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★平気でウソをいう人たちにどう対抗するか
憲法学者・木村草太VS作家・新城カズマ(司会は松本一弥・朝日新聞WEBRONZA編集長)
東京・下北沢の本屋B&Bで行われた新城カズマさんと木村草太さんの対談風景東京・下北沢の本屋B&Bで行われた新城カズマさんと木村草太さんの対談風景
この対談は、2月19日に東京・下北沢の本屋B&Bで行われた「世界がざわついている今、時空をワープしながら<トランプ・秀吉・憲法・AI>を語ろう」(presented by 朝日新聞WEBRONZA)を加筆修正したものです。3回に分けてお届けします。
※最終回の末尾には、会場で配布した「新城カズマと、木村草太が薦める『2017年を生きぬくオススメ本ベスト 10』」の書籍リストをご紹介します。
他者への批判がすべて自分自身にあてはまる!?
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新城カズマさん(左)と木村草太さん新城カズマさん(左)と木村草太さん
松本 次に、フェイクニュースについて話をしましょう。新城さんからは、「トランプ氏による他者への批判、非難はすべて当人にはね返ってくる」というお題をいただいていますが、そのあたりからまずいきましょうか。
新城 これは昨年の大統領選挙のあいだに、もちろん私だけじゃなくて、アメリカでニュースを書く人のなかでもちらほら出ていた話なんですが、トランプ氏が相手候補、特にヒラリー・クリントンさんを攻撃するときのネタっていうのは、そのあと調べてみると、たいていトランプ氏自身にあてはまることが多かったんですね。それがなぜなのかはよくわからないんですが……何か心理学的な問題が絡んでくるのかもしれないですけど。
「ヒラリーはニューヨークの金持ち銀行に毒されてる」とかいってトランプ氏が攻撃しましたが、でも実際にトランプ氏が今やってるのは自分がゴールドマン・サックスの人間を閣僚に入れたりだとか、「ヒラリー・クリントンのだんなは浮気してた」とか言ったときも、でも自分も奥さんを取り換えてさらにまた浮気もしてたりとか。
他の候補に対しても「ウソつきテッド」とかあだ名をつけて揶揄(やゆ)していたんですが、トランプ氏自身もウソばっかり言ってる、っていうぐあいに。あれは何でなのかがよくわからないですけども、なぜかそういう現象が起きているんですよ。
木村 たしかに起きてますね。
■ファシスト政権は悪行を相手になすりつける
新城カズマさん新城カズマさん
新城 その説明としては、これはモンティ・パイソンのメンバーだったジョン・クリーズがこの間ちらっとネットで言ってたのを見てたんですけども、「ファシスト政権っていうのは相手を攻撃するときに、自分たちの悪行を相手になすりつける」って。「そういう癖があるので気をつけろ」っていうことを言ってたんですよ。
トランプ氏もそうやってむちゃくちゃなことを言って時間稼ぎというか一日を通り抜けて翌日になだれ込むというのが、大統領選からずっと続いていて、もちろんフェイクニュースもその片棒を担いだりするというか。
木村 そうですね。フェイクニュースもそういうところがありますよね。トランプ大統領は就任したすぐ後にも「CNNはフェイクニュースだ」とか言ったりして。
新城 そうそうそう。だから急に言い出すんですよ、なぜか……。
木村 世論調査で支持率が非常に低く出ると、それも「フェイクニュースだ」って(笑)。冗談かと思ったら、トランプ氏は本気で言っている。
新城 どうも言ってる本人は自分の発言を少なくとも信じてるのは間違いないんですよ。だからそんなことをだれが言わせてるか、その茶坊主はだれかみたいなあたりを想像してしまう。ある意味、彼はフェイクニュース的なものと非常に相性がいいんだなぁと。
ただし気をつけなくちゃいけないのは、フェイクニュースという、去年から今年にかけてすごく話題になっているあの概念というのは、もともといろんな名前を変えて今までずーっとあった、それこそ近代以前からあったようなもので、昔は「イエロー・ジャーナリズム」とか言われてましたし。
例えばヨーロッパでいろいろ話題になってるファシスト的な候補とか、ポピュリズム的な候補っていうのもいますけども、トランプ氏ほど、あそこまでナチュラルにウソはつけないですよね。いや、どこの国の首相もね、ある程度ウソはつくし、もちろんクリントン氏だってオバマ氏だってウソはついたんですけども、あそこまでスラスラ~ッとウソがつけるっていうのはちょっとすごいなぁと。
朝日新聞webronza
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