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/// 工業モノカルチャー社会 52 /////////
日本国内の、それもそれぞれの専門家集団のなかでしか知られない世話役的人脈
ほど普遍性のないものはない。それがきわめて重要だという日本社会の評価基準は、
完全に国際性を欠いている。日本人の海外旅行が一般化し、海外駐在が増えた今日でも、
この点ばかりは改まる気配がない。むしろ若年層ほど人脈的思考が強まっている。
日本文化が他の国々のそれに比べて特別の伝統と微妙さを持っていることも、
日本語が翻訳し難いニュアンスを含んでいることも事実だが、日本の文化的孤立性は
そうした「過去」にばかり起因するわけではない。現在ただいまの日本と日本人の持つ
強い内志向的発想と仲間内評価の重視もまた、日本をして「顔のない経済大国」に
している大きな - おそらくは最大の - 要因であろう。
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