17/06/20 21:10:54.19 CAP_USER.net
日本で一大ブームを巻き起こした「韓流ドラマ」が地上波の主要チャンネルから姿を消して久しい。しかし、ＢＳ放送では相変わらず主力コンテンツの一つで視聴者のニーズは健在だ。
折しも韓国では、反日色が強いとされる新政権が誕生。日韓交流の冷え込みが懸念されるなかでの、韓流ドラマの行方を探る。（玉崎栄次）
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◆外交でブーム収束
今月７日、東京・四谷にある韓国大使館の文化施設で韓流ドラマの試写会が開かれた。定員３００人の枠に約５００人から応募があり、ホールはシニア世代の女性を中心に満席だった。
「『冬のソナタ』のヒット以降、ロマンスやラブコメ、時代劇など紹介されるドラマのジャンルも広がり、韓国発のコンテンツは日本に定着した感がある」
試写会を主催したのは、テレビ番組などを国内外へ発信する役割を担う韓国の政府機関、韓国コンテンツ振興院。日本支部に当たる日本ビジネスセンターの李京垠（イ・キョンウン）センター長はこう話す。
韓流ブームは平成１４年、サッカーＷ杯の日韓共催に伴う文化交流を背景に沸騰。１６年には、ＮＨＫが地上波で「冬のソナタ」を放送し、最終回の平均視聴率は２０・６％（関東地区）を記録。主演の俳優、ペ・ヨンジュンを「ヨンさま」と慕う社会現象も起こった。
キー局もこぞって韓流ドラマ枠を設けたが、２４年に李明博（イ・ミョンバク）大統領（当時）の竹島（島根県隠岐の島町）上陸などで反韓感情が高まりブームは収束。
ドラマを中心とする韓国のテレビ番組対日輸出額は放送権売買の絡みで時差があるが、２年後の２６年に激減している。現在、キー局で地上波の枠を残すのはテレビ東京だけだ。
◆地上波ではリスク
「かつてのように視聴率を取れない上、反感を抱く視聴者も少なくない。今やより多くの人が見る地上波で扱うにはリスクが高い」
あるテレビ関係者は、韓流ドラマの地上波での位置付けをこう解説する。
舞台はＢＳへと移った。「ＢＳイレブン」では平日と週末に計９枠、「ＢＳ１２ トゥエルビ」でも計５枠を編成している。
キー局系でも、ＢＳフジが平日の朝夕に２枠を設けるなど、主力コンテンツの一つとして扱われている。ＮＨＫのＢＳプレミアムでは、韓国の人気歴史ドラマ「オクニョ 運命の女（ひと）」が放送中だ。視聴率は非公表だが、「低くない」（広報局）という。
「韓流ドラマは、ＢＳで中心となる５０代以上の視聴者の嗜好（しこう）に合致している」とＢＳイレブン編成部の児池調（みつぎ）課長。
復讐（ふくしゅう）、愛憎、出生の秘密…。韓流ドラマには「お約束」の設定が多いことが特徴で、展開が予想しやすいが、一方で視聴者に安心感を与えもする。
さらに韓流ドラマ放送時に通信販売のＣＭを流すと反響が大きく、通販会社の広告の需要も高いという。
そのため、「過去に国内で放送され実績のあるドラマは、ＢＳ各社による放送権の争奪戦が起こっている」（別のＢＳ関係者）。
◆増える良質な作品
外交問題は過去のブームに水を差し、先行きにも影を落としている。
５月に就任した文在寅（ムン・ジェイン）大統領は反日色が強いとされ、朴槿恵（パク・クネ）前政権で慰安婦問題をめぐり「最終的かつ不可逆的な解決」をうたった日韓合意についての去就が注目される。反日の風潮が強まれば、ファン離れを誘発する可能性がある。
韓流に詳しいライターの児玉愛子さんは「今まで応援してきたのに、『それほどまでに日本を嫌うならもういい』と嫌気を覚えているファンも一定数いるだろう」と分析する。
一方、政治的な影響の薄さを指摘する声もある。
韓国大衆文化ジャーナリストの古家正亨（ふるや・まさゆき）さんは「近年は若者向けに、人気の韓流アイドルを起用したドラマでファンの裾野が広がっている。良質なコンテンツも増えているので、視聴者の多くは政治と趣味を分けて考えるのではないだろうか」と話している。
URLﾘﾝｸ(www.sankei.com)
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