05/12/30 21:21:37
縦並び社会・格差の現場から:派遣労働の闇
午前8時30分、寒風吹きすさぶ東京湾。
記者(34)は倉庫群の一角で作業を始めた。前日、履歴書の不要な
大手派遣会社に登録した。派遣労働の実態を見るため、あえて新聞
記者とは名乗らなかった。「軽作業」を申し込んだが、斡旋されたのは
コンテナの荷降ろし。現場の20、30代の男性約20人は複数の派遣
会社からの寄せ集めだ。
コメの粉末が入った25キロのナイロン袋が肩に食い込む。おかきの
原料らしい。2人ひと組で600袋、さらに30キロの台湾産生米を600袋。
正午から1時間の休憩は誰もが昼食もそこそこに長いすで寝る。
午後5時30分終了。握力はない。給料の受け取りに必要な「作業確認票」
に記入してもらうと、派遣元の社名の部分を切り離すよう指示される。「別の
派遣会社からの派遣だから」。別会社との契約だと初めて知る。同僚に
耳打ちされた。「ピンはねされてるよ」
日当6700円。翌日、同じ現場に派遣された。次の日も--。
(中略)
申告書によると、実際は工場側の指示を受けて働く派遣労働なのに、
派遣法の規制を受けない「業務請負」の形になっている。いわゆる「偽装
請負」だ。労働者の安全管理責任があいまいで、派遣先には雇用調整
がしやすい都合のよさがある。
(中略)
派遣労働の実態は闇に包まれている。クリスタルばかりではない。
厚生労働省によると、04年度に都道府県の各労働局が労働者派遣法
違反などで指導した事業所は、訪問先の51パーセントにあたる2337
カ所。前年度の25パーセントから倍増したものの、「氷山の一角」と
みられる。
企業の収益を支える派遣・請負労働者は増加の一途をたどり、300
万人を超えるといわれる。厚労省が27日、初めて公表した有効求人数
に占める非正社員の比率は56・7%で、正社員を大幅に上回った。
(以下略、全文はソース元でご確認ください)
ソース(毎日新聞) URLリンク(www.mainichi-msn.co.jp)