17/01/19 20:44:30.19 CAP_USER.net
民族や人種に関するヘイトスピーチ(憎悪表現)への包囲網が狭まりつつある。昨年7月に全国初の抑止条例が施行された大阪市では、ヘイトスピーチの被害申請が半年で20件を超えたことが判明。昨年末にはコリアンタウンで差別的デモを計画した男性に裁判所からデモ禁止の仮処分が出た上、現地を訪れた男性を反対派や警察官が囲んで中止させた。ただ、市は憲法の「表現の自由」に配慮して被害申請を慎重に審査しているとみられ、ヘイトスピーチと認定されたケースはゼロのままだ。
デモ禁止仮処分
「君の主張は明らかにヘイトスピーチじゃないか」
昨年12月29日、日本屈指のコリアンタウンがある大阪市生野区。JR鶴橋駅前に姿を見せた大阪府在住の男性に、在日コリアンらの人権保障に取り組むNPO法人の関係者が詰め寄った。
男性は在日コリアン排除を掲げる団体の元幹部。インターネット上で「朝鮮人の危険性を訴えながら防犯パトロールをする」と日程を挙げて事前告知していた。このため、鶴橋駅近くに事務所があるNPO法人がデモ禁止を求める仮処分を大阪地裁に申請。地裁は同20日、男性に事務所から半径600メートル以内でのデモを禁止する決定を出していた。
当日は大阪府警の警察官数十人も現場で警戒に当たり、男性は結局、半ば強制的に排除された。府警幹部は「男性が禁止区域の中でヘイトスピーチを行う恐れがあり、トラブルを避けるためだった」と話した。
昨年5月に成立した国のヘイトスピーチ対策法は理念法にすぎず、ヘイトスピーチに対する事前規制や、実施した個人、団体への罰則規定はない。横浜地裁川崎支部でも同6月、対策法を根拠に今回と同様にデモを禁じる仮処分決定を出しており、今後も司法手続きを通じた対処が広がる可能性がある。
団体や個人公表
一方、大阪市の抑止条例は、ヘイトスピーチと認定すれば団体や個人を公表する仕組みを設けるなど、対策法より一歩踏み込んだ内容だ。とはいえ、施行から半年が経過した今も、実際にヘイトスピーチと認定されたケースは出ていない。
市によると、在日コリアンの団体などが「ヘイトスピーチに当たる」として被害を申請したインターネット上の動画などは21件(1月17日現在)。弁護士や大学教授でつくる審査会が審議を続けている。吉村洋文市長は「(審議は)急いでやる必要はない。じっくりと議論してもらっている」と話している。
公安関係者は「認定はいわばヘイトスピーチの線引き。憲法21条が定める『表現の自由』もあり、慎重になっているのだろう」と推測している。
産経
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