17/04/08 08:42:40.97 CAP_USER.net
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激動の朝鮮半島。韓国に親北政権が誕生したらどうなるのか、米中は北朝鮮に対してどんな「秘策」を持って臨むのか―。
元駐韓大使の武藤正敏氏と、先日『活中論 巨大化&混迷化する中国と日本のチャンス』を上梓したばかりの中国問題のスペシャリスト・近藤大介(週刊現代編集次長)が緊急対談を行った。
なぜ「親北派」が選ばれてしまうのか
―北朝鮮の挑発、朴槿恵前大統領の逮捕、THAAD配備を巡る米中韓の対立など、朝鮮半島を舞台に問題が次々と噴出しています。国内情勢が混乱を極める中、5月9日に韓国大統領選挙が行われますが、最大野党「共に民主党」の予備選挙の結果、4月3日に前代表の文在寅氏が選ばれました。
「大統領になったら、まず金正恩第一書記に会いに行く」と公言するほどの親北派で、かつアメリカが韓国に配備しようとしているTHAAD(弾道ミサイル迎撃システム)の撤廃を訴えるなど、大胆な人物です。
混乱した状況において、なぜこのような極端な主張を韓国国民の大部分が支持するのか、理解に苦しむところがあるのですが。
武藤 それにはまず、今の韓国社会の空気を知る必要があります。端的に言うと、現在の韓国は「希望が見えづらい社会」になっています。特に、若者が未来に希望を抱けない社会になっている。
韓国の受験競争が日本以上に厳しいことはご存じでしょう。高校生は受験勉強のために、朝、弁当を二つ持って学校に行きます。一つは昼用、もう一つは夜用です。それで、学校に籠って夜10時ぐらいまで勉強し、その後は塾に行って勉強する。それでも、良い大学に合格できるかは分からない。
その厳しい競争を勝ち抜いて一流大学に入っても、就職する際にさらに高い壁に阻まれることになる。サムスンやLGといった、韓国経済を牛耳っている財閥系輸出企業に就職できるのは、全体の1%といったところ。一流企業と中小企業の待遇差は大きいし、日本以上に非正規雇用者は苦しい生活を送らなければなりません。
結婚するにしても、良い企業に入っていないと難しい。就職、恋愛、結婚、出産、マイホーム、夢、人間関係の7つを諦めなければいけない韓国の若者を指す「七放世代」という言葉が、流行語になっているほどです。
近藤 韓国にいる私の知人の娘も、ソウルの割といい大学を出たのに、100社以上就職試験で落とされ、諦めて日本留学を考えていると言っていました。
そんな社会ですから、財閥企業に対する国民の「恨み」は非常に強い。2014年12月に起こった「ナッツリターン事件」が韓国で盛り上がったのも、大韓航空創業者一族の副社長なら、何をやっても許されるのか、という反発が背景にあったからです。
武藤 高齢者の自殺率も、OECDの中で最も高いですからね。
そんな中で、朴槿恵氏は「経済民主化」を謳って大統領になりました。ごく簡単に言うと、財閥・大企業の利益を国民に還元し、中間層を拡大させようということです。
しかしこの改革は遅々として進まず、さらに韓国の国民を失望させることになった。そこに崔順実(チェ・スンシル)女史のスキャンダルが発覚し、朴槿恵おろしが起こったわけです。
その朴槿恵と彼女の政策を痛烈に批判したのが、左派の弁護士で次期大統領最有力候補の文在寅(ムン・ジェイン)氏です。「大統領になったら、まず北朝鮮に行く」と公言していますので、彼が当選すれば韓国は国際社会から孤立してしまうかもしれません。
でも、それぐらいラディカルに路線を変更しなければ、この国は変わらない―そう思っている人が韓国では増えていて、それが文氏の支持につながっているのです。
近藤 北朝鮮を巡る深刻な情勢を考えれば文氏を大統領に選ぶのは、正しい選択とは思えません。
文氏の政策が韓国の経済成長につながるようには見えませんし、THAAD配備を巡ってアメリカと揉めれば、韓国リスクがまた一つ増えて海外からの投資が先細るので、経済はますます悪化するでしょう。私は韓国を代表する月刊誌『月刊中央』に連載を持っていますが、最近は韓国の人々の視野が狭くなっていると感じますね。
武藤 外交・国際情勢の視点から、文大統領が誕生したらどうなるかを考えてみますと、やはり明るい展望は描けません。
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