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この言いがかりに黙っているわけにはいかない。元朝日新聞記者、植村隆さん(58)は覚悟を決めて反撃する。今年2月に出版した『真実~私は「捏造記者」ではない』(岩波書店)は増刷と好評。各地で講演を引き受け、ジャーナリズム全体にかけられたバッシングに正面から向き合う。9月7日、福岡市で開かれた集いには110人の参加者があり、質問にも丁寧に応じる姿が印象的だった。本人と話してみて思う。「捏造」を唱えるほうこそ捏造ではないか。「慰安婦」問題と取り組む九州キリスト者の会主催。
●『週刊文春』の記事が火付け
植村さんの環境が一変したのは2年前、『週刊文春』2月6日号に掲載された「“慰安婦捏造”朝日新聞記者がお嬢様女子大教授に」という記事だった。「見るたびに腹が立つんですが、大事な資料です」と会場に提示する。1991年8月、当時大阪本社社会部の在日・人権担当時代に書いた元「慰安婦」金学順(キム・ハクスン)さんの証言に対し、軍による関与はなかったと考える側を勢いづかせるバッシングである。前年6月の参院予算委で「(慰安婦は)民間業者が連れ歩いた」と政府が答弁し、韓国民主化の中で声を上げる女性たちが出てきた。植村さんは韓国留学の経験もあり、ハングルは得意だ。元「慰安婦」の紹介をされ2週間取材したが、家族にもひた隠し�