16/11/21 20:08:33.35 CAP_USER.net
北方領土交渉の進展に向け「詰め」の協議と位置付けられた19日の日ロ首脳会談。安倍晋三首相はロシアが期待する経済協力プランの着実な実施を約束すると同時に、領土問題で踏み込んだ提案を行ったもようだ。だが、プーチン大統領の反応は芳しくなかったとされ、首相同行筋は「首相は『やっぱり領土問題は厳しい』と実感したようだ」と明かした。
首相は会談後、こわばった表情で「そう簡単ではない」「一歩一歩前進していきたい」と繰り返した。9月のロシア・ウラジオストクでの会談後、「手応えを強く感じ取ることができた」と語ったのとは対照的だ。同行筋は「首相は表情が明るくなかった」と認め、「理由を聞くのはつらいから聞いていない」と心中をおもんぱかった。
今回の会談に当たり、両政府は8項目の経済協力プランの作業計画を取りまとめた。プーチン氏の関心が高いロシア極東での医療事業や都市環境整備、エネルギー開発など広範な案件を盛り込み、政府関係者が「日本側の本気度が伝わるはずだし、手応えはあった」と胸を張る内容だ。
実際、プーチン氏は首脳会談の全体会合で「作業計画を1ページ目からじっくり読み込んでいた」(同行筋)。しかし、この後、通訳を交えた首脳2人だけの会談では、作業計画に高い関心を示す一方、首相の話は「あまり聞いていなかったらしい」(同)という。
9月の前回会談後、目立った変化は、米大統領選でロシア寄りとも取れる発言をしてきたトランプ氏の勝利と、日ロ経済協力を担当したウリュカエフ前経済発展相の訴追・解任だが、ロシア側の対応にどう影響したかは不明だ。外務省幹部は「一つの節目に近づけば近づくほど、交渉が難しくなるのは自然だ」と解説した。
首相は、あくまで経済協力をテコに領土交渉を動かしたい考えだ。19日の会談後、12月15日に地元の山口県長門市で予定する次回会談に向け「経済協力はしっかりやってくれ」と周辺に指示した。
だが、会談結果を受け、政府内からは領土問題で目に見える成果を上げるのは厳しいとみて、期待値を下げるかのような声も漏れ始めた。ある関係者は「12月15日はゴールではなくスタート。今後の方向性を確認できれば十分だ」と語った。
時事(2016/11/20-18:53)
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