16/11/21 17:52:12.55 CAP_USER.net
韓国・釜山市から西へ約１５０キロ。地方都市・順天市（全羅南道）には、多くのドラマ、映画を生み出している場所があるという。日本でも大流行した「韓流」作品の舞台裏が見られると聞き、現地を訪ねてみた。
韓流スター、チャン・グンソクさんが出るドラマ「ラブレイン」や、ハリウッドでも活躍するイ・ビョンホンさん主演の映画「夏物語」…。２００６年にオープンした「順天ドラマ撮影場」では、これまでに約４５本が撮られた。入り口付近には作品の看板が並び、観光客を出迎えてくれる。
敷地面積は４万平方メートルほど。家屋が約１８５戸あり、１時間もあれば、一通り回ることができる。撮影場内は（１）１９６０年代の順天市の街並み（２）７０年代のソウルで貧しい人が暮らした地域（３）８０年代のソウル繁華街－に大別され、新作を撮る際には建て替える家屋もあるという。
まず６０年代エリアを歩いた。酒場、交番、郵便ポスト、市場もある。目に入る「古き良き韓国」は、日本の「昭和」のよう。生活の息づかいが感じられ、今にも人が店内から出てきそうだ。
続いて、７０年代へ。粗末に見える住宅が急斜面に密集し、集落を形成していた。坂を上る人も。撮影セットとは思えない風景に、夢中でシャッターを切った。８０年代の街並みはきれいに整備されており、現代風の建物もあった。
散策中に、ちらほらと学生服姿を見かけた。修学旅行生だろうか。すると、現地在住で観光ガイドを１０年近く務める小池早苗さん（５３）が「ここで制服や学生帽、通学カバンを借りることができるんですよ」と教えてくれた。
さっそく貸衣装店へ。店内にはさまざまな制服が並ぶほか、学校の教室を模したスペースもある。居合わせた６０代夫婦はソウルから来たといい、「友達と一緒に勉強していた頃を思い出す」と笑顔を向けてくれた。
来場者は若者中心だが、孫を連れてくる高齢者もいるという。作品に登場した建物を見ることでファン心理をくすぐられたり、古い街並みを懐かしんだり。小池さんは「いろいろな楽しみ方があります」と話していた。
撮影中であれば、韓流スターに遭遇の可能性も？ 撮影場関係者は「遠くから見えるかもしれないが、会える保証はありません」。そりゃそうです。苦笑いしてしまった。
同市では、「順天湾湿地」も観光名所だ。遊歩道を進むと、３６０度のアシ原。癒やされると同時に心地よい汗をかいた。広大な干潟では、ナベヅルや白鳥などの渡り鳥を観賞。自然の宝庫を堪能した。
郷愁を誘い、ソウルや釜山のような大都市とは違った魅力を持つ順天。次は韓流ドラマ、映画をたっぷりと「予習」してから行けば、さらに楽しい旅になりそうだ。
●メモ
順天市に行くには、釜山の金海国際空港か、釜山総合バスターミナルで高速バスに乗車。約２時間半で順天総合バスターミナルに着く。路線バスに乗り換え、順天ドラマ撮影場には３０分、順天湾湿地には４０分ほど。ドラマ撮影場の料金は大人３０００ウォン。順天湾湿地は同８０００ウォンのほか、干潟や渡り鳥などを楽しむ「生態体験船」に乗る場合、別途で同７０００ウォン。
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●寄り道
順天市に隣接する麗水市。２０１２年に万博が開催された街でもある。その会場では４～１１月、万博と同様に巨大円形モニュメントを使ったレーザーと噴水のショー（大人１万４０００～２万２０００ウォン、立ち見席を含む）が行われている＝写真。幻想的かつ迫力のあるステージは見応え十分だ。
また、同市では海上ケーブルカーが１４年から運行されている。片道１．５キロを１３分ほどで結ぶ。眼下に広がる海の景色は一見の価値あり。ケーブルカーには、足元がガラス張りの車両もあるという。料金は大人片道１万ウォンから。
URLﾘﾝｸ(www.nishinippon.co.jp)
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順天ドラマ撮影場内に造られた、１９７０年代のソウルの家並み。貧しい人たちが住んだ地域が再現され、粗末な住宅が肩を寄せ合う