17/05/05 11:35:00.29 CAP_USER.net
日本で10年ぶりに開かれるADB=アジア開発銀行の年次総会にあわせて、5日に横浜市で、日本と中国、韓国、ASEAN=東南アジア諸国連合の財務相や中央銀行総裁による会議が開かれ、アジアの金融市場の安定に向けた協力の強化などについて話し合います。
アジア開発銀行は、アジア地域の経済発展を支援するため、昭和41年に設立された国際金融機関で、日本では10年ぶりとなる年次総会が6日から横浜市で開かれます。
総会に合わせて4日から関連の行事が始まっていて、5日は日本と中国、韓国、それにASEAN10か国の財務相や中央銀行総裁が集まって、アジアの金融市場の安定について意見を交わします。
ことしはアジア各国の通貨が急落し、世界経済を大きく揺るがした「アジア通貨危機」から20年となりますが、アメリカで政策金利が引き上げられる中、アジアの新興国から資金が流出して、再び金融市場が動揺するのではないかという懸念も出ています。
このため今回の会議では、ASEAN各国の通貨が急落する緊急時には、決済に必要な資金などが足りなくならないよう、日本などがドルや円を融通して、市場の安定を図る協力の枠組みの強化を話し合うことにしています。
ADB 日本が運営を主導
ADB=アジア開発銀行は、アジアのインフラ投資や貧困削減などを目的に1966年に設立されました。現在は日本をはじめ、67の国と地域が加盟しています。
歴代の総裁は、初代から9代目の今の中尾総裁まで日本人が務め、日本が運営を主導しています。銀行への国別の出資額は、日本とアメリカが223億ドル、次いで中国が92億ドルなどとなっていて、出資された資金をテコに債券を発行するなどして、開発資金を集めています。
銀行はこれまで半世紀にわたって、開発資金を必要とするアジアの各国に対し、インフラ開発をはじめ、感染症予防のための病院建設や上下水道の整備、さらには貧困削減や教育支援など、幅広い分野に資金を供給してきました。
アジア開発銀行は、ことし2月にアジアのインフラ需要は年間1兆7000億ドル(190兆円)に上るという試算を発表しました。
アジア開発銀行の去年1年間の投資や融資の総額は175億ドル(およそ1兆9000億円)で、アジアの資金需要に十分に応え切れていないのが実情です。
また、資金を必要としている国からは、環境面での審査などに時間がかかるといった不満も出ています。こうした声を背景に、2年前にはアジアのインフラ資金を供給する国際金融機関として、中国が主導するAIIB=アジアインフラ投資銀行が設立され、アジア開発銀行を上回る加盟国を集めています。
アジア開発銀行にとっては、投資や融資の規模を民間資金と組み合わせて拡大することや、職業訓練など人材育成による開発支援を強化して、AIIBとの違いを明確にしていくことが求められています。
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2017/5/5 4:43