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「特別永住制度」は見直すべき時期に来ている
法改正による「新たな付与」は必要なのか
安積 明子 :ジャーナリスト
2016年11月28日
「特別永住制度」は未来永劫残る制度ではないだろう。未来志向で、この問題を真剣に考え直すべき時期かもしれない(写真:iroha/PIXTA)
昭和が終わって30年近く経とうというのに、いまだ「戦後」を引きずっている問題がある。そのひとつが、"ヘイトスピーチ"によってすっかり有名になってしまった「特別永住制度」である。
11月7日に自民党本部で開かれた法務部会で、「平和条約国籍離脱者等地位喪失者に係る日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特別法の特例に関する法律案」についての審査が行われた。実にややこしい日本語だが、これが法案名だ。詳細は後述するが、特別永住制度の網から漏れていた二十数名の韓国人に特別永住権を与えるための法案だ。
同法案は日韓議連のメンバーを中心に各党で審議され、超党派による議員立法として提出されることになっている。すでに公明党は党内手続きを完了し、他党の出方を待つばかりだ。日本維新の会も政策調査会で了承し、国対で審議する予定だ。
しかし11月7日の自民党法務部会では、賛成意見もあったが反対意見も強く、意見がまとまらず持ち越しとなったという。
いったい何が起きているのか。その詳細を説明する前に、そもそも「特別永住制度」とは何なのかを振り返っておこう。
特別永住制度は、なぜ生まれたのか
「特別永住」の名称自体は1991年に創設されたが、その内容は主に戦前戦後の日本と朝鮮半島・台湾の歴史と重なる。
まずは1945年9月2日の降伏文書調印以前から日本に居住し、1952年4月28日のサンフランシスコ平和条約発効に伴い日本国籍を離脱した朝鮮半島及び台湾出身者とその子どもに、期限の定めのない在留と活動の自由が認められた。つまり戦前に日本人であったという「歴史的経緯」と、引き続き日本に住んでいるという「定住性」で認められた権利といえる。
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