろよー。このタクミの家じゃ食欲なんておきねえよ、
普通の人なら。それより、タクミ。タイ料理、食いに行くんだろ? だから来たん
だからな。早く行こうぜ。今日はみなさん、一緒に行くんでしょ?」
「タイ料理?」とシライがナカオカタクミを睨んだ。
「タケナカってモテるんだよー。ママさんが手作りでタイの家庭料理を作ってきて
くれるって言ってんだから、行こうよー!」
ナカオカタクミはシライと久慈を誘った。二人ともそんな話は聞いていない。
435:sage
06/03/06 21:44:07
「どこのママだ? もしかして、あれか? こないだテメエと行った行ったアンジェラ?
あそこのタイ人のママのことか?」とシライが目を剥いて言った。
「そうだよー。よかったよなー。十六歳だよ、十六歳。一晩たったの三万円。
ホンバンまでやれるんだからー。アニキも満足そうだったし」
ナカオカタクミは得意そうに言った。
「ふざけんな!」とシライが怒った。「何が満足そうだって? テメエ、金返すっ
て言うからつきあったんじゃねえか! 金、いつ返すんだ? だいたい、どう考え
たって、ワリにあわねえ。あんなに金出したら高級ソープだって行けたじゃねえか
よ! しかもホテル代とタクシー代もあんだからよ。あん時だって、朝まで、俺はゆ
っくりしたかったのによ、このバカ、テメエだけ満足したら、こっちのドア、ドン
ドン鳴らしやがって、帰ろう帰ろうって廊下で騒ぎまくって、さっさと服着て待って
やがって、ちょっと待ってろって言っても人の言うこと聞かねえで、帰ろうよー、
帰ろうよー、って大声でわめきやがって、しゃあーねえー、慌てておねえちゃんと
出てってよ、そしたら、送るよ、とか勝手におねえちゃんらに言いやがってよおー、
おねえちゃんたちのマンションまでタクシー代、また俺に払わせてあたりまえみたいな
顔してやがんだからよ! なめてんのか? このクソガキ!! テメエー、絶対、
よそで言うなよなあ! 鍛冶屋町のほかの店に行ったときとかよー、シライが十六歳
のタイ人買っただのシライが満足そうだったのって言いふらすのだけは、本当、やめろ
よな、バカヤロー!」
436:sage
06/03/06 21:45:40
「いいからいいから。アニキ、行こうよー!」とナカオカタクミは全く意に介さず
笑っていた。「生きていれば色々なことがあるもんだから、厭なことは忘れてさー、
ねえ、行こうよ。ナッちゃんも行くよね?」
久慈夏雄は、ナッちゃん? と拍子抜けしたように肩をガクッと落とした。
いやなことは忘れてってよー、テメエなんだよ、テメエ! シライは顔を真っ赤
にして青筋をこめかみに浮かべた。まあまあー、とタケナカがトートバックの中から
いくつもの小さなプラスチックのタッパーを取り出した。「ちょっとアップにキメて
みない?」
タケナカテツは表情の見えない濃いサングラスのまま口髭を横にのばして、ニヤリ
と笑った。
437:革命的名無しさん
06/03/06 21:48:44
追悼
438:革命的名無しさん
06/03/06 21:50:22
同志須藤は、浜田省吾が好きだったなー
安らかに
439:革命的名無しさん
06/03/06 21:53:16
ニャンケよ、お前がブントの中で一番の屑だ。荒と比較しようもない屑だ。
440:革命的名無しさん
06/03/06 21:56:15
そこまでいうこたぁない・・・
441:革命的名無しさん
06/03/06 22:01:03
ニャンケさんは、元活
今のブントの現状は、全く分かっていない
戦旗・共産同の夢を追っているだけ
資材蓄積と売名に奔走している粗やその取り巻きの屑官
ヤマネや黒木やゴミとはちがうさ
ニャンケは、そうした本当の屑とは違うぞ
442:革命的名無しさん
06/03/06 22:01:48
須藤同志は、路地裏の少年が好きだった
合掌
443:革命的名無しさん
06/03/06 22:03:41
しかし、荒の太鼓持ちを卑屈なまでにやるニャンケに辟易するんだが。
444:革命的名無しさん
06/03/06 22:23:40
ニャンケさんの、青春の思いでなんだよ
日本軍の戦友ものと同じ
少なくともニャンケは、粗やその腰巾着のように
粗の太鼓持ちで私腹を肥やしてはいない
事情を知らないニャンケを、粗らと同じように
糞味噌に罵倒するのは可哀想
むしろ、そこまで擁護するならニャンケは
ブントに再結集し、その意思統一の従って
カンパと組織活動をやるべきだ
粗の資材蓄積と専横に苦しみながらも、
党と闘争を守ろうと苦闘している
メンバーと苦闘を共有するべきだぞ
じゃなけりゃ、確かに調子こいた腰巾着と
批判されてしかたあるまい
苦しんでいる原液と同じ立場に
445:革命的名無しさん
06/03/06 22:36:31
須藤が好きだったもの
ラーメン
ハマショー
犬・子供を追いかける
替え歌
山
赤いヘルメット
バイク
お菓子
同志
荒さん
446:革命的名無しさん
06/03/06 23:04:43
須藤が好きだったもの
シュプレヒコール
機動隊・私服との乱闘
右翼ファシストのせん滅
ドイツ語
ドイツ哲学
将棋
数学
クイズ
知的競争で人に勝つこと
ブント
実は、カラオケ
純愛
山での競争
シャイに照れること
(好きなわけではないか)
家族への愛
必ずしも、付き合いやすい奴ではなかったが
本当に社会を変革しようとし
人生や生活をなげうって活動していた
彼に罪はない
罪があったとすれば、そのあまりにもの「純粋さ」だけだった
それを誰が罪と言えるだろうか
追悼
須藤ちゃんの死を、政治的に利用するな
今の組織を批判するなら、別のスレでやって下さい
お願いします
447:革命的名無しさん
06/03/06 23:10:14
何であんなにムサシを追い掛け回してたんだ?
ムサシは完全にビビッてたぞ。
448:革命的名無しさん
06/03/07 00:10:16
須藤ちゃんは、ムサシを追い回しながら、
決してかなわない自分の夢=戦旗・共産同革命の夢
を追いかけ回していたのだと思う。
もはや、その須藤ちゃんの夢を引き受けて、
革命の夢を追いかけてやることはできないけれども、
須藤ちゃんと共に闘った、本当に闘った、あの純粋なナーブナだった
我らの青春の日々だけは、「されど我らが青春の日々」だけは
決して忘れないで生きていこう。
我ら、社会主義学生同盟は、三里塚現地行動隊は、そした決戦行動隊は
須藤同志の権力機動隊の圧倒的な暴力を引く受け、跳ね返して
逮捕も流血も恐れず共に闘い続けた須藤同志の闘士を、
生涯、決して忘れない。
まさに鬼神もたじろぐ勇士であった。
決して忘れないでくれ。
誰もが忘れても、オレだけは決して忘れはしない。
追悼、同志須藤。社学同魂よ、永遠なれ。
笑いたい奴は、笑え。
449:革命的名無しさん
06/03/07 00:14:21
異議なし、このスレは流すぞ!
450:荒同志
06/03/07 00:15:27
ぎゃははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははははは
451:革命的名無しさん
06/03/07 00:23:17
452:革命的名無しさん
06/03/07 08:16:35
史上最強の毒男 須藤丸樹
453:革命的名無しさん
06/03/07 08:49:56
須藤が苦手だったもの
女性、特に婦人警官
長田
スキップ
454:追加
06/03/07 08:53:52
そして荒
455:革命的名無しさん
06/03/07 09:15:20
反戦ネットワーク所属、LPG様。
落書きをすることだけを目的としたスレの乱立及び以下のような行為はおやめ下さい。このAAを数分間隔で60回以上も書き込んだあげく、「粉々に粉砕してやった」などと「自慢する」LPG様。とても「正常な方」とは思えません。
これ→スレリンク(kyousan板)l50
これ→スレリンク(kyousan板)l50
あなた様の、「精神異常者だから何でも許される」という考え方は、精神異常者であるご自分に対する甘えであり、「精神異常者」の「悪用」であると私たちは考えます。話は違いますが、LPG様の「おいら、ワールドピースナウの
実行委員を卒業して、今は九条の会の事務局員やってんだ~」という自慢話。やはり嘘だったそうですね。それと、「おいら、ブントにほめられちゃった~」といってみんなに自慢している下のファイル、あなたのことなんて
一言も書いていませんよ。
↓
URLリンク(www.bund.org)
「LPG様の強制入院に反対し、温かく見守る市民の会」及び参加賛同人一同
456:革命的名無しさん
06/03/07 13:28:08
驚くべきことだが
須藤ちゃんは、割と荒さんのことが好きだったように思う
お父さんのように、なついているところがあった
457:革命的名無しさん
06/03/07 15:25:26
ふれた指先
心 燈して
流れ出す旋律
愛を 望む
傷つけた枝の先
朽ちてゆく宿命(さだめ)なの?
鎖(とざ)された時の狭間に 迷い込んだ
小さな光の雫
夢の終わり ただ君だけを願う
458:革命的名無しさん
06/03/07 15:26:14
罅割れた硝子ケースに 飾られた純潔は 滅びゆく天使たちの心臓
また明日も目覚めるたびに 百年の刻を知る 眠れない魂の荊姫
くい込む冠 一滴の血に ああ現実が真実と 思い知るの
まだ行かないで 月光の結界で 過ちに気づいてしまいそう 安らかなぬくもり抱かれ 壊れたい私は 罪の子なのでしょうか
そっと零れてくる 涙の意味さえわからない
まだ云わないで 呪文めいたその言葉 愛なんて鎖のように重い 囁いてパパより優しいテノールで どんな覚悟もできるならば
さあ誓ってよ その震える唇で 蜜を摘む狩人のときめき 攫っていい この深い胸の奥底を 射抜く勇気があるのならば
貴方 捕まえたらけして 逃がさないようにして
459:革命的名無しさん
06/03/07 15:26:48
瞳に映る
銀の月影
やすらかな旋律
どうか 永久に
刻みゆく針の音
抗えぬ宿命(さだめ)なの?
契られたこの幻想を 包み込んだ
虚ろな光の螺旋
求めるのは ただ幸福(しあわせ)な結論(こたえ)
玻璃色の時の狭間に 満ちてゆくよ
穏やかな光の雫
460:革命的名無しさん
06/03/07 15:27:31
天皇制問題は、は共和制思想の浸透を徹底的にやるだろうから、
政権が取れれば確実に可能になるでしょう。
自衛隊は多分現実的に考えて維持。自主防衛の為に軍事費の増大も考えられる。
ただし9条を守るとの約束があるから専守防衛は堅持するでしょう。
北や中国とは、良好な関係を構築する。安全保障上の理由から。
これはアメリカと戦う為なので仕方がないでしょう(共産が親米に見える?)。
ただし当面は親米を装って北や中国と接近する現実的戦術が可能性としては高い。
共産主義に関しては100%目指さない。当面は社民主義的な政策を取るでしょう。
部分的に企業の国有化(彼らは社会化というが)が行なわれるのは間違いない。
社民党との違いに関しては、
社民党は社民主義であるのに対し、共産党は一応は共産主義であること。
ただし社会主義政党といった方が恐らく現実に近いんじゃないんですかね
461:革命的名無しさん
06/03/07 15:28:37
共産党は名実ともに社会民主主義政党になってください。
そして、わが社民党に合流し、社会共生党(社共党)を結党しましょう(´∀`)
462:革命的名無しさん
06/03/07 22:32:05
>>456
「割と」なんてもんじゃないじゃないか? 心酔してたんじゃないか?
463:革命的名無しさん
06/03/07 23:05:27
そういえばニャンケ氏は新スレ作るとか言ってたけど、どした?
晩年の須藤には歯があったのかどうかも気になる。
464:革命的名無しさん
06/03/07 23:17:15
それ言ってたのはニセ・ニャンケ
465:sage
06/03/07 23:20:31
「早く早く」とナカオカタクミが切迫した表情に変わった。
「まあ、こういうのはセッティングとかロケーションが大事だからさー。こんな
寒くて、汚くて、廃墟みたいな所じゃ、いまいち効果も半減なワケだけど、楽しい
夜にしたいじゃん? まあ、みんなの素敵な夜のお手伝いって感じかな? 今日は
いっぱい持ってきたから、どう?」
「それ、ひょっとして……」と久慈夏雄がタッパーの中から出てきたパイプ
やビニールの小さな袋やアルミホイールに見入ったまま固まって、言葉を失った。
「俺、帰る!」とシライは立ち上がり、出て行った。
「えっ、どうしてー?」とタクミが驚いて訊いても、シライは怖い顔をして
何も答えず、靴を履いて、階段を降りて行った。クライスラーのジープの
エンジンがかかり、砂利を跳ね飛ばして急発進する音が聞こえた。
本当に帰ってしまった。
「何なんだよ? あの野郎、ホンモノ?」
不愉快そうに眉間に皺を寄せ、タケナカテツが訊いた。
466:sage
06/03/07 23:21:51
「ちがうよ。俺は高岡の店で知り合ったんだが、大工だって」
「なーんだ。久慈さんの知り合い?」
「まあ、どっちかと言えばタクミの関係。タクミと同じ高校の、タメだって。
まあ、もともと悪いヤツだったのは事実だろうから、そんな雰囲気、あるん
じゃない?」
「だいたいその筋の関係者ってよー、こういうの、金もうけに使ったり、
言うことをきかない女をヤルのに使ったり、テメエらで勝手にすごく陰惨な
イメージにしといて、それで、あれだけは絶対やっちゃダメだとかって
わかったふうな説教してみたりすんだよね」
467:sage
06/03/07 23:22:59
ナカオカタクミはタケナカテツからまわされたパイプをライターで炙って
吸い込み、息を止めながら目をつぶって、ぶわあっと吐き出す。タケナカの
言うことなんか聞いていない。彼の目が酔っぱらったのとはまた少しちがっ
た赤みを帯びて、異様な光を湛えた。
ただでさえ精神病を患っているのに、こんな刺激の強いものを体内に入れ
て大丈夫だろうか、と久慈夏雄は不安を覚えた。
「まあ、でも、あのシライってヤロー、俺の好きなタイプじゃないけどさー、
キミたちのダチなんだったら悪いヤツじゃないんだろうから……」
とタケナカは自分に言いきかせるように、ぼそぼそと言った。
468:sage
06/03/07 23:25:05
「白井は悪いヤツだよ。でも俺たちは革命家だからな」
とナカオカタクミが明瞭に答えた。久慈夏雄が厭な顔をした。
彼だけが現役の活動家だった。
タケナカテツは、久慈さんもやってみる? とすすめた。
久慈夏雄は受け取って煙を吸引してみた。高岡真琴もこういう
ドラッグの経験があったようだが、彼自身はまったく未経験だった。
話で聞いたことしかない。久慈夏雄はタケナカにレクチャーされた
とおりにライターで炙って、煙を吸引し、息を止めた。
「あんまし、わかんないな……」
「まだビギナーだからね、キミは。もうちょっとキメてみな。
モノはいいから絶対にキマるって」
469:sage
06/03/07 23:26:25
何周かそのパイプが三人を回ってからタケナカは、こっちもキメると
パワーアップするから、とアルミでつくった器とストローを回した。
その中にガラスのような氷砂糖のような半透明な結晶が数粒入っていた。
久慈夏雄は、それが何なのか分からなかった。ただ教えられたとおり
アルミホイールの下からライターで炙り、揮発するその煙を吸い込んだ。
不思議な高揚感と無条件な楽しい気持ちが溢れだした。倦怠感や疲労感
があとかたもなく蒸発して、なくなってしまい、身体が軽くなった。
ナカオカタクミが急に笑い出した。
470:sage
06/03/07 23:27:28
おまえ、何を笑っているんだよ、と言ったとたん久慈夏雄も笑いがこみ
あげてきた。何もおもしろいことなんてなかったし、誰もおかしいことを
言っていない。それなのに、ツボにハマッてしまったように笑いが止まら
ない。精神病かそうでないかなんてどうでもよくなるほど、日常では考え
られない至福の精神状態。
まわりはワナ、まわりはワナ、まわりはワナ、ねえ、続けて言ってみな
よ、まわりはワナ、まわりはワナ……。そう言ってナカオカタクミは
ひっくり返って笑い転げた。
471:sage
06/03/07 23:28:33
「いい感じにキマってるね、キミたち」とタケナカがニヤリと微笑んだ。
微笑んだだけで彼だけは笑わなかった。
「タケナカ、これか、キマってるって?」と久慈が笑いながら訊いた。
「どう? いいだろ?」
「なんか、すげえ。ただのポップスなのにすごくいい音楽に聞こえる」
「エヴリー・リトル・シングだよ」とナカオカタクミが爆笑しながら
言った。そりゃあ曲名か、と久慈夏雄も笑いの止まらないまま訊いた。
「知らないの? 売れてんだよ。おれ、毎日、朝から晩までラジオ
聞いてるからね、朝から、晩まで、毎日。仕事もなくなったし。脳の
中にも受信機が埋め込まれているからどこでも聞こえるんだ、世界中
の歌が、ギャハハハハハハハハハハハ、ハ!」
472:sage
06/03/07 23:34:27
「ハイハットの音、すげえ!」と久慈夏雄は叫んだ。「シャカシャカって
脳味噌に刺さる。な、こんな感じ。え? ちょっと待て。おいタクミ、
てめえ仕事やめたのか?」
「いいじゃん、こんな楽しいときにそんな話はやめようよ、関係ねえよ、
クビになったんだ、ギャハハハハハハハハハハハ」
「ふざけんな、アハハハ、テメエ、どうやって生活すんだ? アハアハ
アハ」
「いらぬ心配さあ~」
ナカオカタクミはメロディーを即興で創って歌うようにそう言った。
473:sage
06/03/07 23:36:32
「すごいでしょ?」とタケナカが静かに言った。「だからドラッグってのは
使い方次第なんだって。ただ法律で認可されているか禁止されているかだけ
の違いなんだよ。だって酒だって立派なドラッグだぜ。日本人は酒飲みに
甘い国民性だから、酔っぱらいには寛大だけどねえ、イスラムの国じゃ酒
の方を禁止している国だってあんだよ。酒だって人は死ぬからね。なにも
スピードやハッパばかりが危険だって訳じゃない。砂糖だって中毒性がある。
もちろんたばこだってそうだし。ハッパはOKって国なんてけっこうあるん
だし。それに戦争中や戦後の復興期にはヒロポンって名前で覚醒剤を日本
でもおおっぴらに売ってたんだ。覚醒剤もスピードもエスもヒロポンもシャブ
も同じモノだから。あれをキメればおっかないことでも何でもやれるし、
夜も寝ないで働けるし、国力をつけるため国民を働かせるにはいいもん
だったんだ。ヒトラーだってポン中だ。特攻隊はみんな、エスをキメさせて、
片道の燃料の戦闘機に乗せて、飛ばしたんだから」
474:sage
06/03/07 23:37:43
「ミュージシャンや作家も、みんなやってんだろ?」と久慈が言った。
「みんなって訳じゃないだろうけど……。でもやってる人はけっこういるん
じゃない? 確実にやってなきゃこんな表現はありえないような小説とかっ
てあるもん」
「高岡のおねえちゃんはさー、クスリなしでトリップできなきゃホンモノ
じゃないとかって、よく言ってたな」
「高岡の話はやめろ!」とナカオカタクミがいきなり怒鳴った。
「どうしたの?」とタケナカが優しくタクミの方を見ると、なんでもない
よ~、とタクミはへらへらした。「ねえ、みんな、鍛冶屋町に行こうよ、
早く行こうよ、アンジェラでもいいからさ」
475:sage
06/03/07 23:39:17
「高岡さんのようなことを言うヤツって、よくいるよね」とタケナカがタクミ
を無視して久慈に応じた。「でもそんなふうにドラックを敵視する方がヘンだ
よ。大事なのは使い方だろ? まあ、久慈さんもこういう体験した訳だしさ、
ちゃんと正しい知識をもってやってほしいしね、こんな本があるんだけど読ん
でみな」とタケナカは医学書のような厚い本を手提げから一冊取り出した。
久慈夏雄はその本を受け取った。せっかく落ち着いてきたと思ったらまた
タクミが、文学に何が出来る、革命だろ、と言うなり爆笑した。いい加減に
しろ、なにがおかしいんだ、と久慈夏雄はタクミを叱るなり不覚にもまた
笑い出した。
476:sage
06/03/07 23:41:14
半ば強制労働のような気分で笑いつづけた。タケナカだけが平然とそんな
二人を眺めて、自分もまた煙を吸い込んでいた。
「これでドライブとか行くと、すごく気持ちがいいんだよ、とくに夜明けだね」
☆
白井誠司宅と久慈夏雄の住む公然アジトに、毎日のように、ナカオカタクミ
から電話があった。千円だけでいいから貸してよ、というお決まりの内容だ。
ナカオカタクミにとって、とにかく、毎日、ただその日一日を生き延びるため
の千円が必要なのであった。彼には収入がない。妹もいない。だから、千円
だけ、誰かに請求する。それだけのことであった。
477:革命的名無しさん
06/03/07 23:41:32
反戦ネットワーク所属、LPG様。
6日、朝9時頃から、7日、朝9時頃までの当スレでの落書きは34回です。これまでの最高は、3月3日の139回です。
以下のような行為はおやめ下さい。このAAを数分間隔で60回以上も書き込んだあげく、「粉々に粉砕してやった」などと「自慢する」LPG様。とても「正常な方」とは思えません。
これ→スレリンク(kyousan板)l50
これ→スレリンク(kyousan板)l50
あなた様の、「精神異常者だから何でも許される」という考え方は、精神異常者であるご自分に対する甘えであり、「精神異常者」の「悪用」であると私たちは考えます。話は違いますが、LPG様の「おいら、ワールドピースナウの
実行委員を卒業して、今は九条の会の事務局員やってんだ~」という自慢話。やはり嘘だったそうですね。それと、「おいら、ブントにほめられちゃった~」といってみんなに自慢している下のファイル、あなたのことなんて
一言も書いていませんよ。
↓
URLリンク(www.bund.org)
「LPG様の強制入院に反対し、温かく見守る市民の会」及び参加賛同人一同
478:sage
06/03/07 23:42:42
シライは両親と同居していた。
彼の父親は腕がいいことで評判の大工の棟梁。彼の家の電話が会社の電話
だ。必ず彼の母親がまず電話を取る。ナカオカタクミは百も承知だ。
「奥さんよー。あんたンとこの御曹司、セイジのヤツに貸しがあんだよー!
すぐ金返せって、耳そろえて持って来いって、そう伝えとけえー!」
そうナカオカタクミはシライセイジの母親に電話ですごんでみせる。白井
誠司の母親は怒り、その怒りはまず息子に向かう。何も知らない息子も母親
の怒りに当惑し、その原因がナカオカタクミだと分かると怒りに火がつく。
シライは怒ると見境がない。平和な白井家の中はパニックをおこし、想像を
絶する波風がたつ。だがそんなことなどナカオカタクミにとってどうでも
いいことであった。とりあえず、怒ってでもなんでも、シライセイジが彼の
家まで来ればいいのだ。シライは、必ず、金を貸してくれる。まず来させる
ことがかんじんだ。ナカオカタクミはお見通しだった。
479:sage
06/03/07 23:44:03
シライセイジは極道だ。でも優しい性格なのだ。つまりハンパ者なのだ。
観念極道。任侠とか男道を大マジメに語るのが特徴だ。弱気をたすけ強き
をくじくなんてヤクザ、映画と劇画のなかだけのフィクションであり、
現実には存在しない。ヤクザも金が全てだ。ナカオカタクミは狂気と
非常識と無軌道によるカモフラージュの裏で冷静な打算を働かせて
いたのである。
480:sage
06/03/07 23:46:30
たとえば、久慈夏雄。
あの共産主義者はシライのようには、いかない。そもそも久慈夏雄には
自由になる金など、ない。ナカオカタクミはちゃんとわかっていた。彼自身
が数年前まで新左翼党派の活動家だったのだから、当然だ。新左翼という
連中は他党派からの批判にいつも怯えているものだ。党派だけではなく全て
の他者、世界中の全ての言論と、そして自分自身の内なる批判にびくびく
している。彼ら左翼たる者は、全ての人民に対して自らを正義として体現
する義務が、糞をしててもオナニーをしてても、いついかなる時でも、ある。
だから左翼は差別につながるあらゆる可能性を日常生活のどんな細かい部分
であれ回避しようと多大な気苦労をしているものなのだ。
今のナカオカタクミは障害者である。
だから久慈夏雄は彼のめんどうをみてくれるに違いない。たとえ借金して
でも、めんどうをみてくれるだろう。だが貧乏な左翼からひっぱれる金には
限度があるから、やはりシライセイジだ。
つまり共産主義者も任侠も、弱者の味方を美徳にしているところで、実は
同じだ。この世で弱者ほど強いものがあるだろうか?
481:sage
06/03/07 23:47:35
タケナカだけは、ダメだ。
なぜならタケナカが弱者だからだ。わがままがある。自分の快楽にだけ貪欲
な。弱者はアテにならない。
それなのにあの連中ときたら、自分で自分のことを、タクミよりはまだマシ
だなんて思ってたりするもので。お笑い草だ。本当はみんな同類さ。みんな、
ダメ人間なのさ。ただ自分のことをいいヤツだと思いたがってるだけの愛すべき
アホども。いらぬ心配さ~。
どうでもいい。関係ねえ。とにかく俺に、千円、貸して。
ナカオカタクミはいつもそれしか考えていなかった
482:sage
06/03/07 23:49:12
シライがナカオカ・ハイツの駐車場を横切って玄関前にジープを乗りつけると、
すでに古いネズミ色のクラウンが停まっていた。そのクラウンのボディ全体には
ヤスリが掛けられていて、フロントグリルとバンパーがなく、4枚ドアの後の
一枚だけがなぜか白で、モールもそのドアだけずれている。車検制度があるこの国で、
ここまでひどい車にはなかなかお目にかかれない。アイツが来てる……、
とシライは舌打ちした。
タクミいー! とシライは母屋の玄関の割れたガラス戸の中に向かって
怒鳴った。
483:sage
06/03/07 23:50:35
こっちこっち、とナカオカタクミが離れの小屋から彼を呼んで手招き
していた。その中にアルミをライターで炙って吸引しているタケナカ
テツの姿も見えた。
やってやがる、とシライはいまいましげにひとりごちた。
「見てよ見てよ」とナカオカタクミがまるで子供のようにはしゃいでいた。
「これ、もともとは妹夫婦が住んでた『離れ』なんだけどさ、使えるで
しょー? 今日、みんなでこの小屋を改造したんだ。久慈さんもいた
けど、今、コンポを取りに行ってるんだ。このテレビなんか『本館』に
あったやつだけど、ちゃんと映るんだよー。これで裏ビデオだって見ら
れるよー。カセットコンロもあるから料理もできる。これからみんな、
ここでアジト生活、やろうよ! いいだろ?」
ナカオカタクミの脳天気な態度にシライの怒りは爆発した。
484:sage
06/03/07 23:52:02
「うっせー! 黙れっ! テメエよ、うちの親に何て言った? 何て言った?
忘れたとは言わせねえからなあー! 何だあー? 金を返せだあー? ああ?
俺が、いつ、テメエから、金なんか借りた? テメエこそ金返せよ! 今すぐ、
返せ! ブッ殺してやろうか、タコ! テメエのせいでな、オフクロの身体の
具合が悪くなっちまったんだよ! どうしてくれんだ、ああー?」
「ガス、止められちゃったんだ」とタクミは平然と答えた。
「関係ねえ!」
「ねえ、アニキ。千円、貸して」
「うっせえー! テメエ、ひとの話を聞けよなあー!」
485:sage
06/03/07 23:54:57
入り口でシライとタクミが会話にもならぬ会話をやりとりしているのを
奥で聞いていたタケナカテツが、二人をとりなすように言った。
「とりあえず、キミたち、そんなとこでお喋りしてないでさ、あがったら?」
シライは、深呼吸をして、中に入った。
「これから、ここを『別館』と呼ぶことにするからな」
ナカオカタクミが、まるで部下に命令するみたいな言い方でシライに
そう言った。
シライは『別館』にあがって応接室から調達されてきた本革の大きなソファー
にどっかりと座り、なげやりに言った。
「勝手に呼べよ、バカ」
486:sage
06/03/07 23:56:39
どうせこの生活破綻者のキチガイから金なんか引ける訳もないのだ。
タケナカは部屋の中でもあいかわらずサングラスをつけたまま、熱心に
裏ビデオを見ていた。タケナカはアルミからジュッとたちのぼる煙を器用
に鼻の穴に挿したストローで吸い取ると、息を止めたまま、うんっうんっ、
とテレビの画面を指さした。何かを訴えたがっていた。次々に裸の女が
入れ代わってペニスを舐めているだけの裏ビデオだった。
「どうしたの?」ナカオカタクミが訊いた。
プッハアー。止めていた息を勢いよく吐き出すとタケナカは、言った。
「これこれ、ここ、ここ見てよ、もう一回巻き戻すからね、ここ、よく見て、
ほらほら、よく見て、もう一回巻き戻すね、……ほらほら、ここだよここ、
この、ゆっくりのフェラ、うわっうわっ、勃ってきちゃうよね、女のこの
背中、頬っぺた、このくぼみ、影の具合なんか、どうよ? なっ? どうよ?
最高だと思わない? ほらほら、もう一回巻き戻すからね、今度こそよく
見てよ、いい? ほらほら、ゆうっくり、ゆうーっくり、口だけで、口だけ
だよ、うわっ! うわっ! あんなこと、あんなこと」
「いいねえー!」とナカオカタクミが涙を浮かべて笑った。
487:sage
06/03/07 23:58:09
垣根の向こうを隣のオフィスビルのOLたちが帰ってゆく。明るい健康的
な声が聞こえて来た。ありふれた常識の世界。この別館なる魔のスポットに
いるだけで、あの日常から遠く隔てられていくように感じられた。シライが
そんなことを考えているとナカオカタクミが開け放った窓から外に向かって、
叫んだ。おねえちゃん、セックスしようよおー! 裏ビデオのボリウムも
大きい。ほら、こうしてほしいの、してほしかったら言ってごらん、ちゃん
と言わないとしてあげないよ、ああ、だめえ、そこ、そこ、ああン、もう
入れて入れて……、そんな月並みなセリフ。遠くから子供たちがはしゃいで
いる甲高い声が聞こえた。春の夕暮れの日差し。シライは固く心に決めた。
ここには二度と近づくまい、と。
488:sage
06/03/07 23:59:21
だが、残念ながら、この時点ですでにすでにシライセイジは『別館』の
メンバーになっていたのだ。
その日の夜、タケナカとナカオカタクミ、そしてシライの三人は鍛冶屋町
を明け方まで飲み歩いていた。
489:革命的名無しさん
06/03/08 02:01:53
またワラビーの荒しかよ。。
490:革命的名無しさん
06/03/08 02:26:57
>>489
おまえ、反復による学習能力が犬以下だな。
491:革命的名無しさん
06/03/08 03:14:49
センキによるかかる荒しこそ真実の証!
今こそ須藤問題を明らかにしろ!日向よ
492:革命的名無しさん
06/03/08 05:34:42
>>477さん、愚息の親友です。
私、「共産党の単独政権、もうすぐだね、おかあさん」が口ぐせの反戦ネットワークのLPGの友人、HN、「まっぺん」の母、「かめ」でございます。
「たまさん」のお話では、LPGというお子さんは、愚息、「まっぺん」同様、子供の頃は、「おいら、頭の悪さと給食の早食いは誰にも負けない!」と自慢するとても自覚にあふれた素直な子供だったのに、いつの頃からか大阪の
「黒目」という方の影響を受け、ますますひどくなってしまったとか。この黒目という方は、「大阪の恥さらし!どアフォ!」といわれ、近所の子どもたちに、淀川に投げ込まれること、数えきれないそうです。毎日のように電話を
よこして、「まっぺんさんよ~、馬鹿はかぜをひかないというけど、あれ嘘だぜ、おれ、昨日、川に投げ込まれてかぜをひいてしまった、LPGはいつも「おいら馬鹿だから絶対にかぜひかない!」と自慢しているけど注意した方が
いいぞといっておいた、まっぺんさんも気をつけてな」と注意を促してくれたそうです。私が、「たまさん」に「お子さんの頭、いつ頃からおかしくなったの?」と聞くと、「あの時、泥酔したお父さんを受け入れたばっかりにこんなことに
なってしまって、それがくやしくて」といいながら、柱に何度も額を打ち付けて泣いていました。下のファイルの下段にあるメールでの嫌がらせ、LPGの犯行に間違いないと愚息が申しております。友人の母とて無関係ではありえません。
今までの大罪をお許し下さいませ。深くお詫びいたします。
URLリンク(www.geocities.co.jp)
493:革命的名無しさん
06/03/08 09:07:35
須藤には普通の暮らしは出来ないと思う。彼にとってブルジョア生活に戻るのは
敗北と一緒、それに辞めていった者を批判していた手前、どうする事も出来なかったんじゃない?
フリーライターが彼の「職業」だけどどっかの誰かさんみたいに女装までして仕事をすることも彼の
プライドが許せなかったんでしょう。
494:革命的名無しさん
06/03/08 16:23:34
女装をするのはプライドのないヤツだといいたいのか?
そういうお前の「プライド」に問題を感じるがな。
495:革命的名無しさん
06/03/08 17:11:12
オカマにだってプライドはある
ましてや
ブントにだって・・・
496:革命的名無しさん
06/03/08 18:10:17
いや、もはや粗にもブントメンバーにもプライドなどない
粗には、自己顕示欲と権力欲だけはあるが
メンバーにはそれすらない
497:革命的名無しさん
06/03/08 19:05:51
元々女装趣味のない人が仕事のために女装する。
元々女装趣味の人がカムアウトして仕事する。
大きく違うな。
498:革命的名無しさん
06/03/08 19:08:53
須藤って義やのこと?
499:革命的名無しさん
06/03/08 19:11:13
アメリカのテレビ・コメディ「Sex and the Ctiy」においては、女性のセックスや老いが赤裸々に語られている。
主人公の女性たちはロマンティック・ラブ・イデオロギーを内面化してはいるが、それが幻想で神話だとも理解し
ている存在として描かれている。これだけ大衆的なメディアにおいてこれだけ性や老いが語りうるものとなったと
いうことからしても、女性のステレオタイプの変化は否定しえないものとなっている
500:革命的名無しさん
06/03/08 19:12:41
80年代のフェミニズムの目標とした女性の権利の獲得は現在ある程度実現し、
ステレオタイプな性役割もかつてより強制力が弱まり、自分が生き方を選択す
るのだという意識が強まっている。女性の変化に対し反動的風圧も強いが、現
実が変わってきているからこそともいえる
501:革命的名無しさん
06/03/08 19:55:33
深笛は、粗の邸宅購入やポルシェ購入を革命詐欺師と批判しているが、
粗の罪状は、そんなものではない
まず邸宅は一件ではない。
現在の邸宅建設の前に、谷原の旧赤石印刷跡地にも
数千万円をかけて、邸宅を建設している
当初は、粗夫妻とイヌが二階を占有、一階は地区アジトとして
使用することになっていたが(もちろん家賃はただ)
「狭い」とごねだし、7000万円以上かけて一軒家の自宅を
組織に建設させた。名目は「退職金」。
7000万の退職金とは、たいしたものだ
さらに、粗はそれだけでは満足できず、別荘建設に着手。
それも手に入れてしまった。その資金も数千万。
名目上、それはブント農場とその管理棟となっているが、
粗が引退して管理人になるそうだ。
現在の自宅も占有、さらに管理人と偽ってブント農場に
別荘まで手に入れてしまったわけだ
粗および粗が社長の実践社は、
まんまと一億以上の資産を手に入れたというわけだ
新左翼の指導者で、ここまで組織資産の個人的簒奪という犯罪行為を
おこなった者がいただろうか。確かに傑出した指導者だ
502:革命的名無しさん
06/03/08 20:19:23
そんな孫子を敬愛し、人生の全てを捧げ
死へと追いつめられていった同志須藤は
哀れだったという以外ない
許せない
503:荒
06/03/08 20:21:52
コケ戦の末に自滅したヤツに用はない!
504:革命的名無しさん
06/03/08 21:01:18
>>503
荒さん、こんばんわっ
505:革命的名無しさん
06/03/08 22:02:50
>>498
須藤≠ギヤ
506:sage
06/03/08 22:09:27
鍛冶屋町という地名は実在しない。
もともと城下町の一部で江戸時代に鍛冶屋がいた町だが、現在は中央四丁目と
いう。中央一丁目は県庁や市役所、銀行や証券会社などのオフィス街で、二丁目
から三丁目は商店街だ。馬の背のような高台に町は在り、北側に川が、南側に大
きな湖が町を挟んでいる。そんな拡がりようのない町のはずれに四丁目はある。
ネオンでそのあたりの夜空だけぼんやり明るい。田舎の雑然とした夜の町。そこ
を中央四丁目と呼ぶ地元の人はいない。昔ながら「鍛冶屋町」と呼ぶ。戦後しば
らく『赤線』と呼ばれる公娼宿がひしめいていたエリアだ。新宿歌舞伎町の十分
の一にもならない小さな歓楽街だ。
鍛冶屋町は交番のあるおおきな国道の交差点から東側一帯にあった。その外れ
に、鍛冶屋町公園という小さな児童遊園地が在る。ブランコやシーソー、砂場ま
である。花の落ちた桜のみずみずしい葉がネオンを映して夜に輝いている。不思
議なことに鍛冶屋町のまん中にそんな児童公園がある。あたりの路地は違法駐車
で毎晩いっぱいになった。公園から国道までつづく一方通行の道がいちばん鍛冶
屋町でにぎやかな通りだ。
この通りを「梅の実通り」という。
507:sage
06/03/08 22:10:45
鍛冶屋町公園から梅の実通りに入るとけばけばしい電飾だらけの飲食店
ビルが林立していて、適当にクライスラーを停めると、シライと久慈とタ
クミの三人はトラップ・ビルの方に梅の実通りを歩きはじめた。
トラップ・ビルは鍛冶屋町でいちばん大きく目立つビルだ。屋上からレ
ーザー光線が夜空にやたらと放たれ、金色にライトアップされていた。ま
るでSF映画に出てくるタワーみたいだ。
トラップ・ビル前の路地には、いつも飲み屋の女の子たちがおおぜい立
っている。この界隈のどの店に行くのにもその路地を通らなくてはいけな
いからおのずと女の子たちもそこに集まる。挑発的な格好で次々と道行く
酔った男たちに声をかけている。どこ飲みに行くんですかあ、という決ま
り文句。俗に「ビラまき」という。
508:sage
06/03/08 22:11:50
ふだん女と縁がない男でもこの街に来れば女の方から声をかけてくれる。
しかもみんなレベルの高い女ばかり。普通では考えられない。そう久慈
夏雄ははじめてこの鍛冶屋町に足を踏みいれた時に思った。女にもてた
ことなどない彼は当惑したものだ。だがそれも何回かこの町に来るうち、
慣れた。それが彼女たちの仕事なのだ。仕事じゃなければ、ありえない。
わかりきっていることだ。
509:sage
06/03/08 22:13:02
シライは第一ビル9階の『ボルサリーノ』のチイママにつかまっていた。
ビラまきの女たちを相手にお喋りするのが好きなのは、四人の中でも、
シライとタケナカだけだった。久慈は二人の後ろで手持ちぶたさに無意味
な笑顔を浮かべているばかり。話題がない。タクミはお喋りが始まると
いつもいなくなる。シライとタケナカは女の子といつまでも喋っている。
そんなのナカオカタクミには耐えられないことだ。女なんかと喋って何が
楽しいのか。彼には決して理解できない。
510:sage
06/03/08 22:13:57
その日もシライがポルサリーノのチイママと楽しそうに喋りだしたから、
ナカオカタクミは勝手にその場を離れ、先回りした。
第一ビル入り口の階段に座って、ギターを掻き鳴らし、自作の歌を歌う。
彼はアコースティック・ギターを持ち歩く放浪の吟遊詩人だ。彼の前を行き
交う酔っぱらいども。まるで県立T病院で廊下を歩いていたイワシどもと
そっくりだ。侮蔑の目でナカオカタクミは行き交う男女を眺める。そして
歌う
511:sage
06/03/08 22:14:35
権力をくれ金をくれ
愛嬌振りまく可愛い悪魔たち
お店の中は真っ赤な春だよ
女に騙されるのがお好き
花束持ってけ
札束持ってけ
汚れちまった悲しみ万歳
ああ
無駄使いはいけません
512:sage
06/03/08 22:15:57
ヘレニズムの建築様式を安っぽく真似したビルの入り口には、色とりどり
の店舗の内装の写真が並んだ電光パネルが掲げられ、タクミの寝癖のついた
髪の上にJCBやVISAやマスターなどのカード会社のロゴが並んでいた。
タクミのオリジナル・ナンバーはどれも何かのパロディーみたいな歌ばかり
だ。真っ赤な顔でヤケクソにシャウトするタクミの姿を認めると、白井と久慈
は歩みを止めた。顔は引きつっていた。タクミも『ボルサリーノ』のチイママ
に手を引かれて来る白井と久慈を見つけた。当然、タケナカはまだ合流して
いない。風呂に入ってからすぐ行くから、と彼は言っていた。毎度のことだ
った。それよりもあの女、たしかアケミだったな
513:sage
06/03/08 22:17:58
「アケミ!」
ギターを持ったままナカオカタクミは駆け寄って、これから結婚しよう、
とアケミの尻を撫で回した。アケミは目鼻立ちのキリっとした美人でスー
パーモデルみたいに痩せている。尻の触り心地もおのずと骨っぽくて、
あまりよくない。しかもカラオケのやりすぎかうるさい中でいつも大きな
声で客に甘えているからか声はハスキーに枯れていて、こいつにツッコん
でもどんな声であえぐかだいたい想像もついてしまう。あおっあおっ、
なんてオットセイみたいに啼くんだろう。あまり興味の沸く女じゃないが、
とりあえず、女なら何でもいいやー。そんなナカオカタクミの無機質な触り
方に女が怒りはしないかと、少々だが、不安を覚えた。指も入れた方がよか
っただろうか?
アケミは本気の悲鳴をあげた。予想通り。
514:sage
06/03/08 22:19:14
ざけんなよ! ナカオカタクミ! あんた、いつも、誰にでも、そう言っ
てるじゃないの! こないだなんか、何のつもりよ、あたしとユキコにお寿司
を食べて同伴しようとかって誘っといてー、来なかったでしょ! あの寒い
なか、あたしたち、ずっとトラップビルの前で待たせといて! ナカオカ
タクミー! ほんっと、あんたは、最低だ! 鍛冶屋町でいちばん、最低男
だ! そう怒鳴りながら加減なくアケミはナカオカタクミのジャケットの襟
を掴んで、猛然と抗議した。
「ありがとう。そんなにまで俺のこと」とタクミがへらへらしながら嬉しそう
にキスしようとした。
515:sage
06/03/08 22:20:27
「何を聞いてんだ?」とアケミがナカオカタクミの頬を張った。
「まったくもうー。ちゃんとわかってるってー。俺を愛してるんだろ?」
「だれが!」
アケミと白井と久慈の声がみごとにハモッた。
ナカオカタクミはすでにかなり酔っていて、そのうえドラッグもキマっていた。
思考力もバツグン。すぐに新しい歌のフレーズが浮かんできた。ブルースだ。
男も女も口説きもんく
相手かまわず口説きもんく
もんくがあるなら口説きもんく
いつでもだれでも口説きもんく
いっそ一緒に死んでみようか
無差別テロみたいなもんだから
ここは鍛冶屋町
ああー 鍛冶屋町心中
516:sage
06/03/08 22:21:58
ナカオカタクミの歌を聞いていると、誰もが何となくバカバカしくなってしまう。
タクミ・マジックだ。みんなでガラス張りのエレベーターに乗った。エレベーター
の中でも廊下でも、ナカオカタクミはギターをジャカジャカ鳴らしながら歌い続け
ていた。四人で仲良くボルサリーノに入った。豪華なボックス席に座った。大理石
のフロアー。ミニスカートの女の子たちが十人ほどいる。店の中は明るくて、
にぎやかだった。
517:sage
06/03/08 22:23:27
朝方になっても雨は降らなかった。
シライセイジは内心、やばい、と思った。天気予報では雨のはずだった。
雨が降れば仕事ができないから朝まで飲もうと思っていたのだ。オヤジにどやされ
る。オヤジにだけは頭が上がらない。地下街の汚いトイレでタケナカにもらって
少しだけエスをキメた。タクミと久慈が見張りをしていた。合言葉は決めていない。
どうせ誰も来ない。
その夜、タケナカはボルサリーノの閉店の十分前にやっと姿を表した。彼が時間
にルーズなのは常識だが、さすがにアケミも呆れていた。風呂に入っていたと
タケナカは言い訳したが、どう考えても夜中の二時過ぎまで風呂に入ってる訳
がない。
518:sage
06/03/08 22:25:07
少し先に店を閉めて『ボルサリーノ』に来ていた系列店のサチが冷たい眼差しで
タケナカをカウンターから見やると、ため息をついた。ショートカットの可愛い女
だ。『キャン・ユー・セレブレーション』をカラオケで歌っていた。ホンモノより
うまいと酔っぱらった久慈夏雄が誉めちぎった。一曲歌い終わってサチはタケナカ
の隣に座った。
「あんたさ、前々からダラシナイけど、最近、特にデレスケになってない? いつも
いつも風呂ばっかり入ってー。あんまり風呂ばっかり入ってるとねー、頭の血管、
トロトロに溶けて、一本もなくなって、ツルツルになっちゃうからね!」
「髪の毛のこと、言わないでよー、サッちゃん」
「とうとう耳も腐った? 髪の毛じゃねえよー、脳ミソだよ、脳ミソ。頭の中の
お話」
519:sage
06/03/08 22:26:05
タケナカは、何事も気にしない。
「サッちゃん、フルーツ、食べさせてー」
タケナカは口髭に隠れた口を大きく開けて、甘えるように顔を突き出した。
「あんた、マジ、やばいよ! ナカオカタクミに似てきた」
サチが苦笑しながらフォークに刺したオレンジをタケナカの口許に運んだ。
520:sage
06/03/08 22:27:43
タケナカテツにとって、自分がしたいことが自分にとっていちばん価値のあること
だった。我慢することは最も苦手だ。自由とは自分に対して何の制約も作らないこと
だ。タケナカは絶対自由の思想をそう語る。だがそんな自由が何ももたらしてはくれ
ないことも、本当は分かっている。タケナカは三十分かけて水割りを一杯だけ飲んで、
誰も手をつけていなかったスナック菓子とフルーツをむさぼるように食べた。彼の
一時間分の飲み放題の料金もシライセイジに支払ってもらい、みんなと一緒に店を
出た。
521:sage
06/03/08 22:29:10
トイレの個室にシライを入れてタケナカは外に出る。ゴオーンと何か大きな機械
が唸りをあげる音が反響する地下通路。見張りをしているタクミと久慈に、タケナカ
はまるで言い訳をするみたいな言い方で言った。
貴重なネタなんだから、白井くんはお仕事なんだから特別ね。
誰にでも低姿勢がモットーのタケナカだが、特にシライにだけ過剰にサービスが
よくなる、と久慈もタクミも気づいてはいたが、タケナカのネタだからもんくは
言わない。シライは少しキメるとトイレから出て来て、もういい、と言った。
たいして効かねえ、炙りよりもポンプの方が即効性あるな。
522:sage
06/03/08 22:30:37
ついシライは口走った。そう言ってしまってからシライは、しまった、という
ような苦々しい顔をした。眠さと疲れで思考が鈍くなっている。だが、杞憂だっ
た。最近までドラッグを毛嫌いしていたはずのシライのそんな発言に誰も驚か
なかった。タケナカはまじめな顔で言った。ポンプはやめた方がいい、あれを
やったら人間やめるようだから。
変わんねえよ、とシライが無気力に反論した。
地上に四人が出ると鍛冶屋町にも人がいなくなっていた。空は明るくなって、
紫色の光が児童公園のブランコや立木をモノクロ映像のように浮かび上がらせた。
さわやかな風が生ゴミと吐瀉物の酸っぱい匂いを運ぶ。
523:sage
06/03/08 22:31:54
とりあえず別館に行こうよ、と久慈がシライを誘った。
いや、オヤジが起きる前に家に帰ってねえとヤベエんだ、と言い残してシライは
帰って行った。
別館でキメてから帰ればいいのに、と久慈はシライのジープが大通りの角を曲が
って見えなくなってからもまだ、心配していた。
梅の実通りの公園の奥に停めてあったタケナカのポンコツ・クラウンはひどく
甘ったるい匂いが充満していて、助手席に乗った途端に久慈は吐きそうになった。
窓をあけると夜明けの空気が心地よかった。
524:sage
06/03/08 22:34:27
ねえねえ、デニーズでモーニングを食べようよ、とタケナカが言った。
食いたくない、と久慈は助手席で言った。
「あのね」と困った分からず屋を諭すように眉毛をハの字にしてタケナカが言っ
た。「キミたち、本当にわかってないね。朝のファミレスは狙い目なんだって。
仕事帰りのおねえちゃんたちがたまにメシなんか食ってたりすんだぜ。あとは
食事やカラオケができるライトなホストクラブだよね。例えば、アモーレとか
さ。あるだろ? 知らないの? まあ、例えばね、そんなところに俺たちが
偶然入ってったりしたらどうなると思う? 予算的に言ってアモーレは無理だ
としても、ファミレスなら可能な選択でしょ? ファミレスのメシ代だけで
おねえちゃんたちと素敵な夜の続きを楽しめる訳だよ。そのうえキメたら
もう最高! ハッパだったらファミレスのメシでもすごくおいしくて感動の
嵐だよ。こんなにおトクなチャンスをキミは、食いたくない、そんな一言で
棒に振るの? そのへんだよ、そのへん。よく考えてよ。人生っやつは
考え方次第なワケ。前向きに行こうよ! ちょっと努力して楽しい時間を
すごせるのにわざわざチャンスを逃したりして、どうよ? 久慈くん、
どうよ? 食いたくないって? ね、本当にいいの? かわいいおねえ
ちゃんたちと飲む夜明けのカフェラッテ。この甘さを知らないまま人生
を終わって、いいの? そうやって自分で自分の楽しみを制限して人生、
おもしろい? どうよ? さあ、すべての同志諸君。考えようではないか。
ねえ、ねえ、ねえってばあー」
「すごいよ、キミは、革命的だ!」とナカオカタクミが笑った。
525:sage
06/03/08 22:35:44
「すごいよ、キミは、革命的だ!」とナカオカタクミが笑った。久慈も爆笑した。
それでその前にキメようよ。そう久慈が真顔に戻ってしめくくった。
「しょうがないねえー、キミたち。本当にペディグリーチャムのワンちゃんなん
だから。ネタまっしぐら!」とタケナカが口髭の下でニッと笑った。
ナカオカタクミと久慈夏雄は断続的に、気が触れたみたいに、抱腹絶倒し続けた
526:sage
06/03/08 22:37:14
三人が「別館」に到着すると夜もすっかり明け、新鮮な太陽の光がブルーシート
で包まれたオバケ屋敷を洗いあげていた。ドラッグをキメたがっていたはずの
ナカオカタクミは車から降り、さっさと本館の自分の部屋にあがっていった。
おい、寝ちゃうのか、とタケナカが呼びかけても彼は返事すらしなかった。
久慈もかなり身体がまいっているのを感じた。仕事をサボることだけは
できない。転職を二〇回以上繰り返してきた彼にとって、今度の新しい職場
は気に入っていたから辞めたくは、なかった。エスでアップにキメるしかない。
今度、ネタの御礼にピンサロでよければ、オゴるよ、と久慈がタケナカに
言うと、タケナカはサングラスから飛び出しそうに眉毛を跳ね上がらせて喜んだ。
527:sage
06/03/08 22:40:31
久慈は自分を知りつつあった。彼は楽しいことが大好きなのだ。我慢して生きる
のは辛すぎるのだ。組織をやめたからって、どうなるっていうのか? 誰が困る?
新左翼運動は滅んでしまうだろうか? 滅んでも滅ばなくてもそれは誰のせいでも
ないはずだ。日本の未来に何か影響があるだろうか? 憲法改悪され、徴兵が始ま
って、天皇制のもとに死ねとか国民も再教育されて、アジア再侵略戦争がはじまって、
成田空港からも爆撃機が飛んで……。きっとそんなふうに変わったりしないだろう。
惰眠をむさぼる国民。税金に寄生した政治家と官僚。資本家。私腹を肥やすヤツら
とじわじわ貧困になっていく人々。虚飾と飽食。その裏返しの、貧困と戦争。地球
の半分は相変わらず飢え続け、地球は生態系もろとも徐々に死んでいくのだ。暴力
は常に弱者に集中砲火。みんな平和だとか思っていて……。久慈夏雄はエスをキメ
て、エッチビデオを見ながら、考えを巡らせた。タケナカが裸電球の頭をていねい
に穴を開けてキメるためのグッズを工作していた。久慈夏雄は考えた。こいつ、
このけったいな器具を、いったい何個、作るつもりだ? トイレが臭い。バキューム
カーを呼んで汲み取ってもらうべきだが、それってどうやって、誰に、頼めばいいのか、
彼も含めて別館の誰も知らない。とにかく世界は知らないことばかりだ。そんなこと、
もう、どうでもいい。知ったからって何かが変わる訳でもないのだ。新左翼運動も
組織も、この社会も、何も変わらない。オレ自身も変わらない
528:革命的名無しさん
06/03/08 23:31:55
またか、ワラビー。。。
529:革命的名無しさん
06/03/09 00:24:04
ニセ戦旗粉砕!
530:革命的名無しさん
06/03/09 00:31:13
出来もしないブント再建よりも潰れたケーキ屋の再建でもやってろ。
531:革命的名無しさん
06/03/09 00:59:39
むなしくならないか、三浦さん。カツヤ。
532:岩崎巌
06/03/09 04:21:23
ここではGPの総括を書きたいと思います。
私が初めてGPに関わるようになったのは、直後にコケてしまった、当時地区キ
ャップだった馳さんに命令をもらったときでした。
正直、すごくうれしかったです。
私の任務は、クルマをパクる訓練に参加することでした。具体的には「カボチ
ャ」と呼ばれるカギを自前で作ってしまうことでした。(このアイデアは後に
ラジオライフでも紹介されることとなりました。...)
通称ヒマワリと呼ばれていた非公然部隊は、武田さんがリーダーとなって大島
さん、のっぴーが中心になって動いていました。
533:革命的名無しさん
06/03/09 05:27:34
岩崎よ。
具体的な名前は書くな!
それから非公然については具体的に書くな!
それに隊長の武田さんはとっくの昔に組織を離脱している。お前だけの問題じゃ済まされないんだぞ。
534:革命的名無しさん
06/03/09 05:33:55
岩崎よ。
出来ることならば非公然の事柄については墓場まで持って行け。
何度も告げるが、お前だけが弾圧されれば済まされる問題ではない。
それから『ラジオライフ』等に技術情報を売るな。
535:革命的名無しさん
06/03/09 05:37:12
>>477さん、愚息の親友です。
ひな祭り数日前までは「まっぺんさ~ん、げんき~」といって毎日電話があったのに最近、ぱったり音信普通。昨日、「たまさん」から電話があり、浅草橋の問屋街でひな人形が大量に盗まれた件で警察のお世話になっているとか。
愚息、まっぺんは「精神喪失者に刑事責任問えるわけ、ないじゃん」と早くも無罪獲得に自信満々です。私、「共産党の単独政権、もうすぐだね、おかあさん」が口ぐせの反戦ネットワークのLPGの友人、HN、「まっぺん」の母、
「かめ」でございます。「たまさん」のお話では、LPGというお子さんは、愚息、「まっぺん」同様、子供の頃は、「おいら、頭の悪さと給食の早食いは誰にも負けない!」と自慢するとても自覚にあふれた素直な子供だったのに、
いつの頃からか大阪の「黒目」という方の影響を受け、ますますひどくなってしまったとか。この黒目という方は、「大阪の恥さらし!どアフォ!」といわれ、近所の子どもたちに、淀川に投げ込まれること、数えきれないそうです。
毎日のように電話をよこして、「まっぺんさんよ~、馬鹿はかぜをひかないというけど、あれ嘘だぜ、おれ、昨日、川に投げ込まれてかぜをひいてしまった、LPGはいつも「おいら馬鹿だから絶対にかぜひかない!」と自慢しているけど
注意した方がいいぞといっておいた、まっぺんさんも気をつけてな」と注意を促してくれたそうです。私が、「たまさん」に「お子さんの頭、いつ頃からおかしくなったの?」と聞くと、「あの時、泥酔したお父さんを受け入れたばっかりに
こんなことになってしまって、それがくやしくて」といいながら、柱に何度も額を打ち付けて泣いていました。下のファイルの下段にあるメールでの嫌がらせ、LPGの犯行に間違いないと愚息が申しております。友人の母とて無関係では
ありえません。今までの大罪をお許し下さいませ。深くお詫びいたします。
URLリンク(www.geocities.co.jp)
536:革命的名無しさん
06/03/09 09:50:41
こんな奴に訓練してた組織も組織だがな。
調子に乗るなよ。
自分の板で音楽の話でもしてろ。
自己顕示欲の塊のような糞だな。
537:岩崎巌
06/03/09 11:17:07
536
オマエは警視庁公安部2課の○○だな。
538:岩崎巌
06/03/09 11:24:16
なあ○○、本名を公開してやろうか。
539:
06/03/09 12:01:25
>>538
やめとけ。
540:革命的名無しさん
06/03/09 12:02:43
↑レス番号を言わないと具体的に誰に告げているのか解らない。
541:革命的名無しさん
06/03/09 12:43:10
それからどうした?
542:革命的名無しさん
06/03/09 13:25:28
岩崎、粗からもらった50万は何に使った?
労働者のカンパを搾取した気分はどうだ?
裁判は起こしたのか?
粗の別荘の件は知っているか
543:革命的名無しさん
06/03/09 14:49:54
岩崎巌はどういう感覚してんだろうな?
完全に錯乱してるか麻痺してるとしか思えん。
現在の荒や側近どもによる体たらく振りと腐敗を暴露する分には一向に構わないが、そうしたGPやフォースアップ等の事柄について言及すれば、自分以外の辞めたメンバーにも波及し迷惑が掛るということも少しは考察してみろ。
544:革命的名無しさん
06/03/09 15:06:32
GP、フォースアップって何だ?
545:革命的名無しさん
06/03/09 15:13:20
↑洪庵乙
知らない椰子は知らなくて良い。
つーか、『大逆のゲリラ』にも出て来るだろ。
546:革命的名無しさん
06/03/09 15:46:09
反戦ネットワーク所属、LPG様。
落書きをすることだけを目的としたスレの乱立及び以下のような行為はおやめ下さい。このAAを数分間隔で60回以上も書き込んだあげく、「粉々に粉砕してやった」などと「自慢する」LPG様。とても「正常な方」とは思えません。
これ→スレリンク(kyousan板)l50
これ→スレリンク(kyousan板)l50
あなた様の、「精神異常者だから何でも許される」という考え方は、精神異常者であるご自分に対する甘えであり、「精神異常者」の「悪用」であると私たちは考えます。話は違いますが、LPG様の「おいら、ワールドピースナウの
実行委員を卒業して、今は九条の会の事務局員やってんだ~」という自慢話。やはり嘘だったそうですね。それと、「おいら、ブントにほめられちゃった~」といってみんなに自慢している下のファイル、あなたのことなんて
一言も書いていませんよ。
↓
URLリンク(www.bund.org)
「LPG様の強制入院に反対し、温かく見守る市民の会」及び参加賛同人一同
547:sage
06/03/09 16:35:05
トイレが臭い。バキュームカーを呼んで汲み取ってもらうべきだが、
それってどうやって、誰に、頼めばいいのか、彼も含めて別館の誰も
知らない。とにかく世界は知らないことばかりだ。そんなこと、もう、
どうでもいい。知ったからって何かが変わる訳でもないのだ。新左翼
運動も組織も、この社会も、何も変わらない。オレ自身も変わらない。
知っても知らなくても闘っても闘わなくても何も、変わらない。どうせ
変わらない。変わらない。何も……あっ、マイナス思考が暴走しはじめ
ている。そう久慈夏雄は気づいたが自分で考えるのを止めることができ
ない。どんどん深く深く思考のドリルはひとりでに堀り進み、なぜか
腹がくだってきた。トイレに駆け込んだ。何日も下痢が続いて何も食べ
ないから出るものなど何もないはずなのに、からっぽの体の中で排泄欲
だけが暴れた。性欲に転換される快楽的排泄欲。女どもにはわかるまい
と久慈夏雄は遠ざかる意識の中で便器に座ったまま考えていた。いや、
わかるかな? わからない、何もわからないよー。残尿感がとれず
下腹部がいつまでもうずうずとしていた。ペニスが冷たくなって萎れて
いるのになぜかオナニーをしたくなるような衝動だけが衰えない。
このままこうしてトイレの中で、下半身をむき出しのまま惨めに
涎を垂らして、明け方に、死ねたら、恍惚と、気持ち、いいか、
なあー……とか……。
548:sage
06/03/09 16:36:43
いつまで入ってるの?
タケナカに呼ばれて久慈夏雄は我に返り、トイレを出た。そして彼はすぐ
にまたキメはじめた。
ちょっとちょっと、キミ、キメ過ぎ。
タケナカがサングラスの上の眉毛を真ん中に寄せて久慈の顔を静かに見つ
めた。
手足が痺れるようにだるい。血がなくなっている。何もいいことがない
のに幸せになれる代償だ。幸せになりたい。貧乏に耐え、不自由に耐え、
痛みと恨みと苦しみに耐え、それでも、革命の勝利というパラダイスなんて
来なかった。そもそも、はじめっから、革命が成功すれば幸せになれるなんて
信じてたんだろうか? 本当はそんなこと、どうでもよかったんじゃないだろ
うか。ただ、楽しかった。闘っている自分が好きで、仲間たちが好きだった。
充実した命がけの毎日にラリっていた。それだけだった。そんなふうに好き
で好きでたまらなかった全てを好きになれなくなっただけなのだ。
549:sage
06/03/09 16:38:45
90年代になったからだ。
ベルリンの壁が壊され、レーニン像が引き倒され、中国人民解放軍が
民主化を求める中国人民をタンクで蹂躪した。ニュースは歴史となる。
負の時代だった。そんな時代に共産主義者として立ち合ってしまったのだ。
世界をどう受け入れれば自分は世界に受け入れてもらえるのかわからなくて
同じ問いばかり頭の中で繰り返し、久慈夏雄の内部で何かが弾けた。高鳴る
心臓。毛細血管が蛙を呑み込んだ蛇のように膨らみスポンジのような脳ミソ
は黒煙をあげた。否定的現実はスターリン主義の破産の問題でマルクス・
レーニン主義はつねに正しいと思い込もうとしたのに……。共産主義理論を
教えてくれた同じ組織からマルクス・レーニン主義は誤りだったなんて言われ
たりしなくてはならないのか? それなら何を標準として何からの距離に
よって価値の座標をはかればいいのか? 教えてくれ、と久慈は叫び出し
ていた。
550:sage
06/03/09 16:41:25
ずっと思考された言葉は音声となって口から零れ続けていた。いったいここ
はどこなんだ? どこから来てどこへ向かってるんだ? かつて誰もが自信
ありげに語っていたじゃないか。
ずっと思考された言葉は音声となって口から零れ続けていた。
いったいここはどこなんだ? どこから来てどこへ向かってるんだ?
551:sage
06/03/09 16:43:16
「もう働く人、いるんだね……」とタケナカが低く呟いた。「久慈さん、もう
いいんじゃない? 辞めたら? 活動とか。全部スッキリ。出来ないことに
しがみついてても、いいことなんてない。キミだって本当はわかってんだろ?」
タケナカは電球の穴にやすりをかけながら信仰告白のように言った。
そして彼はカツ丼の話をはじめた。
「カツ丼?」と久慈がすっとんきょうな声で、その意味不明な言葉を聞き
返した。
552:sage
06/03/09 16:44:37
「そう。カツ丼なの」とタケナカが黒いサングラス越しに久慈をまっすぐ、
見た。「救援ノートとかってマニュアル本、昔、あったじゃん?」
「今でもあるよ。どっかに……」
「いやいや。別にあったってなくったっていいんだけどね……」とタケナカ
は力なく笑った。「あの本に警察の取り調べの実際のパターンとか出ててさ、
こんなふうに獄中で権力に言われた時どうするかとか、どう対応するかとか、
赤軍派か連合赤軍か東アジア反日武装戦線か、忘れたけど、とにかくそういう
連中の誰かがパクられて実際に取り調べを受けている実例かなんかで支部の
メンバー全員で順番に読み合わせて、ひとつひとつの場面で、こんな時にどう
すればいいかって『演習問題』を出して、一人ずつ『討論』やってさ。なんか
キリストの踏み絵みたいじゃん? たとえばさー、長時間の取り調べに疲れた
キミに、あったかいカツ丼を持ってきてくれたとするね。そのカツ丼って権力
の差し入れなんだよ。さあ、キミならどうする?」
553:sage
06/03/09 16:46:49
「そんなこと、あった?」と久慈は思わず吹き出した。
笑ったら心が軽くなって、救われた。
「あったの!」タケナカの方は、むきになった。「答えてよ。久慈さん、
キミだったら、どうするよ?」
「活動家だったら食わない。で、完黙、非転向」
「そっ。正解だ」とタケナカは棒状のヤスリで久慈の鼻先を突くように
した。「模範回答でした。革命家だったら、党員だったら、マルクス・
レーニンを正しいと認めるなら……、そういう前提があれば、必ず模範
回答がセットになってるんだよね。どんな行動もあらかじめ答えが決ま
ってる。俺だってバカじゃないんだから、あの頃だって、ちゃんと
わかってたんだよ。だから、わざと、カツ丼でもラーメンでも、腹減ってたら
食うぜーって言ってみたワケだよ。食うだけ食ってからまた完黙すりゃ
いいじゃーん、って。デザートも頼んじゃダメ?ってね」
「しゃれ、しゃれ、ってオチなんだろ?」
「まあ、そんなとこかな」とタケナカも笑った。
554:sage
06/03/09 16:48:02
「でもそん時、誰も笑わなかった。ため息なんかついたり。でも、そんなの
ってその場になんなきゃわかんねえだろ? 誰だってはじめから仲間や党を
裏切ろうとかって思って闘ったりしねえよ。だろ? それにカツ丼なんか
出されたって腹が減ってなきゃ食わねえよ。動物のハシクレなんだから。
あたりまえのことなんだけど。組織の中にいたらわかんなくなっちゃう。
大マジメにみんなで俺を批判してさー、権力に屈伏することだとか権力の
ワナだとか、食ったら完黙も貫けなくなるんだとか、しまいには感情的に
なっちゃってさ、俺の食い意地がはってるからだとかさ……」
「何となく想像できるね」
「キミ、いたよ、そこに」
「じゃあー、俺なんか、いちばん興奮して、キミのこと、批判してたんじゃ
ないか?」
555:荒
06/03/09 17:00:47
須藤は我が歴史から抹消しよう
556:革命的名無しさん
06/03/09 17:09:10
往年の大ブントを復活させよう。
今こそニセ戦旗を粉砕する時がきた。
日向一派の分裂は近い。
557:革命的名無しさん
06/03/09 17:12:29
大反響のいたずら姫が今夜もエンタの舞台に
現れるー!
558:革命的名無しさん
06/03/09 17:13:09
突然現れた超個性派芸人が今夜エンタに
初登場する
559:革命的名無しさん
06/03/09 17:13:27
日向一派の没落の始まり。
560:革命的名無しさん
06/03/09 17:14:18
エロ親父の挨拶は「えいえいおっぱ~い」で定着。
本人いわく、「赤ちゃんである自分の息子のために言っている」とのこと。
たしかに赤ちゃんはおっぱいが好きですが、別に「えいえい」って勢いつけなくてもいいでしょ。けど好き
561:革命的名無しさん
06/03/09 17:15:15
無駄な荒らし。
日向の陰謀。
562:革命的名無しさん
06/03/09 17:15:37
今ではすっかりエンタの顔ですが、
初登場時は「面白いことを言うプロレスラー」だと思われていたそうです。
そんな摩邪が最近一番傷つく質問は、「その髪型は悲しくないですか?」。
きっと、悲しいんでしょうね
563:sage
06/03/09 17:17:59
「じゃあー、俺なんか、いちばん興奮して、キミのこと、批判してたんじゃ
ないか?」
「いやいや。それは覚えてないけどね……。あっ、タクミなら覚えている
かもしれないよ。あいつ、すげえんだ。何年の何月何日に誰が何て言った
とか、そんな細かいこと、本当によく覚えてんだ」
久慈が、ごめんね、と改まって謝ってみせるとタケナカが、よしてくれ、
と棒ヤスリをメトロノームのように顔の前で振った。
「俺さあ、キミたちの組織を辞めた後、新興宗教にも入ったんだよね。
いくつかの教団を渡り歩いて、仏教系と神道系だけで、キリスト教系と
イスラム系はないんだけど、まあ、どこも同じだった。新左翼セクトと
そっくりなんだ。組織ってやつは何でも内側から眺めれば大差ないんだ
よね。新左翼セクトと新興宗教に限ったことでもないんだろうけどね。
たとえば、普通の会社とか家族とかどんな集団でもみんな同じだと思うよ。
ヒエラルキーとか、公私混同とか、権力と性欲と金って必ず繋がってるから
ね。今は、ブームってのかねえ、オウム真理教ばかり目のかたきにして
カルトだカルトだってどいつもこいつもわかったようなこと言ってるけどね、
そもそも今の日本が本当はでっかいカルトなんだって思う。俺は」
久慈はヒューっと口笛を吹いた。
「タケナカ、キミが教祖になれよ!」
564:革命的名無しさん
06/03/09 17:18:09
カッコ悪い男を演じさせたらピカイチの竹森さん。
本人は、かっこいい演技も出来る!と豪語していましたが、それは別にいいです。
相方の阿部さんは、今度52時間ぶっ通しライブをやってギネスに挑戦するそうですが、
そんなひとりウッドストックをやろうとする根性、気力は確かにギネス
565:革命的名無しさん
06/03/09 17:18:24
日向一派は人民から遊離した存在となりはてた。
打倒すべきプチブル。
566:革命的名無しさん
06/03/09 17:18:45
吉本一のイケメンに選ばれた井上さんを擁する次長課長の登場
567:sage
06/03/09 17:19:06
タケナカは、こんなふうに真剣に、照れたりしないで、喋って、誰かに
聞いてもらったりしていることそのものに、懐かしさを感じていた。それ
はまるで初恋の相手に再会したような切ない懐かしさだった。そして挫折感
をくすぶらせた。タケナカには、ずっと、居場所というものがなかった。
568:革命的名無しさん
06/03/09 17:19:35
近いうちにスケバン恐子ではない素のやっくんを他の番組で見ることになるでしょう。
今、デーモン小暮閣下、サスケ議員と並んで、素顔を拝みたい3人に選ばれています。
小梅は次点
569:革命的名無しさん
06/03/09 17:21:10
日向よ、いずれ人民の怒りが怒濤のように押し寄せるだろう。
570:sage
06/03/09 17:21:36
三十にもなったというのに定職もなく、結婚もせず、親にパラサイトし、
借金を増やし続け、ドラック・マニアとなった彼にとり家もやはり居場所
とはいえず、単に他に居る場所がないから居る場所であった。すると
新左翼セクトも新興宗教教団も居場所を探し求める営みだったのかも
しれない。だが、全部、中途半端で終わっていた。ついに彼の居場所は
自らの内なるラリった精神と夜の繁華街だけになった。タケナカテツが
十代だった頃、マルクス・レーニン主義もまた神だったのだ。神を意識
すればするほど人は無力になるものだ。そこを妥協していれば彼にも
居場所が与えられたかもしれないが、厭なものは厭だった。ドラックと
出会い、神と連絡をつけるためのツールを得た。宗教はアヘンだと新左翼
で教えられたが、愛なんてもっと純度の高い覚醒剤みたいなアップ系
ドラックだ。同じだ。
571:革命的名無しさん
06/03/09 17:22:49
そんなおふたりには、マイケルジャクソンの名曲「Black or White」を捧げます。
白くて細い菊地さんに比べ、黒い山田さんは最近太り気味。
特にお腹周りの肉が多く、靴下を履くのが一苦労のようです。
いざ、石田純一への道
572:sage
06/03/09 17:23:07
タケナカは出来たばかりの電球を久慈に差し出し、あげる、と言った。
久慈はどうやって使うの? とタケナカに訊ねた。タケナカは実演して
みせた。耳掻き一杯分のエスの結晶を割れた穴から電球の中に入れる。
そして電球のガラスの外側からライターで炙る。パチパチと微かな音が
弾け結晶は揮発し、半透明な液体になった。避暑地の霧のように充満する
白い煙。
白樺林の霧の中で赤い服を来た高岡真琴が久慈を手招きした。
彼女が微笑んでいる。
久慈夏雄はそんな残像を呑み込むように、滞留する白い霧をストローで
一気に吸い取った。
573:革命的名無しさん
06/03/09 17:23:18
日向の環境革命は詭弁に過ぎない。
574:革命的名無しさん
06/03/09 17:23:28
今夜は珍しくセリフが多かった鈴木さん。
最近になってようやく小学校4年生の漢字が読めるようになったそうです。
ということは、未だに自分の名前である「拓」は読めないんですね。
そんな鈴木さんのDNAをモロに受け継いでいるご子息は、
父である鈴木さんのことを「ワンワン」と呼ぶそうです。
ちなみにお母さんは「ママ」で、ペットの犬は「ワンワン」。
つまり鈴木家は、母・子・犬・犬の4人家族です
575:sage
06/03/09 17:24:18
「ナッちゃん、甘いミルクティー、飲みたいなあ」
とタケナカが甘えるように言った。
「飲みたいね」
「プリンも食べたい」
「食べたくない」
「なんで?」
「食べたくないから」
「食べたくないの一言でね、きみね……」
久慈夏雄は笑い出して、いいから買いに行こうぜ、とタケナカを誘った。
えー? 買ってきてくれるんじゃないのー?
576:革命的名無しさん
06/03/09 17:24:22
「佐賀県」のヒットで知られるはなわさんですが、実は埼玉県出身なのは有名なお話。
イメージからくる先入観で勝手に思い込んでいるのはこっちなんですけど
577:革命的名無しさん
06/03/09 17:25:03
『島唄』で知られるTHE BOOMのボーカル宮沢和史さんは沖縄県出身ではありません。実は山梨県出身
578:革命的名無しさん
06/03/09 17:25:33
マイケルも黒人です
579:sage
06/03/09 17:25:53
毎日、夕方になると、タケナカとシライと久慈は「別館」に集合した。
ナカオカタクミは彼らをひとりひとり「お帰りなさい」と言って迎えた。
そして、朝になると、解散した。
ナカオカタクミの予言したとおりになった。
だがその共同生活は非合法の反体制活動家たちのアジト生活という感じ
とはほど遠かった。……っていうか不良高校生のたまり場みたいよ、と
日曜日、別館に遊びに来たサチが笑って言った。
すっぴんでヘインズのTシャツにカラージーンズというラフな格好の
サチは、可愛いかった。
「それに、みんな三十代で、独身で、男で、頭悪くて。チョーあやしい
よおー! あと、このブルーシートってさあ、何なのよ? どういう意味が
あるの?」
「日除けだよ」と久慈夏雄が憮然と言った。
「紫外線はお肌に悪いもんでね」と色黒のタケナカが言った。
「ばかみたい」とサチが言った。