17/03/12 10:16:39.61 CAP_USER.net
韓国で日本からの独立運動を記念する祝日の3月1日、ソウル中心部に異様な光景が広がった。
東西に走る大通りに機動隊がバスでバリケードを築き、その北側の広場を朴槿恵(パク・クネ)前大統領の弾劾推進派が、南側を弾劾反対派が占拠し、それぞれが大規模デモを開催したのだ。機動隊が両派を分離した通りは南北軍事境界線になぞらえ、「非武装地帯(DMZ)」と呼ばれた。
弾劾推進派が「100万人デモ」と喧伝(けんでん)してきたのに対抗し、反対派はこの日、「500万人が集まった」と主張。この数字はもちろん誇張だが、数の上では推進派が押され気味にみえたことは否めない。
だが、10日の朴氏罷免決定で両派の立場は完全に入れ替わった。推進派は「勝利」に酔いしれ、大統領府に向けてパレード。反対派は怒りの矛先を報道陣に向け、日韓のカメラマンに負傷者が出た。
弾劾推進派の中核を担ってきたのは、全国民主労働組合総連盟(民主労総)など親北・反米志向の左派団体だ。デモでは、米軍の最新鋭迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備に反対し、米大使館の壁にレーザー光線を照射。「NO THAAD」という文字がくっきり浮かび上がった。
慰安婦問題で反日姿勢を鮮明にしてきた韓国挺身隊問題対策協議会(挺対協)も昨秋、このデモに加わり、日韓合意の破棄を主張してきた。そして昨年12月、釜山の日本総領事館前に慰安婦像が設置されるという事件へとつながる。
■保守派はどう動く
韓国・釜山市の日本総領事館前の慰安婦像は本来、公道上の違法建造物として速やかに撤去されるはずだった。現に昨年12月28日には、地元の東区が像を一時撤去した。
これに猛抗議が起きる。あおったのは最大野党「共に民主党」の文在寅(ムン・ジェイン)前代表だった。
「東区とその背後勢力は設置を恐れた。親日行為にほかならない」。文氏はツイッターでこう非難し、抗議に耐えかねた区は一転して設置を許可した。
文氏は昨年10月、与党の攻勢にさらされていた。盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権時代、国連北朝鮮人権決議案に関して北朝鮮に意見を求めた「内通」疑惑が浮上したからだ。
だが、この直後に朴槿恵前大統領をめぐる疑惑が拡大。弾劾を主導して巻き返しに動き、今では次期大統領選の有力候補中、支持率トップに立っている。
疑惑の表面化で朴氏の政策を全否定する風潮も強まった。朴氏が編纂(へんさん)を指示した中学・高校の国定歴史教科書にも批判が集中。政府は昨年末、批判意見を取り入れて内容も改訂する方針転換を迫られた。慰安婦問題の記述が補強され、十分な検証もないまま「(慰安婦が)日本軍に集団殺害された」と記された。
朴氏が推進した米軍の「高高度防衛ミサイル(THAAD)」配備や、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の撤回も求める野党。これに懸念を示す保守層も少なくない。
弾劾反対デモでは、北朝鮮に対する米韓同盟の結束が訴えられ、多くの星条旗が街頭に翻った。1月中旬のデモに参加した60代の男性は「弾劾で親北勢力にいいようにされ、安全保障がないがしろにされている」と不満を語っていた。
だが、野党優位で進むとみられる大統領選では、大統領権限を代行する黄教安(ファン・ギョアン)首相を除いて、保守派の受け皿となる候補は見当たらない。保守派が政権の座から転落すれば、日韓合意のほか、ようやく動き始めた安全保障面の日米との協力なども不透明感を増す。
保守派の勢いを奪い去った朴氏の失職は、日韓関係にさらなる悪影響を及ぼすだろう。(ソウル 桜井紀雄)
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