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【「神格化」は進む一方 新華社/AFLO】
10月末閉幕した中国共産党の重要会議「第18期中央委員会第6回全体会議(6中全会)」では、習近平総書記を「党中央の核心」と位置づけることが採択された。毛沢東、トウ小平らに用いられた呼称の復活は、習総書記の権力掌握を意味するのか。ジャーナリストの右田早希氏がレポートする。
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「中国的事儿一総書記説了算!」(中国のことは総書記が決めれば済むのだ)。
2016年10月24日から27日まで開かれた中国共産党の「6中全会」で、「新貴」と呼ばれる習近平総書記の家臣たちは、異口同音にこの言葉を口にした。
5年に一度の共産党大会の前年に開かれる「6中全会」は、胡錦濤時代までは、無難な文化面での改革などをテーマにすることが多かった。だが習近平総書記は、「新たな形勢下での党内の政治生活の若干の準則の制定と、中国共産党党内監督条例(試行)の修訂」を、テーマに持ってきた。
これは「意訳」すると、「習近平独裁体制を規定し、逆らう者は処罰する」というものだ。そして、若干の修正を加えたものの、強引に採択してしまった。
「6中全会」の直前、中央紀律検査委員会は、習近平政権が始まった2013年から2016年9月までの「粛清の成果」を、誇らしげに発表した。
それによると、2013年に18.2万人、2014年に23.2万人、2015年に33.6万人、2016年は9月までに26万人を処分した。計101万人に上り、処分者の人数を年々増やしているところがポイントだという。習近平独裁体制に逆らう者は、「トラ(大幹部)もハエ(小役人)も同時に叩く」ことを見せつけたのだ。
中央紀律検査委員会はまた、中国中央テレビ(CCTV)と共同制作で、『永遠に路上に』という8回シリーズのドキュメンタリー番組を作成。10月17日から「6中全会」の初日まで、8夜連続でゴールデンタイムに放映した。
監獄に叩き込まれた幹部たちが、次々と「獄中出演」し、「習近平総書記の方針に逆らった私が悪うございました」と、涙ながらに懺悔する番組だ。「CCTV開局以来、最もえげつない番組」と揶揄されているが、そんなことを気にする習近平総書記ではない。
習近平独裁体制完遂のため、日夜、政敵の粛清に励んでいるのが中央紀律検査委員会だ。これはナチスドイツのゲシュタポに似た機関で、ヒムラー長官にあたるのが、習近平主席の最側近、王岐山・中央紀律検査委員会書記である。中国共産党内の序列は6位だが、すでに事実上は、序列2位の李克強首相の権力を超え、ナンバー2と言ってよい。
その王書記は、2015年4月23日、習近平総書記の母校・清華大学での講演のため訪中したフランシス・フクヤマSAIS教授、青木昌彦スタンフォード大学名誉教授らと面会し、習近平政治について、こう講釈した。
「中国において皇帝というのは、『天子』と呼ばれる神なのだ。中国はいまでも神が統治するから、司法は必ず、中国共産党の指導のもとに行動しなければならない。
各国の最高法である憲法は、人間の手によって書かれた紙きれにすぎない。だから憲法が定める最高権力者の大統領は、神ではない。また、日本には天皇がいて、英国には女王がいるが、天皇も女王も神ではない。神がいるのは中国だけだ」
王書記は、大胆不敵にも「習近平=神」論をブチ上げたのである。
※SAPIO2017年1月号
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