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16/09/24 20:42:44.19 CAP_USER.net
 「日韓通貨スワップ」が再開へ向けて議論されるようです。3年前にいったん終了したものがなぜ再開なのか。日本にとってのメリットはあるのか。韓国経済をめぐっては、世界有数の海運会社である韓進海運の経営破綻が報じられました。韓国経済の現状と合わせて、岡山大学経済学部教授の釣 雅雄氏があらためて解説します。
あらためて通貨スワップとは?
 韓国ソウルで8月27日に日韓財務対話が行われた際、日韓通貨スワップ再開の議論開始が決まりました。日韓通貨スワップとは、日韓どちらかの国の通貨に危機が生じた時に、通貨(米ドル)を融通・交換するというものです。ただし、日韓通貨スワップは、主に韓国ウォン危機への対応といえます。日本側がドル不足に陥ることはまず考えられず、一方で、韓国ウォンは世界経済の情勢からの変化を受けやすいからです。
 日韓通貨スワップは、かつても最大で700億ドル規模で行われていましたが、2013年7月に協定満期により終了しました。日韓財務対話前の記者会見(8月24日)で、麻生財務大臣は、「向こう(韓国)は要らないという話だったので、それではいいのではないですかというので切ったというのが経緯ですから、必要というのであれば向こうからその話が出れば検討します」と述べているので、再開の議論は韓国側の要望によると考えられます。
 通貨スワップ協定とは、どちらかの国が通貨危機等に陥った場合に一方の国がドルを貸し出すもので、通貨への信用を強めるための協定です。かつての日韓通貨スワップの額が30億ドルから700億ドルに引き上げられたのは、欧州危機(ギリシャ財政危機)の時で2011年10月でした。ウォン安は11月で止まっているので、効果はあったと考えられます。
 現在の状況は、このような協定を結ぶことで、通貨危機を未然に防ごうというものです。実際により深刻な通貨危機が生じた場合のドル不足に十分な額というわけではありません。2016年の外国為替の取引額は1日で約5.1兆ドル(BIS, Triennial Central Bank Survey, Foreign exchange turnover in April 2016)にも上ります。700億ドルという規模で韓国ウォン危機を解決できるものではありません。そのため、日韓通貨スワップには、スワップ(交換)による損失リスクが日本にもあります。
通貨スワップのメリットは?
メリットは主に韓国にあります。韓国のウォンは世界経済の影響を受けやすく不安定です。図1は韓国ウォンのドルおよび円についての為替レートの推移で、2008年からの世界金融危機の時に韓国ウォンが急激に下落(図では上方向)したことが分かります。韓国は、日本と似て製造業や輸出産業が中心の産業構造です。ただ、GDP(国内総生産)に占める輸出・輸入は日本よりも非常に高く、輸出の対GDP比率は45.9%(2015年,The Bank of Korea統計)です。日本も高まってきているものの、17.7%(2014年、国民経済計算確報)ですので、韓国経済がいかに世界経済に依存しているかがわかります。
URLリンク(wordleaf.c.yimg.jp)
[図1]韓国の輸出額とその変化率と輸出先
 日本人の感覚ではウォン安になっても輸出には有利なので、韓国にとって良いのではと思うかもしれません。けれどもそうではなく、ウォンへの信用が失われるので、韓国企業の貿易取引が難しくなったり、また、輸入価格が上昇するので生産のために必要なものが手に入らなくなったりします。また、韓国国内の物価が上昇するので生活が苦しくなります。
URLリンク(thepage.jp)



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