17/02/21 17:31:04.71 CAP_USER.net
ロシアは中国にとって最大の原油供給国だが、石油価格の下落による目減り分を補おうと、食料品や農水産物の対中輸出拡大を狙っている。だが、中国側の厳しい規制に阻まれ、そう簡単に事は進まないようだ。
アレクセイ・グルゼデフ経済副大臣(貿易担当)はインタビューに応じ「経済イニシアチブはさまざまだが、実現させるのは容易ではない。市場に参入して適所を見つけるのは、熾烈(しれつ)な競争が絡む困難なプロセスだ」と説明した。
長年にわたる投資と豊作、政府による輸入品禁止の恩恵を受け、ロシアの農業部門はここ数年来、急成長を遂げている。昨年、ロシアは1世紀ぶりに世界の小麦輸出国トップに躍り出た。
その一方、最近まで全体の4分の3を占めていた燃料輸出が石油価格の下落で目減りしており、不足を補うものとして、農水産品に期待を寄せている。
2014年のウクライナ危機で欧米との関係が悪化したロシアは対中貿易強化へ舵を切り、中国はすでに農水産品の最大輸出先となっている。
16年1~11月のロシアの対中輸出総額は前年同期比6.1%減だったが、農水産品は全体の約11%にあたる15億ドル(約1694億円)となり、同8%強の伸びを示した。
政府の貿易促進機関、ロシア輸出センターによれば、冷凍魚とヒマワリ油、大豆が輸出の大半を占める。
グルゼデフ経済副大臣は「中国では高品質のロシア産品に対する需要が形成されつつあり、一段の成長源を見込んでいる」と期待する。同氏は昨年現職に就任するまでは中国でロシアの通商代表を務めていた。
しかし、依然として障害も山積している。同副大臣によると、世界最大の豚肉消費国である中国への輸出拡大は重要施策の一つとなっているが、ロシア国内でアフリカ豚コレラが発生し、ロシア産食肉は輸入禁止となった。
現在、非感染地域産の食肉について禁輸措置の緩和を中国当局に求めているという。
さらに、ロシアは乳製品の対中輸出も視野に入れているが、安全面の懸念から、中国側が規制を続けている。
コンサルティング会社アグリフード・ストラテジーズ(モスクワ)のアルバート・デブレイエフ社長は「対中貿易への高揚感がある半面、中国と折り合いを付けるのは非常に難しい。防疫要件の厳しさは世界有数だ」と述べた。
(ブルームバーグ Anna Andrianova、Anatoly Medetsky)
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