17/03/17 02:19:05.94 CAP_USER.net
【国際情勢分析】
昨年末まで国連事務総長を務めた潘基文氏(パン・ギムン、72)が先月、次期韓国大統領選への出馬取りやめを表明した。
本人としてみれば無念かもしれないが、国民を力強く引っ張るだけの指導力を持ち合わせていないとの評判がもっぱらで、潮時だったはずだ。
筆者のニューヨーク赴任時代、国連担当記者として取材した潘氏がらみの話をここで振り返ってみたい。(黒沢潤 外信部次長)
「韓国レストランに行くと、在米韓国人からとても歓迎されて食事どころでなく、自然と日本レストランに行くことが多くなった」
潘氏と個人的に付き合いのある国連関係者は、潘氏がニューヨーク・マンハッタン35丁目付近にあるコリアタウンの韓国レストランではなく、
52丁目にある老舗の日本飲食店「レストラン日本」に顔をよく出していたと打ち明けた。
潘氏は日本を大事にすることで知られ、日本を訪問する際には事前に国連内に日本メディアを呼び、
丁寧に記者団の質問に応じたほか、日本の外交官と日頃からゴルフを通じて交流を深めていた。
潘氏のゴルフについて、ある国連外交官から次のような話を聞いたことある。
「彼の素振りはゆっくりなのに、ボールを打つとなると、超高速のスイングだった」
潘氏とニューヨーク近郊で一緒にゴルフをした際、この外交官は潘氏のスイングの差にとても驚いたという。
この証言からすると、潘氏の“手打ち”のような姿を想像してしまうが、スコアは100前後だったとか。何となく“要領の良さ”が見えてくる。
韓国では、ゴルフの第1ホールで左や右に曲げ、OBなどになった場合、そのホールは同じ組の仲間が出した良いスコアと同じスコアを付けられる習慣があるという。
潘氏は韓国人以外とゴルフをするときもよく「“韓国方式”でやろう」と持ち掛け、外国人を驚かせていたようだ。“公正”ではないため、呆れ返った人もいたようだが。
「公正さ」といえば、潘氏は北京で2015年秋に行われた抗日戦争勝利70周年記念行事に出席し、「中立性」を疑われたことがあった。
日本の自民党のある重鎮が潘氏の北京行きを思いとどまらせようと、ニューヨークの国連本部を訪れた際、潘氏は煮え切らない態度に終始したという。
日本の外務省関係者が筆者に語ったところによれば、この重鎮は日本政府の関係者に対し、潘氏はしょせん「役人」レベルだ、と酷評したという。
欧米の首脳らも軒並み出席を見合わせた記念行事について、大所高所から「欠席すべきだ」との判断ができなかったことを批判してのものだろう。
◇ ◇
それでも、仕事を離れて潘氏の人の良さについてはいろいろな人から聞くことが多かった。
ニューヨークの美しい雪が舞い散る毎年12月。潘氏が国連本部や各国外交官に恒例のクリスマスカードを送る際は、名前を自筆できちんと書いたという。
国連事務総長ともなれば、大量のカードを送らざるを得ず、つい、すべての文面、署名を印刷に頼りたくなるはずだ。
だからこそ、潘氏の自筆のカードをもらった人たちは、その丁寧さにとても感動した、と述懐する。
潘氏は年始めに国連本部の各部署を訪れ、職員に声を掛けることもよくあった。欧米やアフリカ諸国出身の事務総長なら、
そこまでしないかもしれないが、さすが東アジア出身の事務総長だけあって、様々な方面に心配りを見せていた。
事務総長として不朽の名を残すことができず、韓国大統領の座を狙える器でもなかった潘氏。ただ、無類の人の良さ、行儀の良さだけはうかがえた。
今後、米名門ハーバード大の教壇に立つといった話も聞こえてくるが、一体、どんな余生を送ることになるのか-。
ネットでは、「ハーバードでの講義科目は処世術?」などという悪口も聞こえてくるが、近くで取材した者として、とても気になる。
■国連事務総長 国連事務局のトップ。安全保障理事会の勧告に基づいて総会が任命する。安保理は候補を1人しか推薦しないため、
事実上選出の権限を握り、拒否権を持つ米中英仏露の5常任理事国の反対を受けないことが必須。
国連憲章は事務総長に「世界の平和と安全の維持を脅かすと認める事項」について安保理の注意を促す権限を与えている。(共同)
2017.03.15
URLリンク(www.zakzak.co.jp)
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