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(人生の贈りもの)わたしの半生 歴史学者・和田春樹:1 79歳
2017年1月23日16時30分
昨年末にもロシアを訪れた。今年はロシア革命100年。「ナロードニキ革命家の伝記を書き上げ、僕の研究の最後を締めくくりたい」=東京都中央区築地、郭允撮影
■難航する隣国との課題に向き合う
―日ロ関係は、昨年大きく動くのではないかと期待されていました。プーチン大統領訪日の結果をどう見ていますか。
失望しました。北方領土問題解決のためのラストチャンスをいかす会談だったのです。安倍首相はそのつもりで時間をかけて準備してきたはずです。だから僕は、日ソ共同宣言を基礎にして歯舞・色丹の2島返還から出発するという方向に、安倍さんは踏み切るのではないかと考えていたのですが、そうなりませんでした。日本がサンフランシスコ条約で放棄したクリル諸島に択捉・国後が含まれていないという4島返還の論理は無理なのです。共同開発するのなら、2島をロシアが、2島を日本が領有することにした上でやるしかないと思います。
―プーチンさんは、2島返還でさえ消極的に見えました。
日ソ共同宣言を出したフルシチョフはソ連共産党第1書記で、その決定に抵抗できる勢力は国内にはありませんでした。プーチン大統領は強力に見えても、フルシチョフほどの力はありません。日ソ共同宣言での約束を守ろうとしていますが、国民の同意を取り付けるのが難しいのです。
―安倍さんが北方領土問題を解決できれば、歴史に残る「名宰相」になりますよね。
確かに安倍さんが残された日本の戦後処理の大問題を取り上げて解決する方向性を出せば、間違いなく評価が上がるでしょう。ロシアとの領土問題と並んで残る課題は、北朝鮮との国交交渉問題です。これも安倍さんの課題のはずです。アメリカは今は何もできないのです。むしろ植民地支配の清算が済んでいない日本なら、北朝鮮との関係を変えることができるのです。
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