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ラオス北部ボケオ県にある中国企業のバナナ農園。道路脇に中国語の看板が立っていた=9月27日(共同)
ラオスに中国企業が多数進出し、バナナなどの農園経営を急拡大させている。温暖で人件費も安いことが理由とされる。しかし、危険な農薬を大量に使っているとみられ、住民たちは「無法状態」と憤り、健康被害を訴えている。
◆マスク支給されず
ラオス北部ボケオ県。中国との国境につながる山間部の幹線道路沿いに、バナナ農園が延々と広がっている。行き交うトラックには中国ナンバーも。ある農園では、ラオス人の出稼ぎ労働者が10歳前後の子供たちとともにマスクもせず農薬を散布、中国人従業員が車で巡回し作業を見張っていた。
「農薬が散布されるたびに魚が大量に死ぬ。2年前に農園ができるまで、こんなことはなかった」。同県シームアンガン村の男性漁師が憤った。漁場となる川の岸にはあたり一面にバナナが生い茂っている。
農薬がまかれると刺激臭が立ち込め、自分だけでなく幼い息子や娘も頭痛や吐き気に苦しむ。「子供の健康が心配。村を出たいが、他に行く所がない」と言葉少なだ。
隣村では、農園で作業を終えた男性労働者がふらつきながら中国企業の寮に向かって歩いていた。「1週間前に働き始め、農薬を大量に吸い込んで体調を崩した。怖くてもう辞めたい」と声を振り絞った。企業にマスクや防護服の支給を求めても「持っていない」と拒否されたという。
◆一帯に刺激臭
農園には熟成を抑えたり虫を防いだりする目的でバナナを農薬に漬ける“プール”もあり、一帯には刺激臭が漂う。
人口700万弱のラオスでは、農業分野以外でも中国企業の進出が相次ぎ、街中には中国語の看板があふれて“中国化”が進んでいる。環境保護団体によると、北部では5年ほど前から、もともと農業を営んでいた住民が現金収入を目当てに中国企業に土地を貸し、バナナ農園が広がり始めた。
ラオス農林省の統計ではバナナ農園は2015年、国全体で約2億8000万平方メートルにおよび、生産量は約79万トンで5年前の4倍以上に増えた。スイカやトウモロコシも栽培されている。
中国人が経営する店をのぞくと、高濃度の殺虫剤が売られていた。中国でも同様に販売されているのかは不明だが、日本では毒物に指定されて取り扱いが規制される濃度だ。
「連日、住民や労働者が何人も来て目まいなどを訴える。いずれ深刻な病気を発症するのは間違いない」。ボケオ県にある診療所の男性医師が証言した。
農業事情に詳しいラオス人男性は「中国企業がラオスの役人に賄賂を渡し、好き勝手なことをしている。法律は機能していないに等しい」と指摘。農家の男性は「自然豊かな土地が汚され悔しい。もう元には戻らないだろう」と嘆いた。(ラオス北部ボケオ県 共同)
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