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朝日新聞の「金正雲氏と正男氏同席」2009年スクープに矛盾 2月15日付では「面識なかった」と報道 広報は「信頼する相手からの情報」
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北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏がマレーシアで殺害されてから1カ月半。衝撃的な事件によって、異母兄弟の関係や正男氏を保護してきたとされる中国と北朝鮮の関係が改めて脚光を浴びている。
そうした中、8年前の「連続スクープ」で両氏に直接面識があると報じた朝日新聞が最近、既報と矛盾する記事を掲載。過去の特ダネの信憑(しんぴよう)性を自ら損ねるという異例の状況が生まれている。(原川貴郎)
■「正雲氏訪中に正男氏も同席」
2009年6月18日付の朝日新聞朝刊1面は、こんな見出しを付けた記事を掲載した。「北朝鮮の金正日総書記の三男、正雲氏が極秘に訪中し、胡錦濤・中国国家主席と北京で会談」した際、「正男氏は胡主席と面識があり、紹介者として側近とともに列席」していたと報じた(※当時は正恩氏を正雲氏と表記)。
その2日前の16日に朝日は、「正雲氏が、金総書記の特使として中国を極秘に訪問」し、「胡錦濤国家主席らと初めて会談、後継者に内定したことが直接伝えられた」と朝刊1面トップで報道した。18日の記事は16日の続報で、いずれも峯村健司記者の署名による北京発の「スクープ」だった。
ただ、先月13日の正男氏殺害後の朝日の記事には、かつて中国国家主席と同席するほどだった異母兄弟の間柄についての紹介はなく、代りに次のような説明があった。
「正男氏と正恩氏は別々の場所で育てられ、面識もなかったという」(2月15日付朝刊9面)
■各方面から疑問
実は09年6月の朝日の一連の報道には直後から「誤報」と指摘する声が各方面で上がっていた。
中国外務省の報道官は記者会見で、「報道された事実は存在しない」「まるで(スパイ小説の)『007』を読んでいるようだ」などと明確に否定。
中国の武大偉外務次官(当時)も、訪中した自民党議員に対し、「全くそういう事実はない。正雲氏は中国に一度も来たことがない。なぜあのような記事が出たのか。日本のメディアはしっかりしているはずなのに」と語った。
北朝鮮の2度目の核実験の約3週間後の報道だっただけに、専門家からも「だいたい、中国が北朝鮮の核実験に怒っているこの時期に、“首脳会談”を受け入れるはずがない」(重村智計早大教授・『WiLL』09年8月号)などと疑問が呈された。
しかし、朝日側は当時、中国外務省の会見を踏まえた毎日新聞社の問い合わせに、「ご指摘いただいた北朝鮮についての一連の報道は、確かな取材に基づき記事にしたものです」とコメント。
さらに「朝日新聞『金正雲・胡錦濤会談』大虚報のケジメの付け方」の見出しで記事を掲載した「週刊新潮」の編集部に対して抗議文を送付し、記事と見出しについて謝罪と訂正を求めるなど自社報道に強い自信を見せていた。
■正誤に言及せず
09年6月18日付の峯村記者の記事と相反する事実を伝えた今年2月の朝日報道は、09年6月当時もソウル駐在だった牧野愛博記者によるソウル発の署名記事だ。
兄弟間の面識をめぐっては、当の正男氏自身が「平壌では住んでいる場所が違ったので、弟とは全く面識がない」(11年1月の東京新聞の五味洋治氏とのインタビュー)と説明している。
韓国の情報機関によれば、正男氏は12年4月に正恩氏に送った手紙に「私たちは一度も顔を合わせたことのない兄弟だ」と記しており、産経新聞社は2月、これを報じた。事件後、韓国や欧米のメディアも2人に面識はなかったとの情報を伝えている。
牧野記者も横並びに伝えたが、朝日は強い自信を見せていた特ダネをさりげなく訂正したのか。09年6月18日の記事が誤報なら、その2日前の「世界的スクープ」(当時の船橋洋一・朝日新聞社主筆)の第1報の信憑性も改めて問われることになる。
産経新聞社は今月21日、少なくとも正恩氏と正男氏との面識の有無について矛盾する2つの記事について、どちらが正しいか朝日新聞社広報部に問い合わせた。
同広報部は24日、「2つの記事は、それぞれの記者が信頼する取材相手からの情報に基づいて執筆いたしました」とファクスで返答した。しかし、記事の正誤について言及しなかった。